子宮が腫れているといわれましたがどうすればいいですか?【子宮腫大】

結論ですが

婦人科を受診して相談するようにしましょう。

この記事は「病気を指摘された」女性に向けて書いています。
女性特有の病気に関して理解を深めるお手伝いができればと思っています。
この記事を読むことで「子宮腫大」についてわかります。

お腹が痛くて内科など受診するかと思います。
そのときに、CTやエコーなどの画像検査をおこなったところ、子宮が腫れていることがわかることがあります。

子宮が腫れているって大丈夫かしら…

と心配になるかと思います。

「子宮筋腫」や「子宮腺筋症」という良性疾患の可能性が高いですが、なかには「子宮頸がん」「子宮体がん」などの悪性疾患であることもあります。
子宮が腫れていることがわかった場合には婦人科を受診して相談するようにしましょう。

今回は、「子宮腫大」について説明していきます。

この記事のまとめ

  • 子宮が腫れている場合には「腫れている原因」をさぐり、「症状」を確認し、原因や症状に応じて「治療方針」を決めます。
  • 子宮が腫れる原因として、「子宮筋腫」や「子宮腺筋症」という良性疾患の可能性や、「子宮頸がん」「子宮体がん」などの悪性疾患(がん)の可能性が考えられます。
  • 子宮が腫れている原因(良性疾患なのか悪性疾患なのか)や、症状などに応じて治療を決めます。とくに、病変の大きさや位置、症状の程度、今後の子供の希望など総合的に判断して治療が行われます。

子宮が腫れているときには

子宮が腫れていると指摘された場合は婦人科を受診しましょう。
婦人科では以下のような流れで診察をおこなっていきます。

  1. 腫れている原因をさぐります。
  2. 症状を確認します。
  3. 原因や症状に応じて治療を決めます

腫れている原因をさぐります

子宮腫大の原因

子宮が腫れる原因として、「子宮筋腫」や「子宮腺筋症」という良性疾患の可能性や、「子宮頸がん」「子宮体がん」などの悪性疾患の可能性が考えられます。
とくに「子宮筋腫」はとても頻度が多く、生殖可能年齢の女性の20-30%は子宮筋腫があるとされています。
また、「子宮頸がん」「子宮体がん」などの悪性疾患がみつかった場合は、命をおとしうる可能性があります。「組織のタイプ」や「病変の広がり」などを検査して治療につなげる必要があります。

子宮腫大の検査

子宮が腫れている場合、原因をさぐるために検査をおこなっていきます。
まずは、エコーやCT・MRIなどの画像検査をおこなって、子宮の「どこの部分」が腫れているのか、腫れているものの「性状」がどのようなものなのか確認します。
また、子宮の下側の子宮頸部の細胞の検査「子宮頸部細胞診」や、子宮の上側の子宮体部の細胞の検査「子宮体部細胞診」を行い、悪性疾患の可能性がないか検査します。
また、月経量が多かったり、性器出血が続いているようであれば、「血液検査」で「貧血」の確認をしたり、悪性疾患の可能性があれば「血液検査」で「腫瘍マーカー」の確認をしたりします。

症状を確認します

月経異常

月経量が多くなる「過多月経」、月経の期間が長くなる「過長月経」、月経の痛みがひどくなる「月経困難症」、「月経不順」「不正性器出血」などの症状がおこります。

鉄欠乏性貧血

とくに月経量が多くなる「過多月経」や月経の期間が長くなる「過長月経」になると、月経による出血量が増えるため鉄欠乏性貧血を来たすこともあります。

腹部圧迫症状など

子宮が腫れて大きくなると、お腹の中から圧迫された感じがする「腹部圧迫感」やお腹の中に何かかたまりがある感じがする「腹部腫瘤感」を来します。
膀胱が圧迫されて刺激されて、おしっこがしたい感じとなり、尿の回数が多くなる「頻尿」を来します。また、子宮の腫れている部分に感染すると、「発熱」「下腹部痛」などの症状が出たり「腰痛」などの症状を来します。

原因や症状に応じて治療を決めます

子宮が腫れている原因や、症状などに応じて治療を決めます。
とくに子宮筋腫や子宮腺筋症などの良性疾患の場合は、病変の大きさや位置、症状(痛み・貧血・圧迫症状など)の程度、今後の子供の希望など総合的に判断して治療方針を決めます。

経過観察

症状が落ち着いており、明らかに良性疾患と判断した場合は、とくに治療を行なわずに経過観察することが多いです。定期的に受診していただき、子宮の腫れの大きさをフォローしたり、症状が悪化したり新たに困った症状が出現しないかみていきます。

対症療法

生活で困っている症状があれば、それを落ち着かせる「対症療法」をおこないます。
たとえば、月経痛や下腹部痛など「痛み」があれば痛み止めで対応します。
また、「貧血」があれば鉄剤による治療や月経量を抑えるための治療を行ったりします。月経量を抑えるために「ホルモン剤」「漢方」「止血剤」などのくすりを使います。

手術

子宮筋腫や子宮腺筋症などの病変のみを摘出する「病変の核出術」や、根本的治療となる「子宮全摘出術」などがおこなわれます。
「病変の核出術」は子供を希望し子宮を残したい場合に行われますが、子宮自体は残るので病変が再発してくる可能性があります。

悪性疾患の場合

「子宮頸がん」や「子宮体がん」などの悪性疾患(がん)の場合は、「組織のタイプ」や「病変の広がり」などの程度に応じて治療方針を決めます。
悪性疾患の治療は、おもに「手術」「化学療法」「放射線治療」の3つあります。病変を摘出できるものであれば「手術」を優先しておこなう場合が多いです。その場合は、基本的には「子宮全摘出術」以上の治療が行われます。
ただし、子宮頸がんにおいて妊娠の希望がある場合は、要件を満たせば子宮の下半分を摘出する「広汎子宮頸部摘出術」という妊娠する能力を温存できる手術方法を選択もあります。

まとめ

子宮が腫れている場合には「腫れている原因」をさぐり、「症状」を確認し、原因や症状に応じて「治療方針」を決めます。

子宮が腫れる原因として、「子宮筋腫」や「子宮腺筋症」という良性疾患の可能性や、「子宮頸がん」「子宮体がん」などの悪性疾患(がん)の可能性が考えられます。

子宮が腫れている原因(良性疾患なのか悪性疾患なのか)や、症状などに応じて治療を決めます。とくに、病変の大きさや位置、症状の程度、今後の子供の希望など総合的に判断して治療が行われます。

婦人科の受診は、ためらわれる人が多いかと思います。
女性のデリケートな部位の診察になるので、受診のハードルは高いかと思います。

子宮が腫れていると指摘された場合には、しっかりと婦人科を受診して大丈夫な腫れなのかしっかりと診断をつけてもらいましょう。
とくに悪性疾患の場合には、気がついたときには手遅れになってしまうこともあります。

勇気をもって婦人科を受診しましょう。婦人科は困った人の味方です。

この記事によって「子宮腫大」の理解が深まり一人でも多くの人に役立つことを願っています。

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