脂質を摂取するポイント【マラソンと栄養】PFC

結論ですが、

脂質を摂取するポイントとして「脂質の摂取量」「脂質の種類」「摂取するタイミング」などがあります。

この記事は「アスリートの栄養について知りたいヒト」に向けて書いています。
アスリートへの疑問・悩み・不安などが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「脂質を摂取するポイント」についてわかります。

脂質を摂取するときには、どのようなポイントがありますか?

このような疑問にお答えします。

三大栄養素である「タンパク質」「脂質」「炭水化物」のことを「PFC」といいます。

タンパク質(Protein)
脂質(Fat)
炭水化物(Carbohydrate)

スポーツ選手やアスリートの場合、厳しいトレーニングに耐えうる体作りなどのために、食事・栄養がとても重要になります。
そして、この「PFC」がエネルギー源となるため重要となります。

マラソンなどの持久系競技において、とくに「炭水化物・糖質」(C)や「脂質」(F)が大切です。
今回は、そのうち「脂質」(C)についてピックアップします。

では、脂質はどのように摂取すればいいですか?

ということで、今回は「脂質を摂取するポイント」について説明していきます。

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まとめ

1.脂質の摂取量

脂質を摂取するポイントとして「脂質の摂取量」があります。

アスリートにおいて、脂質の必要な量は「1日の必要エネルギーの25%から30%」とされています。

例えば、必要エネルギーが「3000kcal」の人の場合では「750kcalから900kcal」、つまり「83gから100g程度」を脂質で摂取することが目安になります。

これは、あくまで脂質の摂取量の目安であり、競技内容やトレーニング内容、トレーニング時期、それぞれの身長・体重などの体格によって、脂質を摂取すべき量は異なります。

ちなみに「ファットアダプト」という脂質を多めに摂取する食事法の場合には、「1日の必要エネルギーの70%から80%程度」が目安になります。

また、体脂肪を落として減量したい場合には、脂質の摂取量を落としていくことになります。

ただし、脂質の摂取量が少なすぎると、エネルギー不足、冷え、脂溶性ビタミン不足、体内を調節する物質を作ることができず、体調不良につながる可能性があるため注意が必要です。

2.脂質の種類

脂質を摂取するポイントとして「脂質の種類」があります。

脂質を構成する脂肪酸は「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に大きく分けられ、「不飽和脂肪酸」には「一価不飽和脂肪酸」、「多価不飽和脂肪酸」(オメガ3系脂肪酸・オメガ6系脂肪酸など)、「トランス脂肪酸」などがあります。

飽和脂肪酸の中で「短鎖脂肪酸」や「中鎖脂肪酸」に分類されるものがあります。
これらは、炭素の数が少ない構造のため、比較的エネルギー源として利用されやすい脂肪酸となっております。

短鎖脂肪酸

短鎖脂肪酸とは、脂肪酸の中でも鎖のようにつながった炭素の数が6個以下と短いものをいい、酢酸、酪酸、プロピオン酸などがあります。

そもそも、脂肪酸とは、脂質を構成する成分のひとつであり、数個から数十個の炭素が鎖のように繋がった構造をしています。
そのうち炭素の数が6個以下のものを「短鎖脂肪酸」と言います。

短鎖脂肪酸は、ヒトの大腸において、消化されにくい食物繊維やオリゴ糖を腸内細菌が発酵することにより生成されます。

中鎖脂肪酸

中鎖脂肪酸とは、脂肪酸の中でも鎖のようにつながった炭素の数が8個~10個のものをいい、カプリル酸、カプリン酸などがあります。

そもそも、脂肪酸とは、脂質を構成する成分のひとつであり、数個から数十個の炭素が鎖のように繋がった構造をしています。
そのうち炭素の数が8個~10個のものを「中鎖脂肪酸」と言います。

MCTは「Medium Chain Triglyceride」(中鎖脂肪酸)の略であり、MCTオイルは「中鎖脂肪酸油」のことをいいます。
ココナッツやパーム種子などのヤシ科の植物に含まれており、その天然成分である「中鎖脂肪酸」(MCT)のみを抽出して作られています。

飽和脂肪酸

飽和脂肪酸は、不飽和脂肪酸と比べて、炭素の数が少なく、エネルギー源として利用されやすいです。
しかし、飽和脂肪酸の摂り過ぎによって、脂質異常症のリスクが高まります。反対に飽和脂肪酸が足りないと、脳出血やホルモンバランスの乱れ、皮膚炎など健康面への影響があるため、適量を摂取することが大切です。

乳製品や肉などの動物性脂肪、パーム油やココナッツ油などの植物油脂に多く含まれています。

不飽和脂肪酸

不飽和脂肪酸の中でも「オメガ3系脂肪酸」は体に良い脂質です。
コレステロールを改善する効果だけでなく、認知機能の改善、心血管リスクの低減、炎症の軽減、関節疾患リスクの低減などの効果が期待できるため、積極的に摂取したい栄養素です。

いわし・さば・サンマなどの青魚や、さけ・ます・マグロなどの脂肪の多い魚類、ナッツ類などに含まれています。

3.脂質を摂取するタイミング

脂質を摂取するタイミングとして、「朝食」や「昼食」において比較的多めに摂取し、「運動前」や「寝る前」に脂質を多く摂取することは避けた方が良いでしょう。

脂質は、体内に消化吸収するまでに時間がかかります。
運動前に脂質を多く摂取すると、消化管への負担が重くなり、運動時に筋肉への血流が低下することにつながります。
また、寝る前に脂質を多く摂取すると、睡眠の質が低下することにつながります。
さらに、エネルギーとして消費されない脂質が、体脂肪として蓄積しやすいです。

脂質は、朝食や昼食において、比較的多めに摂取するといいでしょう。
朝食や昼食に脂質を摂ることで、日中の活動に脂質をエネルギー源として効率的に使うことができます。ただし、運動前に脂質を摂り過ぎるのは控えましょう。

脂質を摂取するタイミングとして「運動前」や「寝る前」は避けた方が良いでしょう。

まとめ

今回は「脂質を摂取するポイント」について説明しました。

この記事によって「脂質を摂取するポイント」についての理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。

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