更年期障害【診療の流れ】

結論ですが

更年期障害は「問診」「検査」「治療」という流れで診療が行われます。

この記事は「更年期障害で受診したい」女性に向けて書いています。
産婦人科受診への疑問・悩み・不安などが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「更年期障害の診療の流れ」についてわかります。

更年期障害で受診をしたいですがどうすればいいですか?

このような疑問にお答えします。

わたし更年期障害なのかも…
これって更年期障害なの!?
そもそも更年期って何ですか??

このような「更年期障害に関する悩み」があるときに、婦人科を受診しようか悩むことがあるかと思います。

婦人科を受診したいけれど、なかなか勇気が出ないです…

婦人科受診のハードルが少しでも下がるように、実際にどのような診療が行われるのか説明します。
では、今回は当クリニックで行う「更年期障害の診療の流れ」を紹介したいと思います。

「宮の沢スマイルレディースクリニックホームページ」
https://www.miyanosawa-smile-lc.com/

この記事のまとめ

1.問診

症状

更年期障害では、女性ホルモンの低下にともない様々な症状を呈します。

たとえば、「hot flush」(のぼせ、ほてり、発汗など)・手足の冷え・動悸などの「自立神経症状」、感情のコントロールがつかない・怒りやすい・抑うつ感・焦燥感などの「精神神経症状」、眠れない・途中で起きてしまうなどの「睡眠障害」、腰痛・関節痛・肩こりなどの「運動器症状」などの症状が起こります。
自分にあてはまる症状を伝えるようにしましょう。

月経

月経に関する情報を確認します。

とくに、月経が規則的かどうか、月経が1年以上来ていない(閉経と診断される)、月経以外の出血があるかどうかなどを確認します。
症状が更年期障害によるものか目安となります。

既往歴

症状の原因となっている病気がないか、ホルモン補充療法を行う場合に気を付けなければならない病気がないか確認します。

とくに、「重度の肝疾患」「乳がん」「子宮体がん」「卵巣がん」「血栓症」「冠動脈疾患」「脳卒中」「胆のう疾患」「糖尿病」「高血圧」「片頭痛」「てんかん」「高トリグリセリド血症」「ポルフィリン症」「SLE」などには注意が必要です。

2.検査

血液検査

血液検査をして「ホルモン値」「甲状腺機能」「肝機能」「腎機能」「脂質」「血糖」などを評価します。

「ホルモン値」によって閉経の診断が可能です。ただし、更年期障害の診断としてはあくまで参考程度しかわからないです。
また、症状の原因として「甲状腺機能の異常」が隠れていないか検査します。
また、「ホルモン補充療法」を使うにあたって「肝機能」「腎機能」が大丈夫か、「脂質異常症」「糖尿病」などないか検査します。

エコー

「エコー検査」では、子宮や卵巣が腫れていないか検査します。

基本的には、腟口からエコーを挿入する「経腟エコー」で検査がおこなわれます。
とくに「子宮筋腫」「子宮腺筋症」「子宮内膜症」「卵巣腫瘍」などないか検査します。

子宮がん検診

「子宮頸がん検診」「子宮体がん検診」を行います。

20歳以上の女性すべてに「子宮頸がん検診」をすすめています。
また、「子宮体がん検診」は、50歳前後から罹患率が上がるのですすめています。また、「子宮体がん」の場合にはホルモン補充療法を使えないです。

血圧

血圧計を使って、血圧を測定します。
血圧が高い場合には「高血圧」の可能性があります。コントロール不良の高血圧ではホルモン補充療法の慎重投与となるため、しっかりと専門医の診察を受けましょう。

身長・体重

「身長」と「体重」を測定し、「BMI」を計算します。
「BMI」25以上を「肥満」と判断されますが、ホルモン補充療法の慎重投与となります。

3.治療

ホルモン補充療法

ホルモン補充療法は、更年期に低下している女性ホルモンを補充する治療です。
とくに、「のぼせ」「ほてり」といった自立神経症状に対して有効です。

漢方

女性の3大漢方と呼ばれている「当帰芍薬散」「加味逍遥散」「桂枝茯苓丸」といった漢方薬が主に使われます。個々人の「証」に応じて使い分けられます。

対症療法

精神症状が強い場合は「向精神薬」、うつ状態には「抗うつ薬」、不眠には「睡眠薬」など各症状に対する薬を使います。

その他

更年期障害の治療として、「サプリメント」や「カウンセリング」などが行われます。
「サプリメント」では、「大豆イソフラボン」やその代謝産物である「エクオール」などが使われます。
また、「カウンセリング」では、症状を引き起こしている心理状態・生活習慣・社会背景などの原因を明らかにして、受容・共感・サポートなど行われます。

4.ヘルスケア

骨の健康

更年期の時期に「エストロゲン」は低下し、「骨」の健康にも影響しています。

エストロゲン低下によって、「骨量」が低下し「骨粗しょう症」につながります。
「レントゲン検査」で骨量を測定したり、「血液検査」で骨マーカーなどを検査して、「骨」の健康状態を把握することが重要です。

血管の健康

更年期の時期に「エストロゲン」は低下し、「血管」の健康にも影響しています。

エストロゲン低下によって、「血管弾力性の低下」や「脂質代謝異常症」など来たします。すると、血管が詰まったり、破れてしまうことにつながります。
「血液検査」でコレステロール値を測定したりして、「血管」の健康状態を把握することが重要です。

まとめ

今回は「更年期障害の診療の流れ」について説明しました。

今まで婦人科を受診したことのない人は、受診したいけれど、不安でいっぱいかと思います。

婦人科を受診すれば、症状が改善する可能性があります。

気軽に婦人科を受診して相談するようにしましょう。

婦人科は困った人の味方です。

この記事によって「更年期障害の診療の流れ」についての理解が深まり、受診に対する不安が解消し、一人でも多くの人に役立って頂ければ幸いです。

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