妊娠から分娩までのロードマップ#5【分娩のながれ】

妊娠のながれ

結論ですが

この記事では「妊娠から分娩までの流れ」を説明していきます。

この記事は「妊娠中の女性」に向けて書いています。
この記事を読むことで「分娩のながれ」についてわかります。

「妊娠40週0日」が「分娩予定日」にあたります。

「分娩予定日」ちょうどに赤ちゃんが産まれてくるとおもっているひとがいますが、実際に分娩予定日ちょうどに産まれることは少ないです。
「分娩予定日」という言葉ですが、あくまで妊娠管理する際の基準にすぎないです。

「妊娠37週から妊娠41週まで」が正期産です。
赤ちゃんの成熟がほど良い週数で、この週数の間に産まれてくることが多いです。分娩予定日が近づくと、いつ分娩になってもおかしくないです。

今回は、「分娩のながれ」について説明していきたいと思います。

この記事のまとめ

  • ①分娩のはじまりは「陣痛発来」です。
  • ②赤ちゃんは回旋しながら狭い産道を通ってきます。さらに陣痛は強くなり、子宮の入り口が開いてきて分娩が進行していきます。
  • ③赤ちゃんが娩出したあとは、胎盤が娩出されます。分娩後は「裂傷」「子宮収縮」「出血量」など問題ないか診察をします。

分娩のはじまりは「陣痛発来」

陣痛発来

予定日が近くなるとお腹がだいぶ大きくなります。とくに動いたときなどにお腹のハリを自覚しやすくなります。
そのお腹のハリが痛みに変わり、それが規則的になっていきます。

おおよそ10分に1回以上の頻度で規則的な痛みになると、「陣痛発来」と判断します。
「陣痛発来」した後は、徐々に陣痛は強く、頻度が増えてきて、分娩が進んでいきます。順調に進むと、赤ちゃんが産まれてきます。

「産徴」(おしるし)は分娩が近いサイン

予定日が近づくと、子宮の入り口はやわらくなり、徐々に入り口がひらいていきます。
子宮の入り口がひらいてきたときに「産徴」(おしるし)と呼ばれる性器出血をみとめますが、分娩が近いサインになります。「産徴」をみとめたときは、かかりつけに受診の相談をしましょう。

破水

陣痛が来る前に「破水」してしまうことがあります。陣痛が来る前に破水することを「前期破水」とよばれます。破水したら、24時間以内に自然に陣痛が来ることが多いです。
破水したら抗生剤をつかって感染予防をするのと、「陣痛発来」を待つことになります。
ただし、自然に陣痛が来ない場合や感染の可能性がある場合には、「陣痛促進剤」を使って早めに分娩になるよう介入することがあります。

分娩の進行

赤ちゃんは回旋しながら狭い産道を通ってくる

陣痛が来ると、子宮の収縮で赤ちゃんが徐々に下の方に押しやられていきます。
赤ちゃんは「産道」という通り道を通っていきます。
いくつか狭い場所があるため、赤ちゃんは回旋しながら「産道」を通ってきます。また、狭い産道を通るために、赤ちゃんの頭は細長く形を変えます。
途中で回旋がうまくいかないと、狭い産道を通れなくなります。
その場合、「分娩停止」から「緊急帝王切開」になってしまうことがあります。

陣痛はより強く、陣痛頻度は増加する

分娩の進行とともに、陣痛は強くなっていきます。
また、陣痛の間隔も短くなり、陣痛頻度は増加していきます。
妊婦さんのお腹にモニターをつけて、陣痛の持続時間や陣痛間隔などを評価します。

また、モニターでは赤ちゃんの心音も記録され、赤ちゃんの元気かどうかも評価します。
万が一、赤ちゃんの具合が悪く、下から分娩するのに時間がかかりそうであれば、「緊急帝王切開」になることもあります。

内診で子宮の入り口のひらき具合を評価する

分娩の進行とともに子宮の入り口は開いていきます。
はじめは全く開いていない「未開大」の状態から、徐々に開いていきます。子宮の入り口の流れが「10cm」となったら「全開大」と判断します。
子宮の入り口が「全開大」となって、赤ちゃんが産まれてくるのが近いと判断したら、本格的に準備を整えていきます。

分娩

赤ちゃんの娩出

赤ちゃんが産まれてくることにそなえて、本格的に準備を整えていきます。
基本的には仰向けになってもらいます。しっかりといきみやすいように、寝た状態から少し頭を上げて、脚を広げた状態に足台をセットしていきます。
また、フリースタイル分娩では自分の好きな体勢になります。

そして、陣痛の一番痛いタイミングに合わせて、しっかりといきんでいきます。
順調に分娩が進んでくると、最初に赤ちゃんの「頭」が出てきます。次に助産師さんは回旋を促してから、「上の肩」が出てきます。そして「下の肩」も出てきて、するりと赤ちゃんが産まれてきます。

その後、へその緒(臍帯)を切って赤ちゃんが一人立ちします。
産まれた赤ちゃんは母親の胸のあたりに持っていき「カンガルーケア」など行います。
その後は、胎盤が出てきて分娩は終了します。

分娩後

赤ちゃんや胎盤が娩出した後は医師の診察があります。
「お産による裂傷がないか」「子宮の収縮は問題ないか」「出血は多くないか」など診察をして大丈夫か確認します。
「裂傷」があれば縫合をしたり、「子宮収縮がいまいち」であれば子宮収縮薬を使用したりします。

まとめ

分娩のはじまりは「陣痛発来」です。
「産徴」(おしるし)と呼ばれる性器出血をみとめたら、分娩が近いサインになります。陣痛の前に破水した場合、自然に陣痛が来ることが多いです。

赤ちゃんは回旋しながら狭い産道を通ってきます。さらに陣痛は強くなり、子宮の入り口が開いてきて分娩が進行していきます。

赤ちゃんが娩出したあとは、胎盤が娩出されます。分娩後は「裂傷」「子宮収縮」「出血量」など問題ないか診察をします。

自分の赤ちゃんが産まれてきて幸せの絶頂だとおもいます。

ただし、分娩にはリスクもおおく、悲しい結果になってしまうこともあります。

周産期医療の進歩により安全に分娩ができるようなっていますが、残念ながら妊産婦死亡が年間に30-50人程度いるという事実があります。
安全にお産には、われわれ産婦人科医や助産師さんがしっかりとサポートしていく必要があります。

ひとりでも多くの人が、安全に新たな命をむかえることができることを願っています。