医療問題について思うこと【6つ】社会問題

結論ですが

医療問題に思うこととして「高齢者の社交場」「延命治療の問題」「過剰検査による問題」などがあります。

この記事は「医療に関する問題」について書いています。
医療・介護・健康に関するさまざまな疑問・不安・悩みなどが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「医療問題」についてわかります。

医療問題について、どのようなものがありますか?

このような疑問にお答えします。

近年の日本では、少子高齢化という大きな問題があります。

税金を納める、労働人口が減って、医療や介護にお金がかかる高齢者の人口が増えています。
日本の社会保障制度は破綻するのではないかという懸念もあります。

自分は、レディースクリニックの院長として働いていますが、日々実際に診療をおこなっている中で、医療費に関する問題を実感しています。
医師が現場レベルで働いていて、様々な医療制度の矛盾や、医療費のムダなどを感じます。

では、医療問題について、どのようなものがありますか?

ということで、今回は「医療問題」について、自分が現場レベルで実感することを説明していきます。

「宮の沢スマイルレディースクリニックホームページ」
https://www.miyanosawa-smile-lc.com/ 

この記事のまとめ

4.高齢者の社交場

医療問題として「高齢者の社交場」があります。

とくに、慢性疾患によって何回も通院する高齢者が多いです。
いつもの薬をもらいに、定期通院するのです。
年齢を重ねると、どうしても、生活習慣病などの病気にかかりやすくなります。

また、体の痛みを改善するために、整形外科などでリハビリ通院することもあるでしょう。

そのような、再診患者で待合スペースは、にぎわっています。
とくに高齢者が多いため、顔見知りの患者がでてきて、病院の待合が社交場と化しているケースは多いです。

顔見知りが来ていないと、むしろ体調が悪いのではないかと心配されるくらいです。
元気だから、病院に行くというようなことが起こっています。

慢性疾患では、重大な急性疾患を防ぐために、その管理や治療は必要です。
整形外科疾患のリハビリなどによって、体の機能を改善させるために必要となります。

パッと見ると、健康そうに見える高齢者が、病院の待合スペースで、顔見知りと話している姿には違和感があります。
体調が悪くて受診している人からみると、「高齢者の社交場」となっている待合スペースには、疑問を感じることでしょう。

医療問題として「高齢者の社交場」があります。

5.延命治療の問題

医療問題として「延命治療の問題」があります。

延命治療とは、加齢による衰弱や病気などによって、生命活動を維持するのが難しくなった方に対して、その根本的な改善ではなく、延命を目的に治療が行われることです。

気管挿管によって、呼吸をサポートすること
胃ろうを増設して、栄養や薬剤などを投与すること
強心薬を使って、循環動態をサポートすること

などが当てはまります。

回復の見込みがない病気になった場合、加齢によって衰弱する場合、どこまで延命治療をおこなうか、そもそも延命治療は一切しないのか判断が迫られる場面があります。

患者本人の意思が確認できればいいのですが、そのようなケースでは自分で意思を表明することは難しい状態がほとんどです。
とくに加齢にともなうものであれば、認知機能が低下していて、延命治療に関して意思を示すことは難しいです。
元気なうちに考えておくことが望ましいですが、残念ながらほとんどの人は行っていないのが現実です。

ほとんどの場合、付き添いの家族に確認するケースになります。
しかし、延命治療を拒否することは患者の死を意味するものであり、その判断は難しいです。
とくに、気管挿管は一度挿入してしまうと、それをはずすことは殺人と同じようになってしまうため、延命治療を受けるかどうかは慎重な判断が必要です。

気管挿管や胃ろうなどによって、意識はないけれど、長く生きるケースもあります。
基本的には、回復が困難な状況であるので、病気などによる苦痛を長引かせるだけの延命治療になってしまうことも多々あります。
残念ながら、問題を先延ばしにするだけの延命治療となる場合もあるのです。

延命治療にも、医療費がかかります。
また、家族の負担も増えることになります。

回復の見込みがない状態に対して、本当に必要な延命治療なのか考える必要があります。
考えるプロセスが大事だというけれど、命に対する決断はやり直しがきかないですし、その決断が迫られる場面が来ます。とても難しい問題だと感じます。

医療問題として「延命治療の問題」があります。

6.過剰検査による問題

医療問題として「過剰検査による問題」があります。

検査をすると、病気などの異常がみつかる可能性があります。
反対に、検査をしないと、病気などの異常をみつけることが出来ません。

つまり、病気が見つかるのは、検査をするときに起こります。
過剰に検査をすることによって、病気の数は増えることになります。

明らかな異常によって、病気を確定診断されることもあれば、結果の判定が境界域であり病気かどうか判断が難しいケースもあります。
そのような場合には、経過観察やフォローアップすることが多く、時期を空けて再度検査をして本当に病気なのかどうか判断することになります。

基本的には、たくさん検査をして、たくさん病気が増えると、医療機関の収入は増えます。
また、患者側も病気を見逃したくないため、しっかりと検査してもらうことを望みます。

お互いにとってWinWinの関係になるため、過剰検査になりがちです。

さらに、その検査や、フォローアップの再検査、病気が見つかった時の医療費は、保険診療の範囲であれば、7割は国民が負担する医療費によって賄われることになります。

もちろん、見逃してはいけない病気はありますが、事前の医療情報を確認して、検査も当たりを付けて行うことが必要です。
なんでもかんでも、考えうる検査をたくさん行うことは医療費のムダにつながります。

医療問題として「過剰検査による問題」があります。

まとめ

今回は「医療問題」について説明しました。

この記事によって「医療問題」の理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。

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