妊婦健診で貧血といわれました【妊娠中の貧血】

結論ですが

妊娠中は鉄欠乏性貧血になりやすく、鉄分を積極的に摂取しましょう。

この記事は「妊娠中の女性」に向けて書いています。
この記事を読むことで「妊娠中の貧血」についてわかります。

健康で今まで病院をあまり受診して来なかった人は驚くかと思いますが、妊婦健診では母児ともに健やかに妊娠生活がおこなわれるように様々な検査がおこなわれます。

その中でも妊娠中はとくに「貧血」になりやすいので、血液検査で「貧血」を確認します。

ちなみに、「立ちくらみ」の症状を「貧血」という人がいますが、これはあやまりです。
たしかに「貧血」によって「たちくらみ」の症状を来たすことはありますが、「貧血」以外が原因でも「立ちくらみ」の症状を来します。
しかし、妊娠中の立ちくらみは「起立性低血圧」が多いです。妊娠中は血圧の調整がうまくいかないことが多く、立ち上がった時に血圧がうまく上がらず、頭に十分な血液がおくられずに「立ちくらみ」を来すことが多いです。

今回、「妊婦健診で貧血といわれたとき」について説明していきます。

この記事のまとめ

  • 妊婦健診の初期や後期に血液検査をして、「Hb」(ヘモグロビン)の値をみて貧血かどうか判断します。
  • 妊娠期間を通じて貧血になりやすいので鉄分を積極的に摂取しよう。
  • 鉄欠乏性貧血の治療は「鉄分」の摂取であり、「食事」や「くすり」から鉄分を摂取します。

どうやって貧血か判断しますか?

「Hb」(ヘモグロビン)の値で貧血か評価します。
妊娠初期や妊娠後期に血液検査をおこなって、貧血かどうか確認します。
血液検査の「Hb」(ヘモグロビン)という項目をみて貧血かどうか検査します。
妊娠中の女性の場合は、おおむねヘモグロビンの値が「10~11g/dl」以下であれば貧血と判断して、治療をすることが多いです。

ヘモグロビンとは何ですか?

血液中に赤血球という成分がありますが、その中の赤い色素として「ヘモグロビン」があります。ヘモグロビンのため血液は赤い色をしています。
赤血球は「酸素」を全身に運ぶ役割をしています。その酸素を運ぶのに赤血球中の「ヘモグロビン」が重要な役割をしています。

貧血にはどんな症状がありますか?

ヘモグロビンが低く貧血となると、酸素を全身に十分運ぶことができなくなります。
からだを動かすとすぐに疲れやすく「息切れ」しやすくなったり、心拍数があがり「動悸」したりします。また、「全身倦怠感」「立ちくらみ」などの症状があらわれます。
また、からだの変化で、「眼瞼結膜の蒼白化」(あっかんべーしたときの目の下の部分が白くなる)「舌が炎症する」「さじ状爪」(つめが薄く平たくなる)などがみられます。
なお、鉄欠乏性貧血で、氷を好んで食べたくなる「氷食症」となることがあります。

妊娠中は貧血になりやすい

妊娠期間を通じて、貧血になりやすいです。
とくに鉄欠乏性貧血になりやすいため、妊娠期間中は鉄分を積極的に摂取しましょう。妊娠期間の鉄分の摂取量は1日あたり、妊娠初期で「 8-9mg」、妊娠中期・後期で 「21-22mg」、産後 で「8-9mg」 推奨されています。
妊娠中期や後期になると貧血になりやすいので、分娩時の出血に備えて鉄分を積極的に摂取しておきましょう。

貧血といわれた場合どうすればいいですか?

妊娠中の貧血の多くは鉄欠乏性貧血であり、治療は「鉄分の摂取」です。

食事

軽度な貧血であれば、食事などで鉄分を摂取することで改善します。
鉄分の吸収には「ビタミンC」が効果的であり、赤血球が作られるときには「ビタミンB6」「ビタミンB12」「葉酸」が必要になるので、それらの摂取も意識しましょう。
また、紅茶・コーヒー・緑茶に含まれる「タンニン」や、穀物・野菜・果物に含まれる「フィチン」という成分は鉄の吸収阻害するため摂りすぎに注意が必要です。

くすり

中等度の貧血であれば、くすりで鉄分を摂取します。
「錠剤」「カプセル」「粉薬」「シロップ剤」など様々な剤形があります。
飲みにくい薬なので、自分にあった剤形を選ぶといいでしょう。また、胃不快感が出やすいので、胃薬と一緒に飲むことが多いです。
どうしても飲むことが出来ない場合は「注射」もあるので担当の医師と相談してみると良いでしょう。

貧血が改善するまで時間かかるため、鉄剤のくすりを長く飲まなければならないことも多いです。なお、「ヘモグロビン」が改善したあとも「フェリチン」という貯蔵鉄が改善するまで治療をおこないます。

まとめ

妊婦健診の初期や後期に血液検査をして、「Hb」(ヘモグロビン)の値をみて貧血かどうか判断します。

妊娠期間を通じて貧血になりやすいので鉄分を積極的に摂取しよう。

鉄欠乏性貧血の治療は「鉄分」の摂取であり、「食事」や「くすり」から鉄分を摂取します。

今まで病院とは無縁の人が、妊娠をすると多くの検査を受けることになります。
そこで検査結果が異常とひっかかると驚かれる人が多いです。

しかし、今回説明した貧血は妊娠中多くの人がなるものです。しっかりと重症度にあわせて治療していくことが大切です。そして、お産のときの出血に備えていきましょう。

一人でも多くの人が妊娠中の不安や疑問が解消され、快適に妊娠生活を送ってくれれば幸いです。

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