子宮腺筋症とは【患者説明】

結論ですが、

子宮腺筋症は、子宮内膜の成分が、子宮の筋肉の中で増殖して子宮が腫れる病気です。

この記事は「婦人科の病気に関して疑問がある人」に向けて書いています。
病気に関するさまざまな疑問・不安・悩みなどが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「子宮腺筋症」についてわかります。

子宮腺筋症ってなんですか?

このような疑問にお答えします。

月経痛がひどい
月経の量が多い
月経が来るたび憂鬱です

このような悩みで産婦人科を受診したときに「子宮腺筋症」と判明することがあります。

では、子宮腺筋症ってなんですか??

ということで、今回は「子宮腺筋症」について説明します。

「宮の沢スマイルレディースクリニックホームページ」
https://www.miyanosawa-smile-lc.com/

この記事のまとめ

子宮腺筋症とは

子宮腺筋症は、子宮内膜の成分が、子宮の筋肉の中で増殖して子宮が腫れる病気です。

子宮腺筋症は、30代後半から40歳代にかけての女性に多くみとめられます。また、お産をしたことのある人に多くみとめられます。

子宮内膜の成分が子宮の中以外の部分で増殖して病変をつくる病気を「子宮内膜症」といいます。
子宮腺筋症は、子宮内膜の成分が、子宮の筋肉の中で増殖して子宮が腫れる病気であり、子宮内膜症の一種となります。

子宮腺筋症の症状

月経痛

子宮腺筋症によって、月経痛が起こります。

子宮腺筋症では、子宮の筋肉が厚くなった状態であり、月経時に子宮の収縮や炎症がおこりやすくなり、月経痛につながります。

過多月経

子宮腺筋症によって、過多月経が起こります。

子宮腺筋症では、子宮の筋肉が厚くなり、子宮内膜の面積も広くなります。
すると、月経の量が多くなる「過多月経」になりやすく、鉄欠乏性貧血を来たすこともあります。

腹部圧迫感

子宮腺筋症によって、腹部圧迫感が起こります。

子宮腺筋症によって子宮のサイズが大きくなると、お腹の中から圧迫された感じがする「腹部圧迫感」につながります。
また、膀胱が圧迫され刺激されて、「頻尿」になることもあります。

不妊症

子宮腺筋症によって、不妊症が起こる場合があります。

子宮腺筋症は子宮内膜症と合併していることが多く、卵管の通り道が妨げられて「不妊」の原因となってしまうことがあります。
ちなみに、妊娠した後、子宮腺筋症によって厚くなった子宮の壁が伸展せずに、「流産」や「早産」につながってしまうこともあります。

子宮腺筋症の治療

経過観察

子宮腺筋症が判明した場合、経過観察することが多いです。

子宮腺筋症にともなう症状が落ち着いており、明らかに良性の子宮腺筋症と判断した場合は、とくに治療を行なわずに経過観察することが多いです。
定期的に受診していただき、エコー検査などで子宮腺筋症の大きさをフォローします。
また、症状が悪化したり、新たに症状が出現しないか経過観察していきます。

対症療法

子宮腺筋症にともなう症状があれば、それを落ち着かせる「対症療法」をおこないます。

たとえば、月経痛や下腹部痛など「痛み」があれば痛み止めで対応します。また、「貧血」があれば鉄剤による治療や月経量を抑えるための治療を行ったりします。
月経量を抑えるために「止血剤」「漢方薬」などのくすりを使います。

低用量ピル

子宮腺筋症の治療として「低用量ピル」があります。

子宮腺筋症は月経を繰り返すたびに悪化することが多いです。
低用量ピルを使用することによって、子宮腺筋症の悪化を食い止める効果が期待できます。
さらに、子宮腺筋症にともなう月経痛や過多月経などの症状もおさえることができます。
低用量ピルが使えない場合には、ジエノゲストなどのホルモン剤を使う場合もあります。

ミレーナ

子宮腺筋症の治療として「ミレーナ」があります。

ミレーナは子宮の中に挿入する器具です。
ミレーナから分泌される黄体ホルモンの働きによって、子宮腺筋症に伴う月経痛や過多月経などをおさえる効果があります。

手術

子宮腺筋症の治療として「手術」があります。

妊娠を希望せず、月経から早く卒業したい場合には根本的治療となる「子宮全摘出術」がおこなわれます。
なお、妊娠を希望する場合には「子宮腺筋症核出術」が行われる場合がありますが、できる施設が限られています。

まとめ

今回は「子宮腺筋症」について説明しました。

子宮筋腫や子宮内膜症と違って、
子宮腺筋症って、なかなか耳にすることは少ない病気かと思います。

婦人科のがん検診などでエコー検査を受けてみつかるケースが多いです。
なかなか理解しにくい病気だと思いますが、月経の症状の原因となります。
子宮腺筋症とうまく付き合うことで、生活の質は上がるはずです。

子宮腺筋症と診断された場合は、是非とも担当医と治療方針など相談するようにしましょう。

この記事によって「子宮腺筋症」の理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。

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