クアトロ検査ってなんですか?【出生前検査】

結論ですが

クアトロ検査は、母体の血液を検査して染色体異常などの確率を調べることができます。

この記事は妊娠中の女性に向けて書いています。
妊娠中のさまざまな悩み・疑問・不安などが解決できればとおもっています。
今回は「クアトロ検査」を受けるかどうか悩んでいる人に対しての記事です。

最近話題の出生前検査についてです。

以前はなかった検査ですが、医療の進歩はすごいもので、この出生前検査を受けようと思えば誰でも受けられるような時代になっています。
出生前検査といえば、新型出生前検査である「NIPT」が有名ですが、実はさまざまな種類があります。今回説明する「クアトロ検査」もその中のひとつです。

検査をうける選択肢が増えるということは、いいことのように思えますが、逆に選択肢が増えることで検査をうけるべきかどうするかという悩みも増えることにもなります。

今回は「クアトロ検査」を受けるべきか悩んでいる人に向けて説明していきたいと思います。

この記事のまとめ

  • クアトロ検査は、母体の血液を検査して染色体異常などの確率を調べることができます。
  • クアトロ検査によって、「21トリソミー」「18トリソミー」「開放性神経管奇形」などの確率がわかります。
  • クアトロ検査は「非確定的検査」に分類され、診断を確定させるために「確定的検査」が必要です。
  • クアトロ検査は、妊娠15週から受けることが可能です。

クアトロ検査ってなんですか?

「クアトロ検査」は、出生前検査のひとつであり、母体の血液中の成分を分析して赤ちゃんの染色体異常などの確率を調べる検査です。母体の血液を分析する「母体血清マーカー検査」であり、血液中の「4つ」の血液成分を測定することから「クアトロ」(4を意味する数詞)検査と呼ばれています。


クアトロ検査で何がわかりますか?

「クアトロ検査」によって、常染色体異常である「21トリソミー」(ダウン症候群)・「18トリソミー」(エドワーズ症候群)、「開放性神経管奇形」などの確率がわかります。

21トリソミー(ダウン症候群)

21トリソミー(ダウン症候群)は、21番目の染色体が3本あることによって生じます。
知的障害や運動能力に発達に遅れがみられます。また、他の病気になりやすく、心臓や内臓の病気を合併する可能性が高くなります。

18トリソミー(エドワーズ症候群)

18トリソミー(エドワーズ症候群)は、18番目の染色体が3本あることによって生じます。
多くの場合は心臓の病気など多様な身体的異常と重度の知的障害などがみられます。近年では治療によって10歳ごろ生存している方もいますが、明確な治療法はみつかっておりません。

開放性神経管奇形

開放性神経管奇形は、妊娠初期にお腹の中の赤ちゃんの「神経管」が正常に形成されないために、脳や脊髄などに異常が起こります。「二分脊椎」(脊椎が正常に形成されない)や「無脳症」(頭蓋骨が正常に形成されないため脳が発育しない)などの症状が起こります。

クアトロ検査の結果について

年齢が高くなると確率が上がる

妊婦さんの年齢が高くなるにつれて、「21トリソミー」(ダウン症候群)や「18トリソミー」(エドワーズ症候群)の確率があがります。
クアトロ検査は、「母体の年齢」による因子を加味して、「母体の血液検査の成分」の結果におうじて、妊婦さん一人ひとりの確率が計算されます。
つまり、妊婦さんの年齢が高くなるほど検査結果の確率が高くなる傾向になります。

確定的検査が必要

クアトロ検査は非確定的検査であり、病気になる確率がわかるのみです。
報告された確率によって希望があれば、追加の検査をおこなって診断を確定させる検査をおこないます。
例えば、「21トリソミー」「18トリソミー」であれば、「羊水検査」や「絨毛検査」などがあります。「開放性神経性奇形」であれば、エコー・MRIなどの画像検査、羊水中のAFPを調べる検査などがあります。

確定検査と非確定的検査

クアトロ検査は「非確定的検査」に分類されます。
出生前検査には「非確定的検査」と「確定的検査」に分かれます。

非確定的検査

非確定的検査は、お腹の中の赤ちゃんへの負担がないですが、あくまで染色体異常の可能性が確率でわかるのみです。確定的検査の結果をふまえたうえで確定検査をするかどうかの判断するための検査という位置づけとも言えるでしょう。
非確定的検査には「クアトロ検査」以外にも、「NIPT」「NT検査」があります。

確定的検査

確定的検査は、一定確率で流産などの危険性がありお腹の中の赤ちゃんへ負担がかかる検査ですが、染色体異常の有無などほぼ100%わかることができます。
確定的検査には「羊水検査」「絨毛検査」などがあります。

実際にクアトロ検査を行いたいです

クアトロ検査はいつできますか?

「妊娠15週から妊娠22週まで」の間に施行することができます。
ただし、「クアトロ検査」は結果が出てから、診断を確定するために「羊水検査」などおこなう流れ多いため、実際には妊娠17週までに行われることが多いです。事前に準備をして、余裕をもって検査を受けるようにしましょう。

クアトロ検査はどのように行われますか?

クアトロ検査は母体の血液を検査します。
つまり、検査自体は通常の採血の検査を行われます。

クアトロ検査の費用は?

医療施設にもよりますが、おおよそ「2万円から3万円くらい」です。

結果が出るのにどのくらいかかりますか?

結果が出るのに約10日かかります。
医療機関に結果が伝わって説明するまでに約2週間程度かかります。

まとめ

  • クアトロ検査は、母体の血液を検査して染色体異常などの確率を調べることができます。
  • クアトロ検査によって、「21トリソミー」「18トリソミー」「開放性神経管奇形」などの確率がわかります。
  • クアトロ検査は「非確定的検査」に分類され、診断を確定させるために「確定的検査」が必要です。
  • クアトロ検査は、妊娠15週から受けることが可能です。

「クアトロ検査」ふくめ「出生前検査」をうけたからといってすべての先天性疾患がわかるわけではないということを頭に入れておきましょう。
前提として、産まれてくる赤ちゃんの「3-5%程度」は何かしらの先天性疾患をもっています。
出生前検査でわかるものは、先天性疾患の原因の「染色体異常の一部」のみです。
つまり、検査で問題なかったとしても、検査ではわからない他の先天性疾患の可能性はあります。

出生前検査は命の選別にもつながる検査でもあるので、その検査の重みを十分理解してください。
そして、出生前検査を受ける前に十分な説明・カウンセリングを受け、納得した上で検査を受けてください。

この記事によって「クアトロ検査」の理解が深まり、一人でも多くの人の役に立つことを願っています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です