筋力トレーニングの負荷と回数【マラソンと筋肉】

結論ですが、

筋力トレーニングにおいて、負荷が上がれば回数は減り、負荷が下がれば回数は増えます。

この記事は「マラソントレーニングを行っている」ヒトに向けて書いています。
運動・健康・マラソンへの疑問・悩み・不安などが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「筋力トレーニングの負荷と回数」についてわかります。

筋力トレーニングの負荷と回数にはどのような関係がありますか?

このような疑問にお答えします。

運動や競技をはじめて間もないうちは、自然にパフォーマンスが上がってくるでしょう。
しかし、あるところまでいくと、能力が頭打ちになって、伸び悩んでしまう時期にさしかかるポイントがあります。

その運動や競技において、パフォーマンスを引き出したい場合、トレーニングが不可欠です。

どのようなトレーニングが良いのか?
効率が良いトレーニングってあるのか?
最大限のパフォーマンスを発揮するためにどうすればいいのか?

自分を鍛えている人であれば、このような疑問は常に頭の中にあるかと思います。

マラソン、ランニングのトレーニングにおいて「筋力トレーニング」という視点を入れると、毎日のトレーニングに対する見かたが変わってきます。

では、筋力トレーニングの負荷と回数にはどのような関係がありますか?

ということで、今回は「筋力トレーニングの負荷と回数」について説明していきます。

「宮の沢スマイルレディースクリニックホームページ」
https://www.miyanosawa-smile-lc.com/

この記事のまとめ

1.筋力トレーニングの負荷と回数

筋力トレーニングにおいて、負荷が上がれば回数は減り、負荷が下がれば回数は増えます。

たとえば、スクワットをする場合、バーベルの重さを重くすると(負荷を上げると)、スクワットできる回数は減ります。
反対に、バーベルの重さを軽くすると(負荷を下げると)、スクワットできる回数は増えます。

純粋に筋肉の能力のみを考えると、負荷が上がれば回数は減り、負荷が下がれば回数は増えます。

トレーニングの負荷は、1回だけ反復できる負荷(最大筋力)を「1RM(1Repetition Maximum)」として、この1RMを基準に負荷を設定することになります。
ちなみに「RM」は、以下のような表現になります。

1RM:自分が挙げられる最大の重量(最大筋力)
3RM:3回しか持ち上げられない重さ(4回は挙げられない重量)
5RM:5回持ち上げることができるが、6回は挙げられない重量

また、トレーニングの回数は、「レップ(rep)」で表されますが、1セットの中でエクササイズを行う回数のことを言います。
なお、レップは「repetition(繰り返し)」の略です。

トレーニングの目的や目標によって、1RMの何%の負荷を用いたトレーニングを行うかを決めたり、回数やセット数を決めることになります。

筋力トレーニングにおいて、負荷が上がれば回数は減り、負荷が下がれば回数は増えます。

2.目的に応じたトレーニングの負荷と回数

トレーニングの目的に応じて、筋力トレーニングの負荷・回数・セット数を設定しましょう。

筋力トレーニングの負荷と回数には以下のような関係があります。

筋力アップ(パワー重視):高負荷の重量で1~6回程度のトレーニング
筋肥大(ボディメイク):中負荷の重量で8~12回程度のトレーニング
筋持久力向上:低負荷の重量で15回以上のトレーニング

負荷を設定するときには自分が挙げられる最大の重量(最大筋力)である「1RM」を基準に設定します。
筋力アップでは、1RM~6RMとなりますが、換算表を使えば、自分に合った適正な重量がわかります。
ただし、個人差があるのと、その日のコンディションやトレーニングを継続していくうちに筋力が上がっていくことを考慮して、負荷や回数を設定するといいでしょう。

また、1セットでは充分な刺激量を与えにくいので、3~5セット程度に分割するといいでしょう。
なお、セット間の休憩は「30秒~1分程度」を目安にします。

トレーニングの目的に応じて、筋力トレーニングの負荷・回数・セット数を設定しましょう。

3.ランナーにおける負荷と回数

ランナーにおける筋力トレーニングは、「高負荷・低回数」「低負荷・高回数」がオススメです。

繰り返しですが、筋力トレーニングの負荷と回数には以下のような関係があります。

筋力アップ(パワー重視):高負荷の重量で1~6回程度のトレーニング
筋肥大(ボディメイク):中負荷の重量で8~12回程度のトレーニング
筋持久力向上:低負荷の重量で15回以上のトレーニング

ランナーにおいて、筋肥大すると体重が増えてしまい、ランニングのパフォーマンス低下につながるおそれがあります。
筋肥大させないように、筋力アップを目的とする「高負荷・低回数」や、筋持久力向上を目的とする「低負荷・高回数」がオススメです。

また、筋力トレーニングの後に、有酸素運動を行うことによって、筋肥大を抑えることができるので、体重増加が気になる方は取り入れてみてもいいでしょう。

ランナーにおける筋力トレーニングは、「高負荷・低回数」「低負荷・高回数」がオススメです。

おまけ.ランニングと筋力トレーニング

なお、ランニング自体を「走る動作に関係する筋肉」の筋力トレーニングとみなすこともできます。

つまり、ランニングにおいては、

ペースが上がる(負荷が増える)と、走行距離は短くなる(回数は少なくなる)
ペースが下がる(負荷が減ると)と、走行距離は長くなる(回数は多くなる)

という関係になります。

さて、ランニングでは100m程度の短い距離でも歩数(回数)は多くなるため、筋力トレーニングのrep設定でいうと、基本的には「低負荷・高回数」のトレーニングに分類されます。

LSDなどの長い距離を走る場合には、究極的な「低負荷・高回数」の筋力トレーニングといえるでしょう。

普段からジョギングやランニングを習慣化されている人は「低負荷・高回数」の筋力トレーニングが日常的に自然と出来ていることになります。
トレーニングマシンなどを使った筋力トレーニングでは「高負荷・低回数」に設定していつもと違った刺激を筋肉に入れても良いでしょう。

少し話は複雑になりますが、筋肉の出力を上げても(負荷を上げても)、思うようにペースが上がらない場面があります。
ランニングエコノミーの話にもつながりますが、同じ出力でも、走るペースが速い人、遅い人に分かれます。
ランニングの効率が良い人は、より少ないエネルギーで、より速く、より長く走ることができるのです。
筋肉の出力を上げたときに、スピードを出せるようなフォームにのせていくことが大切です。

反対に、ペースを下げても、疲労感がむしろ高まる場面があります。
自分の走りやすいペースというものがあって、違和感のあるペースの場合、慣れていないペース体の動きに脳にストレスを感じ、反対に疲労感が強くなることがあります。
個人的にいうと、ゆっくりペースのペースメーカーをするときに感じます。

純粋に筋肉の能力だけ考えると、

ペースが上がる(負荷が増える)と、走行距離は短くなる(回数は少なくなる)
ペースが下がる(負荷が減ると)と、走行距離は長くなる(回数は多くなる)

という関係にあります。
しかし、ランニングにはいくつかの要素が複雑に絡み合うため、実際のペースと自分の出力の感覚や疲労感にギャップが起こることが多々あります。

まとめ

今回は「筋力トレーニングの負荷と回数」について説明しました。

この記事によって「筋力トレーニングの負荷と回数」についての理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。

「宮の沢スマイルレディースクリニックホームページ」
https://www.miyanosawa-smile-lc.com/