「クラスⅤ」といわれましたが大丈夫でしょうか?【子宮頸がん検診】

結論ですが

細胞の顔つきが悪そうかどうかで「クラスⅠからクラスⅤ」で判断します。

この記事は「検査結果の説明を受けた」女性に向けて書いています。
女性特有の病気に関して理解を深めるお手伝いができればと思っています。
この記事を読むことで「子宮頸がん検診の結果」についてわかります。

子宮頸がん検診を受けて、検査結果の説明があるかと思います。

基本的にはベセスダ分類に沿って「NILM」「ASC-US」「HSIL」「SCC」などのアルファベットの略称で結果の説明を受けることが多いです。しかし、クラス分類もあわせて書かれており、今回のように「クラスⅤ」と説明を受けることもあるようです。

勘違いの原因になるのですが、がんの病変の広がりをあらわす「ステージ」というものもあります。
「ステージⅣ」が進行期のがんであることを示すため、「クラスⅤ」という結果を受けてステージと勘違いしてしまい「自分は末期のがんなのではないか」と思ってしまう人は多いです。

今回は「子宮頸がん検診の結果」について説明していきます。

この記事のまとめ

  • 子宮頸がん検診では「子宮頸部細胞診」がおこなわれます。
  • クラスは「細胞の顔つきが悪そうかどうか」、ステージは「がんの病変の広がり」をあらわします。
  • クラスⅤの場合は早めに受診して、「腟鏡診・内診」「コルポパンチ」「画像検査」「血液検査」などの検査を受けましょう。

子宮頸がん検診では何をみていますか?

まず、子宮頸がん検診では、子宮の入り口の部分をこすって、細胞を採取して検査しています。この細胞を採取したものを、顕微鏡で拡大して確認して、検査結果を判定しています。
細胞を顕微鏡でのぞいて検査することを「細胞診」といい、子宮頸がん検診では「子宮頸部細胞診」がおこなわれます。
なお、「細胞診」は尿や痰・乳腺・子宮体部などの部位でも行われます。

クラスⅤってどういうことですか?

細胞の顔つきが悪そうかどうかで「クラスⅠからクラスⅤ」で判断します。
クラスⅠが正常な細胞で、クラスⅤが悪性の細胞ということになります。

クラスとステージの違いは?

クラスは「細胞の顔つきが悪そうかどうか」、ステージは「がんの病変の広がり」をあらわします。
つまり、クラスはそもそも「がん細胞が存在するのかどうか」を判断するものであり、ステージは「そのがんの病変がどこまで広がっているのか」を判断するものです。
クラスは「ⅠからⅤまで」あり、ステージは「ⅠからⅣまで」あります。
クラスとステージと勘違いしてしまい、「クラスⅣ」を進行期のがんではないかと心配される人は多いです。

クラスⅤの場合、今後どのような流れになりますか?

クラスⅤということは「悪性と断言できる異型細胞がある」ということになります。つまり「がん細胞が存在している」ということになります。
検査結果を手紙で受け取っている場合には「早めの受診をする」ように指示があるかと思うので、必ず受診するようにしましょう。おおむね以下のような検査をしていくことになります。

腟鏡診・内診

腟口から「腟鏡」(クスコ)という器械を挿入して、子宮の入り口を直接みて、病変があるか確認します。また、「内診」をおこなって、子宮のまわりに病変が広がっていないか確認します。子宮頸がんの場合は、「内診」をおこなって病変の広がりである「ステージ」を決定します。

コルポパンチ

「コルポスコピー」という拡大してみる器械を用いて、子宮の入り口に病変がないか確認します。病変をうたがう部分から組織を採取して「パンチ」、その組織を顕微鏡で拡大して確認する「組織診」をおこないます。なお、それらをあわせて「コルポパンチ」とよばれます。
がんにもいくつかの組織のタイプ(扁平上皮がん・腺がんなど)があり、どのタイプなのか「組織診」で判断します。

画像検査

子宮頸がんの病変が、どの程度広がっているのか確認します。
CT、MRI検査などが行われます。病変が「リンパ節転移」がないか、別の臓器への「遠隔転移」がないかなど確認します。

血液検査

がんの病変の勢いの参考として「腫瘍マーカー」を検査します。また、今後がんに対する治療が必要となる可能性が高いため、全身状態を把握するため「血算」「肝機能」「腎機能」「電解質」などの一般的な項目が検査されます。

まとめ

子宮頸がん検診では「子宮頸部細胞診」がおこなわれます。

クラスは「細胞の顔つきが悪そうかどうか」、ステージは「がんの病変の広がり」をあらわします。

クラスⅤの場合は早めに受診して、「腟鏡診・内診」「コルポパンチ」「画像検査」「血液検査」などの検査を受けましょう。

がん検診を受けた場合、結果を放置している人も結構多いです。結果が引っかかった場合には、かならず受診するようにしましょう。

検査結果で引っかかっても受診しなければ、がん検診の意味がなくなってしまいます。せっかくがん検診を受けたのであれば、その後の受診の指示なども守るようにしましょう。

検査結果を受けてこわくなってしまう気持ちはわかりますが、かならず受診をして担当医の説明を受けて、追加検査などを受けましょう。

勇気をもって婦人科を受診しましょう。婦人科は困った人の味方です。
この記事によって「子宮頸がん検診」についての理解が深まり一人でも多くの人に役立つことを願っています。

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