妊娠しましたがどのような検査がおこなわれますか?【妊娠初期検査】

結論ですが

の健康状態を把握したり、お腹の中の赤ちゃんが健やかに育つように妊娠初期に検査がおこなわれます。

この記事は「妊娠中の女性」に向けて書いています。
妊娠中のさまざまな疑問・不安・悩みなどが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「妊娠初期におこなわれる検査」についてわかります。

  • 妊娠したけど、わからないことが多すぎる!
  • ネットをみるといろいろな情報があふれている
  • 結局なにをすればいいのかわからない!?

妊娠をすると、わからないことがたくさん出てくるでしょう。
とくに初めての妊娠の場合は、わからないことだらけであり、とても不安になるかと思います。

「妊娠反応陽性」を確認して、ワクワクして産婦人科を受診するかと思います。
そして、妊娠経過が順調であれば、「妊娠証明書」をもらうかと思います。
そして、「母子手帳」をもらったら、お腹の中に子どもがいることを改めて実感し、母親になる実感がすこしづつ湧いてくるかと思います。
「母子手帳」にはクーポン券もついていて、それを使用して妊娠初期にさまざまな検査がおこなわれます。

妊娠中にはさまざまな検査がおこなわれますが、その中でもとくに「妊娠初期におこなわれる検査」について今回説明していきます。

この記事のまとめ

  • 母体の健康状態を把握したり、お腹の中の赤ちゃんが健やかに育つように妊娠初期に検査がおこなわれます。
  • 血液検査では、「血液型」「不規則抗体」「血球算定」「生化学」「感染症」などを検査します。
  • 妊娠初期の検査には、「血液検査」「尿検査」「腟分泌物検査」「子宮頸癌検診」などの検査に加えて、「身長」「体重」「血圧」などの測定がおこなわれます。

妊娠初期の検査

母体の健康状態を把握したり、お腹の中の赤ちゃんが健やかに育つように「妊娠初期の検査」がおこなわれます。
妊娠初期の検査には、「血液検査」「尿検査」「腟分泌物検査」「子宮頸癌検診」などがおこなわれます。とくに血液検査では、「血液型」「不規則抗体」「血球算定」「生化学」「感染症」などさまざまな項目の検査がおこなわれます。
では、順に解説していきましょう。

「血液検査」

血液型、不規則抗体

血液型では、とくに「A型」「B型」「AB型」「O型」の4つの型がある「ABO式血液型」と、「Rh(+)」「Rh(-)」なのか確認します。
日本人には少ないですが、母親が「Rh(-)」の血液型の場合で、パートナーが「Rh(+)」の血液型の組み合わせの場合は「血液型不適合」となります。
その場合は、お腹の中の赤ちゃんの赤血球を攻撃してしまう「抗体」というものができる可能性があり、注意が必要になります。
また、「不規則抗体」では、お腹の中の赤ちゃんの赤血球を攻撃してしまう「抗体」である可能性があります。「不規則抗体」にはさまざまな種類があり、危険性が高いものもあれば、低いものもあります。

血球算定

血液中の「血球」とよばれる成分を検査します。
「血球」には、免疫に関係する「白血球」、貧血の値に関係する「赤血球」「ヘモグロビン」、血液のかたまり具合に関係する「血小板」などがあります。
とくに、妊娠期間中は貧血になりやすいので「ヘモグロビン」の値をみることが多いです。

生化学

「生化学」では、「肝機能」や「腎機能」「電解質」などを検査します。
「肝機能」や「腎機能」に異常がないか確認するととも、必要があれば妊娠経過とともに「肝機能」や「腎機能」が悪化しないか確認します。
また、妊娠初期の「つわり」で食事や水分が十分とれていないと、ナトリウム・カリウム・カルシウムなどのミネラル分である「電解質」に異常をきたすことがあります。

感染症

感染症検査では、お腹の中の赤ちゃんに母子感染する可能性がある「梅毒」「B型肝炎」「C型肝炎」「HIV」「HTLV」「トキソプラズマ」「風疹」などが検査されます。
なお、母親から赤ちゃんの感染するルートは、胎盤を通じてお腹の中の赤ちゃんに感染する「胎盤感染」、お産のときに感染する「産道感染」、授乳するときに感染する「母乳感染」などがあります。
とくに「風疹」は抗体の量を測定して、現在かかっている可能性があるか確認するとともに、抗体の量が少ない場合には「妊娠期間中に風疹にかかるリスクがある」ということになります。「風疹ワクチン」の接種は生ワクチンであるため、基本的には妊娠期間中は行われません。お産が終わったら「風疹ワクチン」を接種するようにしましょう。

尿検査

おしっこの中に、「蛋白」や「糖」が含まれているか確認します。
「蛋白尿」が陽性の場合は、「腎臓の機能」や、「高血圧」もしくは「妊娠高血圧症候群」に注意が必要です。
「尿糖」が陽性の場合は、「糖尿病」もしくは「妊娠糖尿病」に注意が必要です。
なお、妊娠初期の「つわり」で食事や水分が十分とれていないと、尿中に「ケトン体」が出てくることがあり、飢餓状態か判断します。

腟分泌液検査

腟分泌液を採取して「細菌」の検査がおこなわれます。
腟の中の善玉菌である「常在菌」がいるかどうかと、子宮の入り口に炎症をひきおこす悪玉菌の「細菌」がいるかどうか確認します。悪玉菌の細菌が多いと「細菌性腟症」から「流産」や「早産」につながる可能性があるため、「抗生剤」による治療がおこなわれます。お腹の中の赤ちゃんに産道感染する「GBS」や「カンジダ」もあわせて検査します。
また、子宮の入り口の部分から、粘液を採取して「クラミジア」の検査がおこなわれます。クラミジアは、「絨毛膜羊膜炎」から「流産」や「早産」につながる可能性があります。また、お腹の中の赤ちゃんに産道感染して「結膜炎」「咽頭炎」「肺炎」などにつながります。
クラミジアと判明したら、妊娠初期のうちにしっかりと治療することが大切です。

子宮頸がん検診

子宮の入り口の細胞を採取する「子宮頸がん検診」がおこなわれます。
子宮頸がんの前がん病変である「子宮頸部異形成」だと判明した場合であれば、妊娠中は慎重に経過をみていき、お産が終わってから必要があれば治療をおこなう流れになることが多いです。
万が一、「子宮頸がん」が判明した場合は、妊娠を継続するか、中絶をおこなって子宮頸がんの治療を優先するか難しい選択が迫られます。
なお、子宮頸がんの病変の広がり具合にもよりますが、妊娠期間中に「円錐切除術」がおこなわれる場合もあります。ただし、妊娠期間中に、子宮の入り口の部分を切除する「円錐切除術」がおこなわれた場合は、「流産」「早産」につながる可能性があります。

その他

体格の測定

「身長」と「体重」が測定されます。
「身長」と「体重」から「BMI」を計算し、「やせ」なのか「肥満」なのか判断します。
また、妊娠期間中は、お腹の赤ちゃんがおおきくなるにつれて体重が増えていきます。「BMI」などから、お産するときに目標となる体重を決めます。
なお、「体重」は簡単に測定することができるため毎回の妊婦健診ではかります。ただし、「身長」はそこまで変わらないので、初回に1回測定するのみのことが多いです。

血圧測定

血圧を測定します。血圧が高い場合には「高血圧」または「妊娠高血圧症候群」に注意が必要です。「血圧」は簡単に測定することができるため毎回の妊婦健診ではかります。


その他

「浮腫」(むくみ)を確認します。浮腫は、「あしのすねの部分」を押してみて確認します。
また、「子宮底長」や「腹囲」を測定します。それぞれの項目は母子手帳に記録されていきます。ただし、妊娠週数や医療機関の考えによっては、「子宮底長」や「腹囲」は測定されないこともあります。

まとめ

  • 母体の健康状態を把握したり、お腹の中の赤ちゃんが健やかに育つように妊娠初期に検査がおこなわれます。
  • 血液検査では、「血液型」「不規則抗体」「血球算定」「生化学」「感染症」などを検査します。
  • 妊娠初期の検査には、「血液検査」「尿検査」「腟分泌物検査」「子宮頸癌検診」などの検査に加えて、「身長」「体重」「血圧」などの測定がおこなわれます。

ふだん、医療機関にかかっておらず、慣れていない人にとっては、検査が多すぎて大変かと思います。
母体の健康状態を把握したり、お腹の中の赤ちゃんが健やかに育つように、たくさんの検査検査がおこなわれます。
妊娠初期には、「母子手帳」をもらうとともに、しっかりと「妊娠初期検査」を受けることで、母親になる第一歩を踏み出していきましょう。

この記事によって、「妊娠初期検査」の理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。

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