結論ですが
抗がん剤の副作用には主に「症状としてあらわれるもの」「検査でわかるもの」の2種類あります。
この記事は「抗がん剤治療を受ける」人に向けて書いています。
がん治療に対するさまざまな疑問、不安などが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「抗がん剤の副作用」についてわかります。
がんの治療には「手術」「化学療法」「放射線治療」という3つメインの治療法があります。なお、抗がん剤を使った治療は「化学療法」とよばれます。
がんの治療法をえらぶときに、それぞれの適応・効果・デメリット・治療に耐えられる全身状態かどうかなど考えます。
実際に抗がん剤による治療を選ぶとなった場合に、どんな副作用があるのか気になるかと思います。
今回「抗がん剤の副作用」について説明していきたいと思います。
この記事のまとめ
- 抗がん剤の副作用には主に「症状としてあらわれるもの」「検査でわかるもの」の2つあります。
- 症状としてあらわれるものとして「吐き気」「しびれ」「口内炎」「疲労感」「アレルギー反応」「血管痛」「皮膚障害」などの副作用があります。
- 検査でわかるものとして「骨髄抑制」「肝機能障害」「腎機能障害」「高血圧」「蛋白尿」「心毒性」などの副作用があります。
抗がん剤の副作用
抗がん剤には、がん細胞をやっつける作用があり、それを期待して治療がおこなわれます。
がん細胞に効果を発揮しますが、同時に自分の正常な細胞にも影響をあたえてしまいます。そのため、抗がん剤による治療にともなって副作用もおこります。
抗がん剤の副作用には主に「症状としてあらわれるもの」「検査でわかるもの」の2種類あるのでそれぞれ説明していきます。
症状としてあらわれるもの
吐き気
抗がん剤の副作用で「吐き気」が起こることが多いです。
抗がん剤によって、消化器の粘膜がダメージをうけたり、脳の一部が刺激されるため吐き気がおこります。薬剤によってはアルコールが含まれていて、お酒に酔ったような感じが起こって吐いてしまうこともあります。
しびれ
抗がん剤によって、神経細胞もダメージをうけることがあります。すると、手足の先の「しびれ」や、「感覚が鈍い」などの症状が起こります。
口内炎
抗がん剤によって、口の中の粘膜がダメージをうけることによって口内炎が起こります。
口内炎に加えて、神経障害も合わさって食事の味が変わる「味覚障害」などが起こると、食事をするのがしんどい状態となってしまいます。
疲労感
抗がん剤による治療は、がん細胞だけでなく正常な細胞にも影響をあたえます。からだに負担がかかる治療であるため、「疲労感」「全身倦怠感」などの症状もおこります。
アレルギー反応
くすり一般的に言えることですが、くすりなど体に入るとそれを除去しようとする「アレルギー反応」が起こることがあります。
これは、からだの中に入ってきたものを「異物」として認識すると、それを排除しようとする免疫反応が働くことによって起こります。
過剰な免疫反応を示すと、「皮膚の赤み」「かゆみ」「くしゃみ」などの症状がおこります。症状がひどくなると「呼吸苦」「意識障害」「血圧低下」などアナフィラキシーショックと呼ばれる状態になることもあり、命を落とすこともあります。
その他
抗がん剤が血管内に入るときに痛む「血管痛」や、血管から抗がん剤が漏れてしまうと「皮膚障害」などの副作用が起こることがあります。
検査でわかるもの
骨髄抑制
血液中に「赤血球」や「白血球」「血小板」という成分があり「血球」とよばれています。この血球は骨髄という場所でつくられています。
抗がん剤治療によって「骨髄抑制」がおこり「赤血球」や「白血球」「血小板」などの血球が低下することがあります。すると、「貧血」となったり「感染しやすい」「出血しやすい」状態になってしまいます。
血液検査で、骨髄抑制の副作用が大丈夫か確認します。
肝機能障害・腎機能障害
くすり一般的に言えることですが、くすりなど体に入るとそれが代謝されて排泄されます。
おもに肝臓で解毒されて排泄されるくすりと、腎臓でおしっことして排泄されるくすりがあります。そのときに、肝臓に障害を受けたり、腎臓に障害を受ける場合があります。
血液検査で、肝機能障害や腎機能障害が大丈夫か確認します。
その他
抗がん剤の種類によっては、「高血圧」や「蛋白尿」などの副作用や、心臓の筋肉の障害をあたえる「心毒性」など起こることがあります。
血圧を測定したり、尿検査を行ったり、心臓のエコー検査などおこなって、副作用が大丈夫か確認します。
まとめ
抗がん剤の副作用には主に「症状としてあらわれるもの」「検査でわかるもの」の2つあります。
症状としてあらわれるものとして「吐き気」「しびれ」「口内炎」「疲労感」「アレルギー反応」「血管痛」「皮膚障害」などの副作用があります。
検査でわかるものとして「骨髄抑制」「肝機能障害」「腎機能障害」「高血圧」「蛋白尿」「心毒性」などの副作用があります。
抗がん剤による副作用がどう出るかは個人差がとてもあるため、実際に抗がん剤を使ってみないとわからない部分もあります。
副作用の重症具合や重大さによっては、抗がん剤の量を減らしたり、抗がん剤の種類を変えたりして対応します。場合によっては抗がん剤治療自体を中止することもあります。
担当医と相談して、うまく副作用をコントロールして、治療をすすめていくことが大切です。
この記事によって「抗がん剤の副作用」の理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。
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