妊娠から分娩までのロードマップ#3【妊娠中期】

妊娠のながれ

結論ですが

この記事では「妊娠から分娩までの流れ」を説明していきます。

この記事は「妊娠中の女性」に向けて書いています。
この記事を読むことで「妊娠中期のながれ」についてわかります。

妊娠時期は大きく「妊娠初期」「妊娠中期」「妊娠後期」の3つに分かれています。
「妊娠5ヶ月(妊娠16週0日)から妊娠7ヶ月(妊娠27週6日)」までを「妊娠中期」にあたります。

「安定期」とよばれる時期であり、たしかに何か症状が起こることは少なくなります。しかし、何か起こる可能性はゼロではありません。

妊娠期間中は何か起こる可能性はあるため、自覚した行動をすることが大切です。

今回、「妊娠中期のながれ」について説明していきたいと思います。

この記事のまとめ

  • ①妊娠の体の変化について
  • ②妊娠中に起こりやすい症状について
  • ③妊婦健診のポイント

妊娠の体の変化

お腹が出てくる

妊娠中期では、赤ちゃんが大きくなっていき、羊水量も増えてきて、子宮は大きくなっていきます。すると、お腹もだんだん出てくるようになります。
胎動も感じられるようになって、お腹に赤ちゃんがいることをより実感することになります。

乳房の変化

妊娠初期から胸が張る感じがあります。だんだんと、乳房は大きくなっていき、妊娠していない時点と比較すると、だいたい3-4倍にまで大きくなります。

乳頭や乳輪の着色が強くなり、「Montgomery腺」とよばれる小結節(ぶつぶつした構造)を認めるようになります。

妊娠線

下腹部を中心に、太もも・おしり・乳房などに妊娠線が出現します。なめらかな、光沢のある、赤色の線ですが、分娩後は白いしわに変わります。

妊娠中に起こりやすい症状

腰痛

分娩に向けて体が変化していき、骨盤の関節がゆるくなっていくため「腰痛」をきたします。また、さらにお腹が大きくなると腰に負荷がかかり「腰痛」を悪化することになります。

手のしびれ

妊娠中は組織がむくみやすい状態です。
むくみで神経を圧迫されると、手の指先がしびれます。

皮膚のかゆみ 

妊娠すると、かゆみを伴った皮膚のできものが出現することが多くなります。とくにお腹にでることが多いですが、全身どこでも出現します。

便秘・痔

妊娠中の体の変化で、腸の動きが悪くなったり、子宮が腸を圧迫するため、「便秘」になりやすいです。また、肛門付近の静脈の流れが悪くなり「痔」になりやすいです。

便秘気味で硬い便が原因で「痔」が裂けてしまったり、排便時にいきむために「痔」が悪化することがあります。

立ちくらみ

妊娠中のホルモンの影響で、下半身に血液がたまりやすく血圧が下がりやすくなります。
立ち上がった時に血圧が下がってしまい「立ちくらみ」を起こすことがあります。いわゆる「起立性低血圧」が起こりやすくなります。

また、妊娠中期になると「鉄欠乏性貧血」になりやすく「立ちくらみ」につながります。食事などで積極的に鉄分をとることが大切です。

 妊婦健診のポイント

妊婦健診ではとくに以下の点を確認します。

  • 赤ちゃんの発育が順調か
  • 赤ちゃんの「形の異常」がないか
  • 母体の健康状態

赤ちゃんの発育

エコーでは、ほぼ毎回赤ちゃんの推定体重を出します。
「頭を幅の長さ」「お腹まわり」「ふとももの骨の長さ」を測って、赤ちゃんの推定体重を出します。
その推定体重が、週数相当に大きくなっているか評価して、赤ちゃんが順調に発育しているか判断します。

赤ちゃんの形の異常の確認

「頭」から「胸」・「お腹」・「手」・「腕」・「脚」など、エコーでみていきます。
何か形の異常(形態異常)がないか赤ちゃんの全身みていき、エコーのスクリーニング検査と言われています。

時間がかかる検査なので、毎回はおこなうことはないです。
妊娠20-30週の間に、1回もしくは2回程度おこなう場合が多いです。

なお、このスクリーニング検査で見つかる病気は、「心臓の形の異常」の頻度が多いです。
「形態異常」の種類によっては分娩方法を考慮したり、分娩後の迅速な対応を要する場合があります。場合によっては、高次医療機関や小児外科のある病院での分娩をすすめることがあります。

母体の健康状態

とくに「妊娠高血圧症候群」「妊婦糖尿病」という疾患がないか検査します。
妊娠経過の途中で出現することがあるので注意が必要です。
いずれも軽症の場合には症状が出ないことが多いので、積極的に検査をしていかなければ見つけることは出来ません。

 妊婦健診では毎回「尿検査」「血圧測定」「体重測定」「むくみの確認」をおこないます。

血圧が高いと「妊娠高血圧症候群」が疑われます。さまざまな病態をひきおこすことがあるため、尿検査で「蛋白尿」を調べたり、血液検査で「貧血」「肝機能」「血液のかたまりやすさ」「尿酸値」など調べたりして評価していきます。

また、「妊娠糖尿病」かどうか判断する検査として、「血糖値」や「ソーダ水をのんだ後の血糖値」の検査などおこないます。

まとめ

妊娠中期では、赤ちゃんが大きくなっていき、母体の体が変化していく時期です。胎動も感じられるようになって、お腹に赤ちゃんがいることをより実感することになります。

妊娠中の体の変化にともなって、「腰痛」「手指のしびれ」「皮膚のかゆみ」「便秘」「痔」「立ちくらみ」などの症状がおこりやすいです。

妊婦健診では、「推定体重」を測って赤ちゃんの発育を測定したり、赤ちゃんの「形の異常」がないかスクリーニング検査をしたり、母体の健康状態を評価するためさまざまな検査をおこないます。

母体・赤ちゃんともに安全に妊娠生活をおくれるよう、妊婦健診ではさまざま検査をおこないます。なぜ検査をおこなっているのか理解することが大切です。

妊婦健診での検査を理解して、安全で快適な妊娠生活を送れるひとが一人でも増えることを願っています。