手術にともなう医療行為について【手術前後の流れ】

手術

結論ですが
手術にともなって様々な医療行為がおこなわれます。

この記事は「手術を受ける予定のある人」に向けて書いています。
手術に関するさまざまな疑問・不安・悩みなどが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「手術にともなう医療行為」についてわかります。

  • 手術を受けることになった!
  • 手術について説明を受けたが、その前に何が行われるのだろう?
  • 手術が終わった後は、何か行われるのだろうか?

これらの不安や疑問について説明していきます。

お腹の痛みなど症状が心配で病院を受診すると、今までわからなかった病気が見つかるとがあります。
そして、病気の治療のために「手術」が必要と言われることもあるでしょう。
「手術」に関する説明は受けて納得したけれど、実はその前後にも医療行為が必要なのです。
事前に「手術前後の医療行為」について理解しておくことで、手術のために入院してからの流れがイメージしやすくなります。

今回は、「手術にともなう医療行為」について説明していきます。

この記事のまとめ

  • 手術にともなって手術前後にさまざまな医療行為が行われます。
  • 安全に手術を行うために「術前検査」「術前評価」が行われます。
  • 術前の処置・準備として「点滴ルート確保」「尿バルーン留置」「子宮の入り口を広げる処置」「除毛・剃毛」「バイタル測定」「手術体位の確保」などがあります。
  • 手術後の処置として、「ドレーン管理」「キズの処置」「痛みの管理」などがあります。 

手術にともなって様々な医療行為が行われる

安全に手術がおこなわれるために、手術前後にさまざまな医療行為が行われます。
具体的に言うと、手術前にしっかりとした「術前検査」や「術前評価」が必要です。また、手術の直前には「処置」や「準備」がおこなわれて、手術に向けた準備がおこなわれます。手術が行われた後も「手術後の処置」など術後管理がおこなわれます。

術前検査・術前評価

安全に手術がおこなわれるため、事前に「術前検査」や「術前評価」がおこなわれます。
なぜなら、「術前検査」や「術前評価」を行うことで、「手術前の健康状態を確認する」「麻酔計画・術後管理計画を立てる」 「手術前後で検査結果を比較する」ことができるからです。具体的に言うと、術前検査では「血液検査」「尿検査」「レントゲン検査」「心電図」「肺活量」などがおこなわれます。また、年齢や併存症などのリスクに応じて、検査が追加されることがあります。

手術前の処置・準備

点滴ルート確保

手術をおこなうにあたって点滴ルートの確保は重要です。
なぜなら、手術にともなって様々な薬剤が投与されるからです。
具体的にいうと、感染予防のための「抗生剤」や、手術の痛みコントロールのための「痛み止め」、手術前後は「絶飲食」になるため水分や栄養分を補う「点滴」などの薬剤が投与されます。

尿バルーン留置

手術中や手術後は、基本的に体を自分で動かすことができないです。
そのため、トイレに行くことが出来ないため、膀胱の中におしっこの管を入れてバルーンにおしっこを貯めるようにします。
また、尿バルーンを留置すると、手術中や手術後のおしっこの量をみることも出来ます。脱水になっていないか、腎臓のおしっこを作る機能は大丈夫なのか評価することもできます。

子宮の入り口を広げる処置

子宮鏡手術など経腟的にアプローチをする手術を予定している場合、あらかじめ子宮の入り口を広げる処置をおこなっておく場合があります。
具体的に言うと、水分を含むと膨らむ器械などを「子宮の入り口」に留置します。そうすると、子宮の入り口が広がり、手術操作がしやすくなります。

除毛・剃毛(ていもう)

お腹の手術を予定していて、キズの部分に毛がかかりそうな場合には「除毛・剃毛」がおこなわれます。
なぜなら、毛がキズの部分にかかると、不潔になり「キズの感染症」につながる可能性があります。また、キズ痕が盛り上がる「ケロイド」(肥厚性瘢痕)という状態になる原因になります。

バイタル測定

手術中はバイタルサインの測定がおこなわれます。
なぜなら、手術中の患者さんの状態の変化を把握するためです。
具体的にいうと、バイタルサインには、「血圧」「脈拍数・心拍数」「体温」「SpO2」(酸素化の指標)などがあります。バイタルサインを測定するために、手術の前に「心電図」「血圧計」「体温計」「SpO2計」などが装着されます。

手術体位の確保

手術の種類によって「手術体位」をとる必要があります。
たとえば、経腟的なアプローチによる手術の場合は「砕石位」(さいせきい)という脚を広げておしりを出すような姿勢をとったり、お腹の手術では「仰臥位」(ぎょうがい)という仰向けの姿勢をとったりします。
手術体位によって、手術操作のやりやすさが変わるため、意外と重要です。

手術後の処置

ドレーン管理

腹部の手術などにおいて、お腹の中から後から出血がないか見張るために「ドレーン」という管を留置します。
具体的にいうと、「ドレーン」という管はお腹の中から体の外に出ており、お腹の中に出血や液体が貯まると、ドレーンを通じて体の外に出てきます。
その貯まった液体の「色」「性状」「量」などをみることによって、手術にともなう出血などの合併症が大丈夫なのか判断します。また、「ドレーン」が必要なくなったら早めに抜きます。

キズの処置

お腹のキズが感染などのトラブルがなく、できるだけキレイに治るようにキズの処置がおこなわれます。
手術の後は「ドレッシング剤」というものでキズを覆って保護します。キズが治る時期にドレッシング剤を剥がしてキズの治りが大丈夫か感染が起こっていないか確認します。
以前であれば、感染を予防するためにキズを毎日消毒することが多かったですが、実はキズの治りが遅くなることがわかってきました。最近ではキズの頻繁な消毒は行われることは少ないです。

痛みの管理 

手術には、大なり小なり必ず「痛み」がともないます。術後に快適に過ごすために、手術後の痛みのコントロールが重要になってきます。
「痛み止め」には「点滴」や「注射」「飲み薬」「座薬」などさまざまあります。手術中に「硬膜外チューブ」が挿入されている場合には、「硬膜外チューブ」から痛み止めを使うことが出来ます。「硬膜外チューブ」は手術2日後くらい抜くことが多いです。

まとめ

  • 手術にともなって手術前後にさまざまな医療行為が行われます。
  • 安全に手術を行うために「術前検査」「術前評価」が行われます。
  • 術前の処置・準備として「点滴ルート確保」「尿バルーン留置」「子宮の入り口を広げる処置」「除毛・剃毛」「バイタル測定」「手術体位の確保」などがあります。
  • 手術後の処置として、「ドレーン管理」「キズの処置」「痛みの管理」などがあります。 

手術をはじめて受ける人が多いかと思います。
普段、病院などを受診していない場合、わからないことが多すぎて理解が追いつかないかと思います。しかも、「手術」だけでなく、実は手術以外にもさまざまな医療行為を受けることになります。
事前に予備知識をつけて、手術に備えるようにしましょう。

また、手術を受けたことがある人も、この記事を読んで「確かに自分もこのような医療行為を受けていた」と納得して頂ければ幸いです。

この記事によって「手術にともなう医療行為」の理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。