【解説】健康寿命延伸のための提言「喫煙」1/10

結論ですが、
健康のために、たばこを吸っている人は禁煙しましょう。また、他人のたばこの煙は避けましょう。

この記事は「健康について関心のある」ヒトに向けて書いています。
自身の健康への疑問・悩み・不安などが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「健康寿命を伸ばすための具体的な行動」がわかります。

突然ですが「健康」とはなんでしょうか?

普段当たり前に使っている「健康」という言葉ですが、
改めて「健康ってなにか」と考えると、その意味は意外と難しいです。

健康は良いこと
年を重ねてもいつまでも健康でいたい
病気にならないで健康でいたい
毎日が健康でいきいきとしていたい
あの人は健康的でいいね

など「健康」にはポジティブな印象があるかとおもいます。


これからは人生100年時代です。
長い人生をよりよく過ごすために「健康」について知ることが大切です。
そして「健康寿命」を伸ばすことがポイントになってきます。

2021年2月19日に、国立高度専門医療研究センター6機関の連携による「健康寿命延伸のための提言」が公開されました。
そこには、エビデンスに基づく「健康に過ごすための具体的な予防行動」が10項目に分けて提言されています。
みなさんが健康に過ごすために役立つ内容であり、順に説明していきたいと思います。
今回は「喫煙」について説明していきます。

この記事のまとめ

(健康のための具体的行動)
1.健康のために、たばこを吸っている人は禁煙しましょう。
2.他人のたばこの煙は避けましょう。
3.加熱式たばこも吸わない、煙も避けるようにしましょう。

健康寿命延伸の提言とは

健康寿命延伸の提言とは

2021年2月19日に、国立高度専門医療研究センター6機関(※)の連携によって「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」が公開されました。
これは、日本人の健康寿命を伸ばすために必要な「予防行動」について提言されています。
健康寿命を伸ばすためには、「小児」「妊婦」「成人」「高齢者」など年齢や状態に応じて、さまざまな疾患を横断的に予防することが必要です。
しかし、予防について疾患横断的にまとめられたガイドラインや指針は今までなかったため、このような提言がされるに至りました。

健康寿命とは

「健康寿命」とは、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間のことです。

出産して産まれてきてから、死亡するまでの期間を「寿命」と言います。
それに対して、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間のことを「健康寿命」と言います。
単に「寿命」を伸ばすだけでなく、「健康寿命」を伸ばすことが、人生をよりよく過ごすために重要になります。

健康寿命延伸のための10項目

健康寿命を伸ばすための具体的な予防行動などが10項目について提言されています。

いずれも国内外の様々な疫学研究やエビデンスに基づいたものになっております。
疾患横断的に健康を左右する「生活習慣」「生理学的要因」「社会的・物理的環境」について以下の10項目について提言されています。
いずれも、みなさんが日常生活の中で取り組める内容であり、健康に過ごすために是非とも実践して欲しいです。
今回は「喫煙」について説明していきたいと思います。

健康のための具体的行動1:たばこを吸っている人は禁煙しましょう。

喫煙者の影響

喫煙によって、「がん」「呼吸器疾患」「循環器疾患」「高血圧」「糖尿病」「うつ病」「認知機能低下」や認知症のリスクが増加します。

喫煙している人はご存じだと思いますが、たばこの包装には「喫煙によって健康を害するおそれがあります」と記載されており、様々な健康への影響が知られています。
たとえば、喫煙によって、肺や気管支に慢性的に炎症がおこるようになります。「肺がん」や「COPD」(慢性閉塞性肺疾患)などの「呼吸器疾患」につながります。

また、煙草にふくまれている有害物質によって血管に対してダメージが加わります。すると、「血管がせまくなる」「血管がやぶれやすくなる」「血管の壁が弱くなりコブができる」など起こりやすくなります。
たとえば、心臓に栄養している血管が狭くなったり詰まってしまった場合「狭心症」や「心筋梗塞」などの「循環器疾患」につながります。また、脳の血管が詰まった場合「脳梗塞」、脳の血管がやぶれて出血した場合「脳出血」など起こります。

さらに、喫煙によって「高血圧」や「糖尿病」のリスクが上昇し、「うつ病」や「認知機能低下」、「認知症」のリスクが増加します。

妊婦の喫煙の影響

妊婦の喫煙によって、「妊娠高血圧症候群」や「妊娠糖尿病」などの妊娠合併症、「早産」や「胎児発育不全」のリスクが増加します。

妊娠中の喫煙によって、喫煙者である「妊婦」だけでなく、胎盤を通じて「お腹の中の赤ちゃん」や「妊娠経過」にも影響を及ぼします。

たばこに含まれている成分によって、血液の流れが悪くなり「流産」や「早産」のリスクが上がります。また、血液の流れが悪くなることから、赤ちゃんに血液が十分にいき渡らず、赤ちゃんが小さくなる「胎児発育不全」、最悪の場合は「胎児死亡」につながることもあります。また、「妊娠高血圧症候群」や「妊娠糖尿病」などの妊娠合併症のリスクが増加します。

一方、妊娠して早めに禁煙することによって、「早産」や「低出生体重」「胎児発育不全」のリスクが軽減します。妊娠が判明したら、お腹の中の赤ちゃんのためにも、禁煙するようにしましょう。

健康のための具体的行動2:他人のたばこの煙は避けましょう。

受動喫煙とは

受動喫煙とは、他人が吸っているたばこの煙(副流煙)を吸ってしまうことを言います。「間接喫煙」や「二次喫煙」などとも言われます。
タバコのけむりには、喫煙者が直接吸い込む煙「主流煙」と、たばこの火のついた先から出てくる煙「副流煙」があります。
「副流煙」にも「主流煙」と同じように、からだに有害な物質が含まれており、受動喫煙によって健康への影響を及ぼします。

受動喫煙の影響

受動喫煙によって、「がん」「呼吸器疾患」「循環器疾患」「高血圧」「糖尿病」のリスクが増加します。

喫煙による影響は吸っている本人(喫煙者)だけでなく、受動喫煙によってまわりの人にも影響を与えます。

受動喫煙によって、「肺がん」や「気管支喘息」「慢性気管支炎」などの呼吸器疾患のほか、「高血圧」「糖尿病」などのリスクが増加します。
望まない受動喫煙を防止するために、「禁煙」や「分煙」を徹底しているお店を選ぶようにしましょう。

妊婦の受動喫煙の影響

妊婦の受動喫煙によって、「妊娠中・産後のうつ」「早産」「こどもの発達遅延」のリスクが増加する可能性があります。

妊娠中の受動喫煙によって、受動喫煙である「妊婦」だけでなく、胎盤を通じて「お腹の中の赤ちゃん」や「妊娠経過」にも影響を及ぼします。

とくに受動喫煙によって「妊娠中のうつ」や「産後のうつ」のリスクが上がる可能性が指摘されています。また、副流煙に含まれる有害成分によって、血液の流れが悪くなり「流産」や「早産」のリスクが上がる可能性があります。さらに、産まれてくるこどもの「発達遅延」の可能性もあります。

妊娠中は、とくに他人のたばこの煙は避けましょう。同居している「パートナー」や「家族」の方が喫煙している場合は禁煙してもらうか、分煙を徹底してもらうようにしましょう。

子どもの受動喫煙の影響

子どもの受動喫煙によって、「乳幼児突然死症候群」や「呼吸器疾患」のリスクが増加します。

とくに、赤ちゃんが産まれて間もないときに受動喫煙を受けると「乳児突然死症候群」のリスクが上がります。また、「喘息」などの呼吸器疾患のリスクが増加します。さらに、赤ちゃんが将来大きくなって成人した場合、「高血圧」「糖尿病」「脂質代謝異常症」などの生活習慣病のリスクが上がる可能性があります。

子どもの健康のことを考えて、喫煙している場合には是非とも禁煙するようにしましょう。どうしても禁煙できない場合には分煙を徹底するようにしましょう。

健康のための具体的行動3:加熱式たばこも吸わない、煙も避けましょう。

加熱式たばことは

加熱式たばことは、燃やして火をつけるのでなく、加熱して蒸気を発生させて使用するタバコのことです。
燃やして火をつけないため、副流煙は発生しないとされており、まわりの人への受動喫煙を防ぐことが出来ると言われています。

加熱式たばこの健康への影響

加熱式たばこの健康への影響が不確かであり、加熱式たばこも吸わないようにしましょう。

加熱式たばこは、健康への影響が少ないという主張が「たばこ産業」が出資した研究に基づいてされています。しかし、「たばこ産業」とは独立した信頼できる研究は存在せず、加熱式たばこの健康への影響は不確かな状況です。
WHOは、たばこの葉を含む全てのたばこ製品は有害であるとの原則から、健康への影響が不確かな現在の状況においては、加熱式たばこも規制の対象にすべきとの見解を示しています。

まとめ

(健康のための具体的行動)
1.健康のために、たばこを吸っている人は禁煙しましょう。
2.他人のたばこの煙は避けましょう。
3.加熱式たばこも吸わない、煙も避けるようにしましょう。

みなさんにとって「健康」というものがとても大切です。

しかし、普段の忙しい日常の中で、「自分のからだ」や「健康」について意識する機会はそう多くはないかと思います。

病気をしたときに、はじめて今まで「健康」で過ごせたことがありがたいを感じるようになる人が多いです。そして、病気をしたときには手遅れになっていることもあります。

「健康」である今、健康について考えておくことが必要なのです。

「健康」であることが、「仕事」「家事」「育児」「介護」「遊び」などすべての活動をおこなう上で前提となります。
「健康」であることが、何よりも大切なのです。

人生100年時代です!

長い人生をよりよく生きるために、「健康」について改めて考えてみてはいかがでしょう。

この記事によって、「喫煙の健康への影響」についての理解が深まり、一人でも多くの人が健康的に日々の生活を送ることを願っています。

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