超音波検査の算定要件|結局算定していいの?【レセプト業務のポイント】

診療報酬

医療機関で、日々の診療コストの算定、レセプト業務などを行っている人向けの記事です。

結局、今回は超音波検査のコストは算定してもいいですか?
超音波検査の算定はどのくらいの頻度ですか?
算定できる病名にはどのようなものがありますか?

このような疑問にお答えします。

婦人科診療において、超音波検査のコストは比較的高価(胸腹部530点)であるため、その算定条件は厳しく決まっております。

超音波検査のコストが算定できる条件は、非常に複雑になっており、しっかり確認しないとミスしてしまうケースは多々あります。

だからといって、算定が漏れてしまうと医療機関の収益が減ってしまいます。
かといって、間違って算定しまうと、後から返戻業務が待ち構えています。

このようなことが無くなるように「超音波検査の算定要件」について、分かりやすくまとめました。 

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初診時に疑い病名があれば算定できる

超音波検査は「初診時」に疑い病名があるときに算定できます。

婦人科において、子宮や卵巣などに異常がないか確認するため超音波検査が行われます。

たとえば、「子宮筋腫」「子宮腺筋症」「卵巣腫瘍」「子宮内膜ポリープ」など病気が適応です。

腹痛、腹部のハリ、月経痛、月経量が多い、不正出血などで受診した場合、超音波検査で子宮や卵巣に異常がないか確認します。

病変を確認したら「子宮筋腫」など”診断病名”をつけます。
病変を確認できない場合、「子宮筋腫疑い」「卵巣腫瘍疑い」など”疑い病名”をつけます。

そして、”診断病名”や”疑い病名”をつけて保険請求する流れとなります。

つまり、何かしらの病気を疑い、実際には病変がない場合にも、”疑い病名”をつけて超音波検査を算定することは可能です。

あまりにも頻繁に算定した場合は、査定の対象になるため注意!

あまりにも頻繁に算定した場合は、査定の対象になるため注意が必要です。
目安として、3ヵ月以内に超音波検査を行った場合には、基本的に査定の対象となります。

ただし、3ヵ月以上経っても、不必要に超音波検査を行ったとみなされる場合には、査定される場合がありますので注意しましょう。

病状のフォローで算定できる

超音波検査は「病状のフォロー」をする必要がある場合に行われた場合に算定できます。

婦人科では、「子宮筋腫」「子宮腺筋症」「卵巣腫瘍」などの病変が悪化していないか確認するために超音波検査が行われます。

「おおよそ3ヵ月に1回」が算定の目安となります。

実際には、病変が見つかった場合に「3ヵ月後」にフォローすることが多いです。

そのときに大きさが変わらなければ、「6か月から1年後」にフォロー。
悪化している場合には、「1~3ヵ月毎の慎重なフォローアップ」、「精査(MRIなど)」、「手術」などの治療を行う場合もあります。

「子宮内膜症」であれば、治療効果の確認のため「4週間に1回程度」の算定が可能です。
「子宮全摘術後」であれば、「腟断端血腫」の診断で算定が可能です。

妊娠中に病変があれば算定できる

超音波検査は、妊娠中に「切迫流産」「子宮内胎児死亡」「多胎妊娠」「異所性妊娠」などの病変があれば算定することができます。

正常の妊娠で、胎児正常発育している場合には、保険適応されませんので、基本的には「自費診療」となります。
母子手帳を発行された後には、受診券(クーポン)を使用して健診を受ける流れとなります。

ただし、妊娠中でも何かしらの病変があれば算定することができます。

切迫流産(妊娠5週以降)」では、「1週間に1回程度」の算定が可能です。
子宮内胎児死亡(妊娠5週以降)」では、が発生したときに算定が可能です。
多胎妊娠(妊娠5週以降)」では「1-2回程度」の算定が可能です。
異所性妊娠(妊娠5週以降)」では、「1週間に1回程度」「1-2回程度」の算定が可能です。

不妊治療でも排卵誘発の関係で算定できる

超音波検査は、不妊治療中に「排卵障害」「排卵誘発剤の使用時」などで算定できます。

「排卵障害」では、「月1回」の算定が可能です。
「排卵誘発剤の使用時」には、「月3回」までの算定が可能です。

※排卵誘発剤を目的としてhCGを単独に使用した場合には「月2回」までになります。
※前回排卵誘発剤を使用した場合には、その旨を注記して合計1か月に3回までの算定が可能です。

その他の婦人科処置でも算定できる

超音波検査は、「ミレーナ」を使用する場合などに算定できます。

「薬剤放出子宮内システム処置(ミレーナ52mg)」を使用する場合には

ミレーナの位置を確認するために
「装着時」「装着後3ヵ月以内」「1年毎」に算定することが可能です。

※ただし、その旨を記載する必要があります。

まとめ

今回は「超音波検査の算定要件」について説明しました。

日々の診療コストの算定、レセプト業務などお疲れ様です。

婦人科では、とくに超音波検査が頻繫に行われます。
算定できるものは、しっかりと確認して請求することが大切です。

コストを算定できるかどうかの判断は、医療機関の収益に直結するところなので、とても重要です。
算定要件をしっかりと確認し、診療報酬を過不足なく請求するようにしましょう。

この記事によって「超音波検査の算定要件」についての理解が深まり、一人でも多くの人に役立って頂ければ幸いです。

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