陰部の皮膚の表面がえぐれていますがどうすればいいですか?【陰部潰瘍】

結論ですが

陰部の皮膚の表面がえぐれた「病変」が出来た場合は、恥ずかしがらず勇気をもって婦人科を受診するようにしましょう。

この記事は「症状で困っている」女性に向けて書いています。
女性特有の症状の悩みが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「陰部の潰瘍」についてわかります。

陰部に「病変」が出来た場合は、部位が部位だけに恥ずかしいかと思います。
大きい病変であれば気づくことが多いですが、病変が小さく、痛み・かゆみなどの症状がないようであれば残念ながら気づかない場合もあります。

できれば自分の体の変化には普段から気にするようにして、陰部に「病変」ができた時に受診して相談するようにしましょう。

では、今回は陰部の病変のうち「潰瘍」について説明していきます。

この記事のまとめ

  • 陰部に「潰瘍」が出来た場合、受診をして診察を受けましょう
  • 陰部潰瘍の原因として、「ヘルペス」「梅毒感染」「ベーチェット病」「軟性下疳」などあります。
  • 陰部潰瘍の検査として、「視診」「触診」「プライムチェック」「血液検査」などあります。

陰部に「潰瘍」が出来た場合は受診をして診察をうけましょう

陰部の皮膚の表面がえぐれた「病変」のことを「潰瘍」とよばれます。陰部に「潰瘍」が出来た場合は受診をして診察をうけましょう。
「陰部潰瘍」の原因はさまざまあります。とくに、「感染症」であれば性行為などによって感染したり、他の人に感染させて病気を広げてしまう恐れがあります。
全身の症状を呈する病気も隠れていることもあり、放置すると病変が広がってしまうおそれがあります。
陰部に「病変」が出来た場合は、恥ずかしがらず勇気をもって受診するようにしましょう。部位が部位だけにどこの科に行くか迷うかと思いますが、陰部の診察に慣れている婦人科を受診することをすすめます。

陰部の「病変」には様々な種類がある。

陰部に何か「病変」が出来た場合、はじめにその「病変」が何であるか見て確認します。
今回説明する皮膚の表面がえぐれる「潰瘍」の他、隆起性病変である「疣贅(ゆうぜい)」(いぼのこと)、かたまりをつくる「腫瘍」、感染などによる「炎症」、皮膚の角質が厚くなる「角化症」などが様々な種類があります。

「陰部潰瘍」の原因と治療は何ですか?

ヘルペス

ヘルペス感染は、単純ヘルペスウイルス(1型,2型)とよばれるウイルスによる感染症です。主に性行為によって性器や口唇などに感染をおこし「性器ヘルペス」や「口唇ヘルペス」となります。
女性の場合は性行為をした「2-10日後」あたりから発症し、外陰部に「みずぶくれ」や「浅い潰瘍」などの病変がみられます。
治療は、抗ウイルス薬である「バラシクロビル」「アシクロビル」などの薬が使われます。再発を何度も繰り返す場合は、再発予防のために「抗ウイルス薬」を毎日継続的に飲んでもらうことがあります。

梅毒感染

梅毒は「梅毒トレポネーマ」という病原体が原因の感染症です。おもに性行為(セックス・オーラルセックス・アナルセックスなど)の際に、血液・精液・腟分泌液などの体液を介して感染します。
梅毒の感染によって全身にさまざまな皮膚の病変が出来ます。梅毒感染から3-6週間の第1期梅毒の時期に「痛みを伴わない潰瘍」ができます。また、「初期硬結」「硬性下疳」、「バラ疹」「扁平コンジローマ」など多彩な皮膚症状を呈します。
治療は、ペニシリン系の「抗生剤」が使われます。

ベーチェット病

ベーチェット病は、全身の臓器におこる粘膜の炎症をともなう「全身性炎症性疾患」です。症状は慢性的におこり、再発することが特徴です。おもに「陰部」「口の中」「皮膚」「眼」の4つの部位に症状をきたします。
治療は、「ステロイド」の塗り薬、「プロスタグランジン」の塗り薬など使います。また、病変が大きく、治療に苦慮する場合には「ステロイド」の全身投与も行います。

軟性下疳

軟性下疳とは、軟性下疳菌による感染症です。おもに性行為によって感染します。性器の皮膚または粘膜に「痛みをともなう潰瘍」や「鼠径リンパ節の腫れ」などの症状を呈します。
治療は「抗生剤」が使われます。

「陰部潰瘍」にはどんな検査が行われますか?

視診・触診

陰部の病変を見たり触ったりして診断します。
まずは、病変をみることによって、「できもの」の種類が何なのか判断します。そして触って「できもの」の「硬さ」や「動きやすさ」「痛みがおもなうか」など確認します。
陰部の「できもの」は、視診だけで8割程度は診断することができます。

プライムチェック

プライムチェックは、陰部の潰瘍などの病変に単純ヘルペスウイルスの抗原が含まれているか迅速に検査することができます。
陰部の潰瘍などの病変を擦って検体を採取して、検査キットで検査します。その場で検査結果が判明しますが、ヘルペス感染であっても検査結果が「陰性」となる可能性もあるため結果の判断は慎重におこないます。

血液検査

血液検査でおもに梅毒感染・炎症性疾患・細菌感染などの可能性を判断します。
梅毒抗体(RPR法やTPHA法など)の検査や、CRP・白血球などの炎症反応を検査して、「梅毒感染」や「ベーチェット病」、軟性下疳などの「細菌感染」の可能性を判断します。

まとめ

陰部に「潰瘍」が出来た場合、受診をして診察を受けましょう

陰部潰瘍の原因として、「ヘルペス」「梅毒感染」「ベーチェット病」「軟性下疳」などあります。

陰部潰瘍の検査として、「視診」「触診」「プライムチェック」「血液検査」などあります。

陰部に「病変」が出来た場合は、部位が部位だけに恥ずかしいかと思いますが、恥ずかしがらず勇気をもって婦人科を受診するようにしましょう。婦人科は困っている人の味方です。

この記事によって「陰部潰瘍」の理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。

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