「ふたご」といわれました【双胎妊娠】

妊娠の異常

結論ですが

ふたごはリスクが増えるため、注意して管理する必要があります。

この記事は「妊娠中の女性」に向けて書いています。
妊娠異常に関するさまざまな疑問・不安・悩みなどが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「双胎妊娠(ふたご)」についてわかります。

あなたのまわりにも、ふたごの兄弟や姉妹を見かけることがあるかと思います。
似たような顔しているふたごもいれば、似ていないふたごもいます。
なぜ、顔が似ているふたごと似ていないふたごがいるのでしょうか?

このような疑問にお答えするとともに、ふたごを妊娠した場合には妊娠中や分娩管理に関して注意するべき点があるので説明していきたいと思います。

今回、「双胎妊娠」について説明していきます。

この記事のまとめ

  • 双胎には「一卵性双胎」と「二卵性双胎」があります。
  • 膜性診断において、「MM」「MD」「DD」の順にリスクが高くなります。
  • 双胎では、とくに「早産」「妊娠高血圧症候群」「双胎間輸血症候群」「双胎一児死亡」「Vanishing twin」などに注意が必要です。
  • お産の方法は、「頭位・頭位」だと「経腟分娩」をトライ、「頭位・頭位」以外だと「帝王切開術」でおこなう場合が多いです。

ふたご以上の妊娠を「多胎妊娠」と呼びます

同時に2人以上の赤ちゃんを妊娠することを「多胎妊娠」と呼びます。
ふたごを「双胎」(そうたい)、3つ子を「品胎」(ひんたい)、4つ子を「要胎」(ようたい)と呼ばれます。
また、多胎妊娠のギネス記録は「15つ子」です。一気に15人子どもが増えるとかすごいですね。
医療者側の視点からしてみると、妊娠や分娩の管理が大変です。
母親側のことを考えると、一気に家族が増えて子育てが大変ですね。

似ている「ふたご」と似てない「ふたご」

通常、「1つの卵子」が排卵されて、「1つの精子」と受精して、「1つの受精卵」が出来ます。この受精卵は細胞を分裂することによって、細胞の数を増やしていきます。
受精卵が「2つに分れた」ときに、それぞれが分かれて、それぞれが1つの個体として発育していき、赤ちゃんが2人になります。これを「1卵性双胎」とよばれます。「1卵性双胎」の場合は、ほぼ同じ遺伝情報となるため、顔を含めほぼ同じような見た目のふたごになります。

また、通常は排卵されるのは「1つ」ですが、たまたま「2つ」の卵子が排卵されることがあります。そして、2つの卵子に精子が受精して、「2つの受精卵」が出来ます。
それぞれが発育していき、赤ちゃんが2人になります。これを「2卵性双胎」とよばれます。「2卵性双胎」の場合は、遺伝情報は違うため、ふたごですがそこまで似ていないです。

ふたごの種類は?

ふたごの場合は、「絨毛膜(胎盤)の数」と、「羊膜(赤ちゃんの部屋)の数」によって膜性分類という分類がされます。
なぜなら、膜性分類によって、妊娠中や分娩のときのリスクが違うからです。
具体的にいうと、「二絨毛膜二羊膜双胎」(DD)、「一絨毛膜二羊膜双胎」(MD)、「一絨毛膜一羊膜双胎」(MM)の3つに分類されます。
「MM」「MD」「DD」の順に周産期リスクが高いため、それに応じた周産期管理をしていくことになります。

不妊治療によって双胎が増えました

不妊治療において「凍結胚移植」という技術があるのですが、受精卵が細胞分裂して出来た「胚」というものを子宮の中に移植します。
妊娠率を上げるため、その胚移植を一度に「2個」以上行われていた時期がありました。そのため、一時期「双胎」が増えた時期がありました。とくに「二卵性双胎」が増えていました。
双胎妊娠は周産期リスクが高いです。不妊治療で多胎となった場合は、医療者側としては「不妊治療の失敗」という認識をします。
最近では、原則1個の胚移植が行われているため、双胎の数は減ってきて元に戻ってきています。

ふたごで注意すべき点

早産

ふたごの場合は、お腹の中に2人赤ちゃんがいるので、単純計算で2倍お腹が大きくなります。お腹が大きくなると、お腹が張りやすくなったり、早めに陣痛が来てしまい、「早産」になりやすいです。
ほとんどの場合は、ある程度の妊娠週数になった場合は「管理入院」や、早産にならないよう「切迫早産」の管理のために入院が必要になります。

妊娠高血圧症候群

ふたごの場合は、赤ちゃんが2人いるため、赤ちゃんに栄養などを与えるため血流が単純計算で2倍必要となります。
母親の血液のながれの負担が高くなり「妊娠高血圧症候群」になりやすいです。
血圧が上がったり、体がむくんだり、蛋白尿が出てくるようになります。重症化すると「けいれん発作」や「赤ちゃんの具合が悪くなること」があるため、慎重な管理が必要です。

双胎間輸血症候群

ふたごのうち、「1絨毛膜性妊娠」の場合は、2人の赤ちゃんは胎盤を共有するため、赤ちゃんの間で血流の行き来する場合があります。
その場合、1人の血流が多くなって、もう1人の血流が少なくなってしまう場合があり、「双胎間輸血症候群」とよばれます。
血流が多い方の赤ちゃんは、おしっこの量が多くなり、羊水量も多くなったり、「心不全」や「胎児水腫」などから具合が悪くなってしまうことがあります。
血流が少ない方の赤ちゃんは、おしっこの量が少なくなり、羊水量が少なくなったり、「腎不全」や「胎児発育不全」などから具合が悪くなってしまうことがあります。

双胎一児死亡

また、ふたごの内、1人が死亡してしまうことがあり「双胎一児死亡」とよばれます。2人の赤ちゃんの間で血流のやり取りがあると、生きている胎児から死んでいる胎児へ血流が流れていってしまうことがあります。
そうすると生きている胎児の方も具合が悪くなって、最悪死亡してしまう場合があります。

Vanishing twin

妊娠の初期に、ふたごのうち、1人が消えて見えなくなってしまうことがあり「Vanishing twin」とよばれます。
妊娠初期の赤ちゃんが小さなときに、1人の赤ちゃんが亡くなってしまった場合、赤ちゃんは小さくなっていき、わからなくなるため「Vanishing twin」となります。
赤ちゃんはどこに消えてしまうのかわからない場合が多いですが、不思議なことに、生きている方の赤ちゃんの中に入っている場合があるなどの報告があります。

お産はどうするか?

ふたごの出産方法は、「経腟分娩」と「帝王切開術」の2択となります。
2人とも「頭位・頭位」の場合は「経腟分娩」を選択される場合があります。しかし、分娩の経過で、1人が産まれたあと、もう一人が「さかご」(骨盤位)に回ってしまうことがあります。また、「懸鈎」(けんこう)といって2人の赤ちゃんが絡み合ってしまい、下から出てこない場合があります。
「さかご」では帝王切開術を選択する医療機関が多いので、一人目が産まれてもう一人が「さかご」になった場合は、途中で「帝王切開術」に変わる場合もあります。
医療機関や本人の希望によっては、はじめから「帝王切開術」で予定を組むところもあります。「頭位・頭位」以外の状態では、基本的に「帝王切開術」の予定でいく場合が多いです。

まとめ

  • 双胎には「一卵性双胎」と「二卵性双胎」があります。
  • 膜性診断において、「MM」「MD」「DD」の順にリスクが高くなります。
  • 双胎では、とくに「早産」「妊娠高血圧症候群」「双胎間輸血症候群」「双胎一児死亡」「Vanishing twin」などに注意が必要です。
  • お産の方法は、「頭位・頭位」だと「経腟分娩」をトライ、「頭位・頭位」以外だと「帝王切開術」でおこなう場合が多いです。

妊娠して「ふたご」だと言われたら「同時に赤ちゃんが2人増えてうれしい」と思うかもしれません。
しかし、双胎妊娠では、通常の妊娠にくらべるとリスクが高まるため、より慎重に妊娠経過をみていく必要があります。担当医の指示はかならず守るようにしましょう。

また、赤ちゃんが産まれた後の子育てもとても大変な状態になります。
ただでさえ子供がひとり増えるだけでも大変なのに、ふたりも一気に増えるのです。とくに初めてのお産の場合には、非常に大変です。パートナーふくめ周りのサポートがかならず必要になってきます。

この記事によって「双胎妊娠」の理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。