お腹の中の赤ちゃんが小さいと言われました【胎児発育不全】

妊娠の異常

結論ですが

お腹の中の赤ちゃんが小さい場合は「発育」や「元気さ具合」に注意します。

この記事は「妊娠中の女性」に向けて書いています。
この記事を読むことで「お腹の中の赤ちゃんが小さい場合」についてわかります。

妊婦健診では、毎回エコーでおなかの中の赤ちゃんの推定体重を測ります。
親として、赤ちゃんが毎回すくすくと順調に大きく育っていくことを願っているかと思います。

しかし、そこで赤ちゃんが小さいといわれることもあります。
今回、お腹の中の赤ちゃんが小さい場合を「胎児発育不全」(FGR)とよばれますが、説明していきます。

この記事のまとめ

  • 赤ちゃんが小さい場合は「お腹の中の赤ちゃんが本当に小さいのか」確認します。
  • 赤ちゃんの「発育」や「元気さ具合」に注意してみていきます。
  • 「赤ちゃんが小さくなる原因」を探して、改善できるものは改善するようにします。

赤ちゃんが小さいとは?

毎回のエコーで「赤ちゃんの推定体重」というものを出します。
「頭の幅」「お腹まわり」「ふとももの骨の長さ」を測定して、「赤ちゃんの推定体重」を算出します。「赤ちゃんの推定体重」が週数相当の体重と比べて、赤ちゃんが順調に発育しているか判断します。
本来は推定”体重”なので「重い」「軽い」という表現になりますが、推定体重は赤ちゃんの体の部位の大きさから測定しているので「大きい」「小さい」と表現されることが多いです。

赤ちゃんが小さい場合はどうするのか?

  1. 本当に赤ちゃんが小さいのか確認する
  2. 赤ちゃんの発育を確認する
  3. 赤ちゃんの元気さ具合を確認する
  4. 赤ちゃんが小さい原因がないか確認する

まずは本当に「お腹の中の赤ちゃんが小さいのか」確認します。
赤ちゃんが本当に小さい場合は「発育」や「元気さ具合」に注意してみていきます。また、「赤ちゃんが小さくなる原因」を探して、改善できるものは改善するようにします。

赤ちゃんが本当に小さいか確認する

個人差の範囲内か確認する

赤ちゃんの推定体重が軽い場合、赤ちゃんが軽いのは個人差の範囲内なのか、注意すべき範囲なのか判断する必要があります。
どのくらい軽いか重いか判断するために「標準偏差」(SD)というものが用いられます。これは簡単にいうと平均からどのくらい離れているのかを示したものです。
「-1.5SD以下」を目安に「赤ちゃんは小さい」(胎児発育不全)と判断します。それよりも軽度なものであれば、赤ちゃんの小ささは「個人差の範囲内」と判断します。

週数計算のズレ

妊娠初期に「分娩予定日」を計算しますが、「現時点の妊娠週数」も一緒に計算されます。
「最終月経」や「赤ちゃんの大きさ」から妊娠週数と分娩予定日は決められます。その算出方法は、「1週間以内の誤差であれば許容して決められるルール」になっているので、妊娠週数を決める時点で「実際の赤ちゃんの週数とズレが生じている可能性」があります。赤ちゃんが小さい場合は、妊娠週数を計算したときのカルテを見返してみることが重要です。

測定によるズレ

毎回のエコーで「赤ちゃんの推定体重」というものを出します。
赤ちゃんの胎勢によっては測定しにくく、正確に推定体重を出すことができないことがあります。また、あくまで「推定体重」であり、赤ちゃんの体格差によってズレることもあります。実際に赤ちゃんが産まれてきたら十分に体重があるということもよくあります。

赤ちゃんの発育を確認する

お腹の中の赤ちゃんが小さい場合には「小さいながらも体重増加があって成長しているか」確認します。
とくに赤ちゃんの体重増加がいまいちの場合、なにかしらかの原因で子宮内環境が良くないことがあります。つまり、赤ちゃんに十分な栄養がいきわたっておらず、成長していない可能性があります。赤ちゃんが急に具合が悪くなってしまう可能性があるため、状況によっては「誘発分娩」や「帝王切開」で早めに分娩する可能性があります。

赤ちゃんの元気さ具合を確認する

赤ちゃんが小さい場合には、エコー検査やモニターなどで「赤ちゃんの元気さ具合は大丈夫か」慎重に評価していきます。エコーでは「赤ちゃんの動き」や「赤ちゃんの血流」を確認したり、「羊水の量」を評価します。モニターでは「赤ちゃんの心拍の推移」を確認して、お腹の赤ちゃんが元気かどうか確認します。
お腹の中の赤ちゃんが具合悪いサインがあったり状況によっては「誘発分娩」や「帝王切開」で早めに分娩する可能性があります。

赤ちゃんの小さい原因がないか確認する

赤ちゃんが小さい原因がないか情報を聞いたり、妊娠経過を見直したり、必要があれば血液検査などおこないます。改善できるものは改善していきますが、残念ながら、改善できないものもあります。それを踏まえた上で検査をどこまでおこなうかを考えます。

嗜好品 

母親の嗜好品により、赤ちゃんが小さくなることがあります。
たとえば「喫煙」により血液の流れが悪くなり栄養が十分いかなくなってしまったり、胎盤を通じてタバコの成分が赤ちゃんに作用したりして、赤ちゃんが十分に成長せず小さくなってしまいます。
また「アルコール」や「カフェイン」を連日多量にとりすぎると赤ちゃんは小さくなってしまう可能性があります。これらの原因が思い当たるようであれば控えるようにしましょう。

母児感染症

妊娠期間中に「TORCH」(トキソプラズマ、梅毒、風疹、サイトメガロ、ヘルペスなど)とよばれる感染症にかかった場合、赤ちゃんが小さくなることがあります。血液検査で母児感染する感染症の可能性がないか確認します。

母体合併症 

「妊娠高血圧症候群」では胎盤血流が悪化することもあり、赤ちゃんの体重は小さくなることがあります。しっかりと妊娠高血圧症候群のを管理していくことが重要です。
また、ふたご・みつごなど「多胎妊娠」の場合は、通常の赤ちゃんが1人の「単胎」の場合に比べて、どうしても赤ちゃんは小さくなってしまいます。
ただし、赤ちゃんどうしの体重差が大きい場合や発育が不十分な場合は注意が必要になります。

胎盤異常

胎盤は、母親側から赤ちゃんへ栄養や酸素などを受け渡す重要な役割をしています。胎盤の血液の流れが悪くなるような状態になると、赤ちゃんへ十分な栄養がいかず、赤ちゃんは小さくなってしまいます。
例えば、胎盤内の血管に血のかたまりが出来てしまう「胎盤梗塞」、胎盤と臍帯(へその緒)がくっついている部分「臍帯付着異常」などが挙げられます。
これらにより、母親から赤ちゃんへの血液の流れがジャマされて、赤ちゃんへ十分な栄養がいかず、赤ちゃんは小さくなってしまいます。

先天疾患

赤ちゃんの染色体異常や先天的な形態異常(形の異常)により、赤ちゃんが小さくなってしまうことがあります。エコーで赤ちゃんの形の異常がないか全身確認します。場合によっては羊水検査で染色体異常がないか検査します。

まとめ

赤ちゃんが小さい場合は「お腹の中の赤ちゃんが本当に小さいのか」確認します。

赤ちゃんの「発育」や「元気さ具合」に注意してみていきます。

「赤ちゃんが小さくなる原因」を探して、改善できるものは改善するようにします。

「お腹の中の赤ちゃんが小さい」と言われたら、とても不安になるかと思います。

お腹の中の赤ちゃんが小さいときには、本当に小さいかどうか確認するともに、できることを順にやっていくことが大切です。

一人でも多くの人が妊娠中の疑問や不安がすこしでも和らいでくれたら幸いです。