予防接種 HPVワクチン【診療の流れ】

結論ですが

HPVワクチンの接種は「説明」「問診」「診察」「注射」「経過観察」という流れで診療が行われます。

この記事は「HPVワクチン」を受けたいヒトに向けて書いています。
自身の健康への疑問・悩み・不安などが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「HPVワクチンの診療の流れ」についてわかります。

子宮頸がんを予防するためにワクチン接種をしたいです!

このような希望にお答えします。

HPVワクチンは子宮頸がんの予防接種です。
現在「積極的な接種の推奨」はされていませんが、じつは「定期予防接種」ではあります。
「小学校6年生から高校1年生」が対象となっており、札幌市では無料で接種することができます。

おそらく保護者の方が、自分の子どもに予防接種を受けさせるのがいいのか?
頭を悩まされることになるでしょう。

  • HPVワクチンによる慢性疼痛の副反応は、そもそも頻度が低く、明らかな因果関係がわかっていないこと。
  • HPVワクチン接種によって、「前がん病変」だけでなく「子宮頸がん」そのものを予防する効果があることが報告されてきていること。
  • 他の先進国ではHPVワクチンを積極的に接種していること。
  • 反対にHPVワクチンを受けないことのデメリットが大きいこと。

これらより、当クリニックでは「HPVワクチン」を是非とも受けて頂きたいと考えております。

では実際に「HPVワクチン」の接種をおこなうのか?
今回、当クリニックで行う「HPVワクチンの診療の流れ」を紹介したいと思います。

「宮の沢スマイルレディースクリニックホームページ」
https://www.miyanosawa-smile-lc.com/

この記事のまとめ

1.説明

効果

「HPVワクチン」によって、「子宮頸がん」を予防することができます。

子宮頸がんのほとんどは、「HPV」(ヒトパピローマウイルス)というウイルスが原因です。HPVワクチンによって「子宮頸がん」を予防することが可能です。
また、HPV感染が関係する「外陰がん」「咽頭がん」「肛門がん」などの予防効果もあります。
さらに、「4価ワクチン」では「HPV6・11・16・18型」をカバーしており、「子宮頸がん」だけでなく、性感染症の「尖圭コンジローマ」を予防することが可能です。

注意点

平成25年6月に厚生労働省からHPVワクチンの積極的な接種推奨の差し控えの通知がありました。
これは、HPVワクチンとの因果関係を否定できない持続的な痛みが認められたという報告があり、国民に適切な情報提供が出来るまでの間、積極的に接種を推奨すべきでないと判断されています。

費用

HPVワクチンは、原則「3回」の接種が必要です。
それぞれの接種に関する料金は別表をご確認ください。
また、「小学校6年生から高校1年生」の年齢に相当する女子は、公費助成の対象となっております。札幌市では、「無料」でワクチン接種を受けることができます。

2.問診表

体温測定

HPVワクチンを接種する前に、体温を測定します。
体温を測定したら、問診表に記載しましょう。

現在の状態

HPVワクチンを接種する前に体調が大丈夫か確認します。
「何か症状がないか」「1ヶ月以内に病気にかかったか」「1ヶ月以内に予防接種を受けたか」「今までに大きな病気にかかったか」など問診表に沿って記載しましょう。

副反応リスク

HPVワクチンを接種にともなう副反応のリスクがあるか確認します。
「くすり・食べ物などのアレルギー情報」「免疫状態の情報」「近親者の情報」など問診表に沿って記載しましょう。

3.診察

情報の確認

問診表に沿って情報を確認します。
とくに、「今の体調が大丈夫か」「最近病気にかかっていないか」「副反応のリスクがどの程度か」などを評価して、「HPVワクチン」の接種が安全にできるか判断します。

体調の確認

今の体調が大丈夫か確認します。
とくに「体温」「自覚症状」「その他気になる症状」などを確認して、「HPVワクチン」の接種が安全にできるか判断します。また、「HPVワクチン」による副反応が出た場合に、接種前は大丈夫であったことを把握しておきます。

診察

気になる症状があれば適宜診察をします。

4.注射

注射法

HPVワクチンは「筋肉注射」が行われます。
「腕」(上腕の三角筋)や「太もも」(大腿四頭筋)の筋肉に注射します。

注射後

注射した後は、強くもまずに軽く押さえる程度にしておきましょう。
注射した部分の絆創膏は、帰宅した後に剥がしてください。

5.経過観察

院内経過観察

ワクチン接種後には「30分間」の経過観察が必要ですが、院内には「10分間」いて頂ければ結構です。アナフィラキシーショックなど大きな副反応のほとんどは、すぐに起こります。体調が悪くなったら、すぐに近くのスタッフにお声かけください。
また、残り「20分間」は院外で経過観察して、何か体調が悪くなったら、すぐにクリニックに戻ってきてください。
ただし、「副反応が心配な人」は院内に30分間いて頂いても結構ですし、「副反応のリスクが高い人」は院内で30分間経過観察させて頂きます。

副反応

HPVワクチン接種にともなう副反応が起こる場合があります。

注射部位の「痛み」「赤み」「腫れ」、「発熱」「不快感」などの副反応の頻度は多いです。多くは、1週間程度で自然に改善するので経過観察します。
ただし、1週間経ってもこれらの症状が改善しない場合(とくに痛みが持続する場合)や、知覚障害・マヒ・出血傾向などの症状がある場合には、すぐに医師に申し出てください。

HPVワクチンを適正に接種したにもかかわらず、健康被害が発生した場合には治療費が受けられる場合があります。詳しくは「PMDA」(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)のHPなどをご覧ください。

まとめ

今回は「HPVワクチンの診療の流れ」について説明しました。

メディアでの報道などの影響で「HPVワクチン」はコワイものと思っている人が多いかと思います。
もちろん、慢性的な痛みで苦しんでいる人はいます。
しかし、HPVワクチンを接種していない人でも慢性的な痛みが起こっているケースがあり、因果関係が不明なことが多いです。

さらに、HPVワクチンは、他の先進国では積極的に接種しており、接種率が低いのは日本くらいです。低い接種率を受けてWHOから勧告が出されているくらいです。

もちろん医療行為というものは「メリット」もあれば「デメリット」もあります。
正しい情報を知った上で、ご自身の健康管理をどうするか判断することが重要です。

一緒にヘルスリテラシーを高めていきましょう。

この記事によって「HPVワクチンの診療の流れ」についての理解が深まり、受診に対する不安が解消し、一人でも多くの人に役立って頂ければ幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です