ジエノゲストとは【月経症状の改善薬】現役産婦人科医師が解説

くすり

この記事は、ジエノゲストを使用している患者様向けです。

ジエノゲストっていう薬をもらいましたが、どのような薬ですか?

このような疑問にお答えします。

子宮内膜症と言われました
月経の痛みがひどいです!
月経の量が多いです!!

このような子宮内膜症や子宮腺筋症に伴う症状で困ってる方は「ジエノゲスト」という薬で治療する場合があります。

この記事を読むことによって、ジエノゲストの効果や、使い方、副作用、飲み忘れた時の対応などについて知ることができ、ジエノゲストを安全に使用することが出来ます。

「宮の沢スマイルレディースクリニックホームページ」
https://www.miyanosawa-smile-lc.com/

ジエノゲストとは

ジエノゲストとは、黄体ホルモンの働きをする薬剤であり、子宮内膜症や子宮腺筋症にともなう痛みを改善する効果があります。

ジエノゲストは、黄体ホルモンの受容体に作用して効果を発揮します。
黄体ホルモンの受容体に作用すると、卵巣機能が抑制され、子宮内膜の増殖がおさえられます。
子宮内膜が厚くなるのを抑えて、子宮内膜症や子宮腺筋症にともなう月経痛や過多月経を改善する効果を発揮します。

ジエノゲストの適応症

ジエノゲストの適応症は、以下の通りです。

・月経困難症(月経痛や過多月経など)
・子宮内膜症の治療
・子宮腺筋症に伴う疼痛の改善

ジェノゲストの使用方法

ジエノゲストは、月経2-5日目から内服開始し、1日2回内服します。

ジエノゲストには「1mgのタイプ」と「0.5mgのタイプ」があります。
子宮内膜症や子宮腺筋症に対しては、「1mgタイプ」のものを使うことが多く、1日2回(朝1mg+夕1mg)内服します。
なお、月経困難症に対しては、「0.5mgタイプ」のものを使うことが多く、1日2回(朝0.5mg+夕0.5mg)内服するようにします。

基本的には、ジェノゲストは休薬の必要はないため、一度開始したら毎日忘れずに内服するようにしましょう。

ジェノゲストの慎重投与

ジェノゲストを慎重に使用しなくてはならない場合は以下の通りです

・子宮腺筋症または子宮筋腫
・うつ病にかかっている又はかかったことがある患者
・肝障害

ジェノゲストの禁忌

ジェノゲストを使用してはいけない場合は以下の通りです。

・診断のつかない異常性器出血
・妊娠または妊娠している可能性のある女性
・高度の子宮腫大または高度の貧血

・ジェノゲストに過敏症のある患者

ジェノゲストの副作用

ジエノゲストの副作用には、いくつかあります。

・不正出血
・体重増加
・更年期症状(ほてり、多汗、イライラなど)
・吐き気、おう吐
・アレルギー反応
(発疹、掻痒感など)

ジェノゲストの不正出血

ジエノゲストの副作用で「不正出血」が起こるケースは多いです。

とくに、重度な過多月経、子宮腺筋症がある方は、不正出血が起こりやすいです。
不正出血が長く続く場合や、出血の量が多い時には、重度な貧血を起こしている可能性もあるため、担当医を受診して相談するようにしましょう。

また、不正出血が持続する場合、ジエノゲストを一時休薬する方法、GnRHアンタゴニストなど他の薬剤に切り替える方法などがあるので、どう対応するか担当医と相談するといいでしょう。

ジェノゲストの体重増加

ジエノゲストは、黄体ホルモンの一種であるため、ホルモンバランスの変化や水分保持の影響で体重が増加する可能性があります。

黄体ホルモンは月経前にも分泌されて浮腫(むくみ)の原因になります。
むくみや体重増加がひどい場合には、ジエノゲストの薬を継続してもいいのか担当医と相談するようにしましょう。

ジェノゲストの飲み忘れ

ジエノゲストを飲み忘れた場合には、気が付いたときにできるだけ早く、飲み忘れた1回分を飲みましょう。

ただし、次の服用時間が近い場合は、忘れた分は飲まずに、次の服用時間に1回分を内服します。
決して2回分を一度に内服してはいけません。

ジェノゲストの避妊効果

ジエノゲストは、避妊目的で使用する薬剤ではありません。

ジエノゲストには、排卵を抑制する作用や、子宮内膜を薄くする効果があるため、妊娠の可能性は低くはなります。
しかし、避妊目的の薬剤ではないため、避妊を希望している方はコンドームなどの他の避妊方法を併用するようにしましょう。

まとめ

今回は「ジエノゲスト」について説明しました。

とくに、ピルが使いにくい40歳以上の方で月経症状に悩んでいる場合に「ジエノゲスト」が使われることが多いです。

副作用として、「不正出血」が多いです。また、飲み始めのうちは「吐き気」が多いですが、ほとんどが飲んでいくうちに改善していきます。

ジエノゲストを使って心配な症状がある場合には、かならず、担当医と相談するようにしましょう。

くすりを使用する場合には、用法用量を守って正しく使いましょう。

くすりはリスクという言葉があります。
くすりを正しい方法で使用して、安全に使うようにしましょう。

この記事によって「ジエノゲスト」についての理解が深まり、一人でも多くの人に役立って頂ければ幸いです。

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