結論ですが
子宮が下がって出てきている感じがする時には「子宮脱」の可能性があり、婦人科を受診しましょう。
この記事は「症状に困っている」女性に向けて書いています。
この記事を読むことで「子宮脱」についてわかります。
- 子宮が下がってきている感じがする
- たまごみたいなものが出てきている
- なにか股に挟まっている感じがする
こんな症状で悩んでいませんか?
今回説明する「子宮脱」の可能性があります。
とくに年齢があがるとともに起こりやすい病気であり、長生きをする日本ではよく認められる病気です。
今回「子宮が下がって出てきている感じがする時」について説明します。
この記事のまとめ
- 「骨盤底筋」の筋力が低下すると「膀胱」「子宮」「腸」などの骨盤内臓器が下がってきて「骨盤臓器脱」がおこり、そのうち子宮が下がってくることを「子宮脱」といいます。
- 子宮脱は視診や触診によって重症度が評価され、尿路や排尿機能を評価する検査も行われることがあります。
- 子宮脱の治療は「骨盤底筋体操」「ペッサリーリング」「手術」などがあります。
子宮脱って何ですか?
二足歩行の人間は、「膀胱」「子宮」「腸」などの臓器がさがってこないように「骨盤底筋」や「靱帯」などによって骨盤の底の部分が支えられています。
加齢などによって「骨盤底筋」の筋力が低下すると、「膀胱」「子宮」「腸」などの骨盤内臓器が下がってきて「骨盤臓器脱」がおこります。そのうち子宮が下がってくることを「子宮脱」といいます。
どんな症状がおこりますか?
子宮脱で子宮が下がってくると、子宮がこすれて擦過傷ができたり、そこに感染症を起こすことがあります。また下がってきた子宮によって、おしっこの通り道が妨げられておしっこが出てこない「尿閉」という状態になることもあります。
重度になると下がってきた子宮が邪魔で歩行しにくくなったり、性交渉が出来なくなったり、痛みをともなうことがあります。
子宮脱では、「子宮」だけなく「膀胱」や「腸」など一緒に下がってくる「骨盤臓器脱」となっていることが多いです。おしっこが我慢できなくなる「尿失禁」や「頻尿」「尿意切迫感」などのおしっこの症状、便を我慢できなくなる「便失禁」などの排便症状がおこります。
どんな検査をおこないますか?
まずは、視診や触診によって子宮が下がっている状態や重症度を評価します。
また、エコー検査などで子宮の大きさや膀胱の形を確認します。
さらに、排尿症状をともなう場合は、おしっこの通り道を造影剤などを用いて画像検査をしたり、腹圧をかけておしっこが出てこないか排尿機能を検査したりします。
子宮脱の治療
初期治療や子宮脱が軽度の場合は、まずは「骨盤底筋体操」や「ペッサリーリング」による治療がおこなわれます。
「骨盤底筋体操」は自分で簡単にできるものもありますが、はじめは指導を受けながらおこなうのが良いでしょう。一般的に理学療法士など医療従事者が指導しますが、産婦人科を受診すればパンフレットをもらったり指導を受けられる所があります。
子宮が下がってこないように「ペッサリーリング」を挿入します。
なお、リングのサイズが小さいと、すぐにリングが脱落します。リングのサイズが大きいと、こすれによってリングびらんという擦過傷が出来てしまいます。適切なサイズのリングを選んで挿入します。
「骨盤底筋体操」や「ペッサリーリング」の効果がいまいちの場合や子宮脱が重度の場合は、「手術」による治療がおこなわれます。
下がっている子宮を摘出して伸びた腟壁を形成する「子宮摘出および腟壁形成術」や下がっている子宮をメッシュを使って下がってこないようにする「メッシュ法」などがあります。
子宮脱になりやすい人
加齢によって骨盤底筋の機能が低下するので「年齢が上がる」につれて子宮脱になりやすいです。
とくに経腟分娩による分娩時に骨盤底筋にダメージが加わるため、「多くの子供を産んでいる女性」に起こりやすいです。
他にも、畑仕事などによる長時間のしゃがみ姿勢、重たいものを持つこと、日常的に過度な腹圧がかかる体勢によって子宮脱につながりますので注意が必要です。
まとめ
「骨盤底筋」の筋力が低下すると「膀胱」「子宮」「腸」などの骨盤内臓器が下がってきて「骨盤臓器脱」がおこり、そのうち子宮が下がってくることを「子宮脱」といいます。
子宮脱は視診や触診によって重症度が評価され、尿路や排尿機能を評価する検査も行われることがあります。
子宮脱の治療は「骨盤底筋体操」「ペッサリーリング」「手術」などがあります。
日本は世界有数の長寿国です。
ただし、長生きするとともに病気にかかりやすくもなります。
とくに今回紹介した「子宮脱」という病気は高齢になればなるほどかかりやすいです。
この「子宮脱」は命には直結しない病気ですが、日常生活に支障をきたします。
デリケートな部位の問題であり、病院を受診しないで症状を我慢して過ごしている人が多いです。
勇気をだして婦人科を受診すれば、今まで我慢していた症状が解決されるかもしれません。
すこしでも快適に過ごせるひとが一人でも増えてくれることを願っています。
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