機能性月経困難症とは?

結論ですが

機能性月経困難症とは、明らかな病変をみとめない「月経困難症」のことです。

この記事は「月経困難症」について知りたい女性に向けて書いています。
女性特有の疑問・悩み・不安などが解決できればと思っています
この記事を読むことで「機能性月経困難症」についてわかります。

毎回、月経が来るたびに症状で悩まされていませんか?

月経痛がひどすぎる…
吐いてしまいます!
イライラして人に当たってしまう!!

などの症状で困っている女性は多いです。

症状がひどすぎて、仕事に集中出来なかったり、
洗濯やそうじなどの家事をするのも大変だったり…
何も出来ずに1日が終わってしまうなんてことも…

このように、月経にともなう症状によって日常生活に支障が出てくる場合、「月経困難症」かもしれません。

そして、「月経困難症」には明らかな病変をみとめない「機能性月経困難症」があります。

では「機能性月経困難症」とは何だろう?

ということで、今回は「機能性月経困難症」について説明します。

この記事のまとめ

機能性月経困難症とは

機能性月経困難症は、明らかな病変をみとめない「月経困難症」のことです。

月経困難症とは、月経にともなう症状によって日常生活に支障をきたし、治療対象になるものをいいます。

とくに、ひどい「月経痛」で悩まされる人が多いです。痛みがひどすぎて、仕事が出来なくて困ってしまう場合も…。
月経困難症は、何らかの原因となる病気があることで起こる「器質性月経困難症」と、
原因となる明らかな病気をみとめない「機能性月経困難症」があります。

今回は「機能性月経困難症」についてみていきましょう。

機能性月経困難症の原因

子宮の過度な収縮

機能性月経困難症の原因として、「月経時の子宮の過度な収縮」が考えられています。

月経の時には、子宮内膜から「プロスタグランジン」という物質が分泌されます。この「プロスタグランジン」によって子宮が収縮して、月経血が外に出されます。
プロスタグランジンが多量に分泌されると、子宮が過度に収縮し、子宮の炎症が引き起こされ、ひどい月経痛が引き起こります。

子宮頸管狭窄

機能性月経困難症の原因として、「子宮頸管狭窄」が考えられています。

月経は、厚くなった子宮の内膜が剥がれおちて起こります。子宮の入口が狭くなる「子宮頚管狭窄」があると、月経血を子宮の外にうまく出せずに、月経の時に過度に痛みが生じます。

月経への不安

機能性月経困難症の原因として、「月経への不安」が考えられています。

月経に対する不安やネガティブな感情から月経痛を強く感じてしまうことがあります。
月経痛も含めて「痛みの感じ方」には個人差があります。同じ痛みの程度でも、すごく痛く感じてしまう人もいれば、まったく平気な人もいます。毎月くる月経への不安やネガティブな感情から、月経の痛みを増強させて感じてしまう人もいるのです。

機能性月経困難症の検査

問診

機能性月経困難症は、月経にともなう症状を問診で確認して診断します。

月経痛、腹痛、腰痛、お腹のハリ、頭痛、吐き気、食欲不振、下痢、抑うつ、疲労感、イライラなどの症状を確認するとともに、その症状の出現時期、生活にどの程度支障を来しているのかなどを確認します。

画像検査

月経困難症の原因となる病変があるか画像検査で確認します。

「エコー検査」や、場合によっては「CT」「MRI」など画像検査が行われます。
明らかな病変がないことが確認されると機能性月経困難症ということになります。

血液検査

月経困難症の原因として、感染による炎症反応などがないか血液検査で評価します。
とくに「白血球」(WBC)や「CRP」などの炎症反応をみて評価します。

感染症検査

月経困難症の原因として、「クラミジア」「淋菌」などの感染症がないか評価します。子宮の入り口から粘液を採取して、そこに病変がないか確認します。ただし、結果が出るまでに時間がかかるので後日結果が判明する場合が多いです。

機能性月経困難症の治療

鎮痛剤

月経痛に対して「NSAIDs」という種類の「痛み止め」が使われることが多いです。

これは、月経痛の原因である「炎症」をおさえることで痛みをおさえます。

ドラッグストアなどで売られている市販の月経痛の薬の中にも、この「NSAIDs」というタイプのくすりが多いです。

低用量ピル

月経痛に対して、「エストロゲン」と「プロゲステロン」というホルモンの成分を含む低用量ピルが使われます。

もともと「低用量ピル」は、妊娠をしないためにのむくすり「経口避妊薬」(OC)として使われていました。実は「低用量ピル」を使っていると、月経痛が改善したり、月経の量が少なくなるなどの効果があることもわかってきました。それを利用して、「低用量ピル」は月経痛に対して使われることがあります。

漢方

月経痛に対して、「女性の3大漢方」や「芍薬甘草湯」(しゃくやくかんぞうとう)などが使われます。

女性の3大漢方は「当帰芍薬散」(とうきしゃくやくさん)「加味逍遙散」(かみしょうようさん)「桂枝茯苓丸」(けいしぶくりょうがん)の3つです。「証」をみてこれらを使い分けるとともに、実際に効果があるかどうかによって調整していきます。

また、「芍薬甘草湯」は、子宮のけいれんを抑える効果があり、月経痛を改善する効果があります。

子宮内避妊具

子宮の中に挿入する「子宮内避妊具」があります。「避妊用リング」とよばれることもあります。その中で、ノボノルゲストレルとよばれる黄体ホルモンを放出するタイプのものがあり、月経痛をやわらげる効果や、月経の量を少なくする効果などがあります。

鎮痙薬

「ブチルスコポラミン」という「鎮痙薬」があります。

「ブチルスコポラミン」によって「子宮のけいれん」がおさえられ、月経痛を改善する効果があります。腸がうごきすぎて痛む「腸のぜん動痛」に対しても使われます。

まとめ

今回は「機能性月経困難症」について説明しました。

月経による症状で悩んでいる女性は多いかと思います。
そして、症状をガマンして生活している人もいるかと思います。

月経による症状で困っている場合、無理せずに産婦人科を受診しましょう。

実は月経による症状をやわらげて、日常生活をより良く過ごせるように出来るかもしれません。また、月経痛の原因として、思わぬ病気が隠されている可能性もあります。

産婦人科は困っている人の味方です。
勇気をもって産婦人科を受診して相談しましょう。

この記事によって「機能性月経困難症」についての理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。

「宮の沢スマイルレディースクリニックホームページ」
https://www.miyanosawa-smile-lc.com/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です