妊娠から分娩までのロードマップ#2【妊娠初期】

妊娠のながれ

結論ですが

この記事では「妊娠から分娩までの流れ」を説明していきます。

この記事は「妊娠中の女性」に向けて書いています。
この記事を読むことで「妊娠初期のながれ」についてわかります。

妊娠時期は大きく「妊娠初期」「妊娠中期」「妊娠後期」の3つに分かれています。妊娠15週6日までの期間を「妊娠初期」と言います。

子宮内の正常部位への妊娠を確認してから、定期的に受診してみていきます。
妊娠初期は妊娠して間もない時期であり、とくにはじめての妊娠の場合はさまざまな疑問や不安などが出てくるかと思います。
そして、妊娠初期には、どのようなことを聞かれるのか、どのような診察がおこなわれるのか、どのような検査がおこなわれるのか気になるかとおもいます。

今回、「妊娠初期のながれ」について説明していきたいと思います。

この記事のまとめ

  • ①妊娠初期のからだの変化と症状
  • ②赤ちゃんの発育
  • ③分娩予定日の計算
  • ④医療情報の確認
  • ⑤妊娠初期検査

妊娠初期のからだの変化

  • つわり(吐き気・食欲低下などの症状)
  • 胸のハル感じ
  • 下腹部痛
  • 頭痛・腰痛
  • おりものが増える

妊娠初期には、妊娠にともなうホルモン変化や環境の変化によって、さまざまなからだの変化や症状をきたします。

とくに、吐き気・食欲低下など「つわり」の症状はほとんどの妊婦さんが経験します。
食事や水分が十分とれないくらい重症になると「悪阻」とよばれています。
体重減少が著しい場合や栄養がまったくとれない状態の場合は、入院して点滴や吐き気止めなどによる治療が必要になることがあります。

他にも妊娠初期には、「下腹部痛」「頭痛」「腰痛」など様々な症状がおこります。妊娠中に使える「痛み止め」などをつかって、症状をやわらげていきます。

また、妊娠にともなうホルモンの変化で、胸が張るような感じがしたり、おりものが増えたりします。

妊娠初期にはさまざまな症状がおこるため、すこしでも快適に妊娠生活をおくれるように症状に対応していくことが重要です。

赤ちゃんの発育

妊娠初期には、子宮内に「胎のう」と呼ばれる赤ちゃんの袋があるかどうか確認します。
確認できたら、「胎のう」が大きく育ってくるかどうか、「胎のう」の中に「胎芽」(赤ちゃん)や「卵黄のう」(赤ちゃんに栄養を与えている器官)が確認できるかどうか、「赤ちゃんの心拍」が確認できるかどうか確認します。
そして赤ちゃんが順調に大きくなっていっているか経過を追って確認していきます。

残念ながら、この妊娠初期の時期は「流産」となる可能性が高いです。
「自然流産」の頻度は意外と高く「約15%程度」と言われています。
単純計算で、6-7回妊娠したら1回は流産を経験する計算になります。
さらに妊娠年齢が上昇すると、流産率も高くなります。
子供が出来て幸せと思っていたところ流産とわかることもたびたびあり、精神的なダメージは大きいものです。

「赤ちゃんの袋」や「赤ちゃん」の大きさが変わらなかったり、「赤ちゃんの心拍」が確認できなかった場合に「流産」と判断されます。 

「流産」となった場合は、自然に流れてくることもありますが、ずっととどまってしまうこともあります。
自然に流れず、長い間子宮内にとどまってしまった場合には「感染」や「死産児症候群」の危険性があるため、子宮内の成分を除去する手術が必要となることがあります。

分娩予定日の計算

赤ちゃんが順調に大きくなってきて十分な大きさになったら、「分娩予定日」を決定します。最後の生理開始日を「妊娠0週0日」と決めて、「妊娠40週0日」となる日を「分娩予定日」として計算します。
排卵日のズレや赤ちゃんの大きさのズレなどによって分娩予定日を修正することもあります。
だいたい妊娠8-10週頃に決めることが多いですが、医療機関によっては多少前後することもあります。

ちなみに、分娩予定日といいますが、実際に分娩予定日ちょうどに産まれてくることは少ないです。

分娩予定日が決定したら、医療機関で「妊娠証明書」が発行されます。
「妊娠証明書」をもって、役所(自治体によりますが、保健センター・市役所・区役所など)に行き手続きをして「母子手帳」を受け取ります。

「母子手帳」には、これから妊婦から分娩までの管理、そして赤ちゃんが産まれた後にも必要な情報がつまっています。
また、妊婦健診の際の「助成券」が同封されていたり、妊婦健診の診察内容を書くスペースがあります。
これから妊婦健診を受けるときには毎回かならず忘れずに持ってくるようにしましょう。

医療情報の確認

安全に妊娠・分娩管理するために「医療情報」を確認します。

妊娠・分娩歴

今まで妊娠した回数、今まで分娩した回数を確認します。
分娩経験があれば、そのときの妊娠・分娩経過で指摘された異常などないか確認します。

併存症・既往歴

今現在、定期的に通院している病気のことを「併存症」といいます。「併存症」のコントロール状況や妊娠に影響をあたえる「併存症」がないか確認します。
また、過去にかかったことのある病気のことを「既往歴」といいます。とくに入院が必要な大きな病気や、手術などないか確認します。

内服薬

定期的に飲んでいる「くすり」や「漢方」「サプリメント」なども含めて確認します。
そして、妊娠中も安全につかえる薬なのか確認します。

アレルギー

「くすり」や「食べもの」などでアレルギーがないか確認します。
アレルギーを避けることはもちろんですが、似ている成分を避けることも大事です。
たとえば、フルーツアレルギーの場合はラテックスが使用できないことがあります。その場合はラテックスフリーの手袋を用いて対応したりします。

嗜好品

「喫煙」や「アルコール摂取」をしていないか確認します。
いずれも妊娠中はひかえましょう。

生活環境などの情報

生活環境についての情報も確認します。
「年齢」「連絡先」などの基本情報にくわえて、既婚か未婚か、何人で生活しているか、里帰り分娩の予定か、子供が生まれた後の養育環境などを確認します。

妊娠初期検査

これから妊娠・分娩管理するにあたって、現時点での健康状態を把握したり、母子感染する感染症がないか、妊娠・分娩経過に影響をあたえる病気がないかなど評価するために「妊娠初期検査」がおこなわれます。

「血液検査」(血液型・不規則抗体・血算・生化学・凝固系・感染症など)「尿検査」「腟分泌物検査」「子宮頸癌検診」などを行います。

また「身長」「体重」「血圧測定」も行います。
ちなみに「体重」「血圧測定」「尿検査」「浮腫の確認」「子宮底」「腹囲測定」は、ほぼ毎回の妊婦健診で行います。

まとめ

妊娠初期にはさまざまな症状がおこります。とくに「つわり」は多くの人が経験します。
症状をやわらげて快適に妊娠生活をおくれるようにすることが大切です。

妊娠初期には赤ちゃんが順調に大きくなっていくか確認します。この時期は「流産」となる可能性も高いので、念頭にいれて診察します。

赤ちゃんが十分大きくなったら、分娩予定日を計算します。「妊娠証明書」を発行するので、役所に行って「母子手帳」をもらってきていただきます。

安全に妊娠・分娩管理するために、「医療情報」を確認したり、「妊娠初期検査」を行います。

妊娠初期は、さまざまな疑問が出てくることに加えて、さまざまな症状がおこる時期でもあり大変な時期かと思います。

妊娠というイベントをうまく乗り切るために、産科医や助産師などのサポートをうまく活用していきましょう。

すこしでも安全で快適な妊娠生活を送れるひとが増えることを願っています。