わたしの生理の量って多いのですか?【過多月経】

結論ですが

生理の量が140ml以上で「過多月経」と診断されます。

この記事は「生理の量が多くて困っている」女性向けに書いています。
女性特有の悩みが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「自分の生理の量が多いかどうか」がわかります。

自分の生理の量が多いかもしれないけど、本当に多いのか?
よくわからない場合があるかと思います。

生理のことは他の人になかなか気軽に聞けないかと思います。
なんとなく生理の量が多いと思うけど、普通はどうなんだろう?
と疑問に思うことでしょう。

また、毎回、生理がくるたびに量が多くて心配になることありませんか?

出血量が多すぎると、「たちくらみ」「動悸」「息切れ」などの貧血症状によって困ってしまうかと思います。
貧血の状態になれすぎてしまって、「ヘモグロビン」という貧血の値がとんでもなく低い値になっているひともいます。

生理の量がおおいことを「過多月経」といいます。
今回、「自分の生理の量を把握する方法」「過多月経の治療」について説明したいと思います。

この記事のまとめ

  • 生理の正常範囲は「20ml-140ml」であり、「140ml以上」を「過多月経」といいます。
  • 生理の量を把握するため、装着前後の生理用品の重さを測る方法などあります。
  • 実際には、貧血の状態をみて、生理の量が多いのか判断することが多いです。
  • 過多月経の治療は「くすり」「子宮内避妊具」「手術」などがあります。

生理の量の正常範囲

生理の正常範囲は「20ml-140ml」です。
生理の量が140ml以上を「過多月経」といいます。ちなみに、生理の量が20ml以下を「過少月経」といいます。
では、自分の生理の量をどのように把握するのか説明していきましょう。

生理の量を把握する

生理の量を測る

生理のときには、ナプキンなど生理用品を付けるかと思います。
生理用品をつける前と、生理用品をはずした後の重さを測ります。
それらを差し引きすると、自分の「生理の重さ」がわかります。

生理の量のおおよその目安

生理用品を交換するたびに、重さを測るのは手間がかかるし実際には難しいかと思います。
ここではおおよその目安を説明していきます。
ナプキンの種類にもよりますが、「ナプキンが1時間ももたない」「夜用でも間に合わない」場合には生理の量が多く「過多月経」の可能性があります。
また、生理の量が多いと、生理が「レバー状のかたまり」になって出てくることがあります。

貧血の程度を把握する

実際に自分の生理の量を正確に把握することは手間がかかりますし、難しいです。生理の量が多い場合には、出血にともなって「鉄欠乏性貧血」となっていることがあります。
この「鉄欠乏性貧血」の状態を把握することで、生理の量が多いのかどうか判断することになります。

貧血の症状

貧血になると、体内の酸素が全身にうまく運ぶことができなくなります。
すると、「立ちくらみ」「動悸」「息切れ」「めまい」「頭痛」「胸痛」「疲労感」などの症状をきたします。これらの症状があれば、貧血の可能性を考えます。

血液検査

血液検査をして「貧血」かどうかを評価します。
とくに「ヘモグロビン」(Hb)という値をみて、基準値より下回っているかどうか確認します。
成人女性の場合、だいたいの目安ですが「ヘモグロビン」が11mg/dl以下の場合を「貧血」と判断します。
また、「血清鉄」や貯蔵鉄である「フェリチン」などを測定して、「鉄欠乏性貧血」の重症度を評価するとともに、治療効果を判定していきます。

過多月経の治療

生理の量が多い「過多月経」の場合や、それにともなって「貧血」を来している場合、生活に支障が出ている場合には治療する必要があります。
生理の量をおさえる方法として、止血剤、ピル、漢方などの「くすり」、「子宮内避妊具」、子宮摘出術などの「手術」などがあります。
まずはからだへの負担が比較的少ない「くすり」を使用することが多いです。
効果がいまいちであれば「子宮内避妊具」を使用して、それでも効果がなければ最終的に「子宮を摘出する手術」を選択するというながれになります。
また、月経が多すぎて、はやめに止めたい場合は「子宮内膜掻爬術」を緊急でおこなうことがあります。
「ピル」や「子宮内避妊具」を使用すると、一時的に妊娠しない状態となるので、すぐに子供を希望している方は使用しないです。
また、将来的にこどもを産みたいとおもっている方には、もちろん子宮を摘出する手術をおこなうことできないです。
その人の、妊娠出産などの家族計画やライフステージにおうじて治療をえらぶ必要があります。
また、生理の量が多くなる明らかな原因がある場合には、その治療が基本的に優先されます。

くすり

止血剤

まずは、比較的副作用のすくない「トラネキサム散」という出血量をおさえる止血剤を使用することが多いです。

ピル

「エストロゲン」と「プロゲステロン」というホルモンの成分をふくむくすりである「ピル」をつかうことがあります。
もともとピルは、妊娠をしないためにのむくすり「経口避妊薬」(OC)として使われていました。
じつはピルをのんでいるひとは、生理痛をやわらげたり、生理の量がすくなくなるなどの生理の症状をやわらげる効果もあることがわかってきました。
それを利用して、生理の量をおさえるために使われることがあります。
なお、ピルはのんでいる間は一時的に子供ができない状態になりますが、のむのをやめたらとくに問題なく妊娠することは可能です。

漢方

漢方はそのひとにあらわれた症状や兆候である「証」を判断して使い分けられます。
女性の3大漢方とよばれる「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」「加味逍遙散(かみしょうようさん)」「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」があります。
「証」をみてこれらを使い分けるとともに、実際に効果があるかどうかによって調整していきます。
ほかにも月経の量をおさえる効果がある「芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)」などがつかわれます。

子宮内避妊具

子宮の中に挿入する「子宮内避妊具」があります。避妊用リングとよばれることもあります。
その中で、「ノボノルゲストレル」とよばれる黄体ホルモンを放出するタイプのものがあります。
子宮の内膜が厚くなるのをおさえ、生理の量を少なくする効果があります。
また、妊娠をしない状態にする「避妊効果」もあります。
基本的に「子宮内避妊具」を挿入している状態だと妊娠しないですが、「子宮内避妊具」をぬいて抜去すると、妊娠できる状態にもどります。

手術

子宮内膜掻把術

生理は、厚くなった子宮内膜がはがれ落ちてきて起こります。
生理の量がおおすぎて早めに止めたい場合は、厚くなった子宮内膜を掻爬する「子宮内膜掻把(そうは)術」がおこなわれます。

子宮摘出術

また、最終手段ですが、生理をおこす根本的原因である子宮をとる方法「子宮を摘出する手術」をえらぶことがあります。
これは、もう子供は十分にいて子宮はいらないから摘出したい場合や、閉経が近くなって生理がみだれてきて早く生理の症状から開放されたい場合などに選ばれます。

その他

また、おこなう施設がすくないですが、今後妊娠を希望しない場合には「子宮内膜焼灼術」が行われることもあります。
ただし、手術にはからだへの負担がかかるのと、手術リスクがつきものなので、しっかりと担当医と相談することが大切です。

まとめ

  • 生理の正常範囲は「20ml-140ml」であり、「140ml以上」を「過多月経」といいます。
  • 生理の量を把握するため、装着前後の生理用品の重さを測る方法などあります。
  • 実際には、貧血の状態をみて、生理の量が多いのか判断することが多いです。
  • 過多月経の治療は「くすり」「子宮内避妊具」「手術」などがあります。

なかなか生理のこと、女性特有の悩みは他の人に聞けないかと思います。
自分で抱え込んでしまって、取返しのつかない状態になってしまうこともあります。

生理の量が多くて困っている場合、無理せずに産婦人科を受診しましょう。
産婦人科は困っている人の味方です。

勇気をもって受診して、うまく産婦人科を活用してましょう。
「過多月経」に悩まされず、充実した毎日がおくれることを願っています。

この記事によって「生理の量」「過多月経」の理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。

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