「さかご」といわれましたが大丈夫ですか?【骨盤位】

結論ですが

「さかご」といわれたら、妊娠週数に応じて、自然に「頭位」に戻るのを待ったり、「さかご」をなおす方法を行ったり、帝王切開での分娩が行われたりします。

この記事は「妊娠中の女性」女性に向けて書いています。
妊娠中のさまざまな疑問・不安・悩みなどが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「さかご」についてわかります。

妊婦健診では、毎回エコーで赤ちゃんの大きさや状態を確認します。
エコー検査で「さかご」と言われることがあるかと思います。

  • そもそも「さかご」って何?
  • ふつうはどうなっていればいいの?
  • 赤ちゃんってお腹の中でどういった状態なの?

といくつか疑問が出てくるかとおもいます。
週数が浅いと「さかご」であることが多いですが、ある程度週数がたっても「さかご」の場合は帝王切開での分娩になることもあります。

今回「さかご」について説明していきたいとおもいます。

この記事のまとめ

  • 通常は赤ちゃんは頭が下の状態の「頭位」です。その逆の頭が上でおしりが下の状態を「骨盤位」(さかご)といいます。
  • 自然に「頭位」になることが多いですが、分娩時期ちかくに「さかご」であった場合は「帝王切開」での分娩になることが多いです。
  • さかごをなおす方法として「さかご体操」「鍼灸治療」「外回転術」などがあります。

「さかご」とは、どういう状態ですか?

通常は、赤ちゃんは子宮の中で頭が下の「頭位」という状態でいます。
それが逆さま、つまり頭が上でおしりが下の状態を「骨盤位」(さかご)といわれます。

「さかご」は、どういう影響がありますか?

経腟分娩は時間がかかる

通常の「頭位」の経腟分娩では赤ちゃんは「頭」→「肩」→「体」の順にでてきます。一番大きい頭が最初に出てくることで、赤ちゃんが産道という通り道をスムーズに通過することが出来ます。
一方、「骨盤位」のお産では赤ちゃんは「おしり」→「体」→「肩」→「頭」の順にでてきます。一番大きい頭が最後に出てくることになるので、赤ちゃんが産道の最後の部分を通過する時間が長くなってしまいます。

スムーズな経腟分娩には熟練の技術が必要

「骨盤位」の経腟分娩でのお産では、赤ちゃんが産道を通過する時間が長くなってしまいます。そのため、赤ちゃんが出やすいように助産師や産婦人科医師は分娩をお手伝いしてうまく出てくるように誘導しますが、熟練の技術が必要です。

帝王切開をおこなう医療施設が多い

「骨盤位」(さかご)では、分娩の最後の赤ちゃんが出てくるところに時間がかかってしまい途中で赤ちゃんの具合が悪くなってしまう可能性があること、うまく誘導できず途中から出てこなくなることがあるため「帝王切開」の分娩を選択する医療施設が多いです。
なお、帝王切開の時期は妊娠38週あたりでおこなうことが多いです。

「さかご」は自然となおりますか?

妊婦健診で「さかご」と言われても、妊娠週数によっては自然に「頭位」になおることがあります。
とくに妊娠30週未満では自然にまわって、頭位にもどることが多いです。赤ちゃんの体重が2000gを越えるあたり(おおよそ妊娠33週頃)になると、赤ちゃんが「さかご」のままでいることが多い印象を受けます。

「さかご」をなおす方法はありますか?

基本的には、分娩時期には「さかご」は「頭位」に自然になおっていることが多いです。効果は賛否両論あるところもありますが、さかごをなおすために出来ることがいくつかあります。

「さかご体操」「鍼灸治療」は赤ちゃんへの負担は少なく、比較的リスクが低い方法です。
「外回転術」は、赤ちゃんが具合が悪くなってしまう可能性があり、おこなう施設は限られています。

さかご体操

おおよそ妊娠30週を過ぎても、「さかご」であるときに「さかご体操」をおこないます。
「胸膝位」「ブリッジ法」をおこない、赤ちゃんの背中の向きによって左右いずれかを下にして横向きになって寝てもらいます。

鍼灸治療

鍼灸治療でなおす方法もあります。
「経穴」(けいけつ)である「至陰」(しいん)・「三陰交」(さんいんこう)という部分に「鍼」や「灸」をつかって刺激します。すると、赤ちゃんへの血流に影響をおよぼし、赤ちゃんの動き(胎動)がふえて「さかご」から「頭位」になおることにつながると言われています。
また母親側の血流改善効果もあり、「足のつり」「イライラ感」にも効果があります。

外回転術

母親のお腹の上から、赤ちゃんを押し上げたり、回転させることで、「さかご」から「頭位」になおす方法です。この方法で、胎盤やへその緒にダメージが加わり、赤ちゃんの具合が悪くなってしまう可能性があります。
かならず緊急事態にそなえて、すぐに帝王切開術で赤ちゃんが救えるような環境をととのえてから、おこないます。
リスクがあるのと、おこなうには熟練の技術が必要であるため、実際に外回転術をおこなう医療施設は少ない印象を受けます。

「さかご」になりやすい人

「子宮筋腫」「双角子宮」など子宮のかたちに異常があったり、胎盤の位置がひくい「前置胎盤」や「低置胎盤」、骨盤がせまい「狭骨盤」などがあると、赤ちゃんのお部屋のかたちの関係で「さかご」になりやすいです。
また、「羊水量の異常」「へその緒の巻きつき」「へその緒が短い」などによって、「さかご」から「頭位」にもどりにくい状態になっていることもあります。

まとめ

通常は赤ちゃんは頭が下の状態の「頭位」です。その逆の頭が上でおしりが下の状態を「骨盤位」(さかご)といいます。

自然に「頭位」になることが多いです。しかし、分娩時期ちかくに「さかご」であった場合は、分娩時間がかかること、分娩停止の可能性などがあり、「帝王切開」での分娩になることが多いです。

さかごをなおす方法として「さかご体操」「鍼灸治療」「外回転術」などがあります。「さかご体操」「鍼灸治療」は赤ちゃんへの負担は少なく、比較的リスクが低い方法です。しかし、「外回転術」は赤ちゃんが具合が悪くなってしまう可能性があり、おこなう施設は少ないです。

妊娠中はわからないことがたくさんで大変だと思います。
とくに妊婦健診では様々な検査や診察などおこなわれ、説明を受けるかと思いますが、予備知識がないと理解するのに苦労するかと思います。

そして、情報をインターネットで調べると正しい情報ももちろんありますが、根拠のない情報や賛否両論あるような情報などあり、情報であふれています。
その中で正しい情報を選ぶのは大変だと思います。

自分のこどもは自分で守るしかないので、しっかりと正しい情報を選んで、お腹の赤ちゃんのために少しでも良い環境になるようにサポートできればと思います。

この記事によって「さかご」の理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。

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