医療費問題について思うこと【3つ】社会問題

結論ですが

医療費問題に思うこととして「年齢とともに医療費はかかる」「病気がみつかれば儲かる構造」「生活保護に手厚い医療」などがあります。

この記事は「医療に関する問題」について書いています。
医療・介護・健康に関するさまざまな疑問・不安・悩みなどが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「医療費問題」についてわかります。

医療費問題について、どのようなものがありますか?

このような疑問にお答えします。

近年の日本では、少子高齢化という大きな問題があります。

税金を納める、労働人口が減って、医療や介護にお金がかかる高齢者の人口が増えています。
日本の社会保障制度は破綻するのではないかという懸念もあります。

自分は、レディースクリニックの院長として働いていますが、日々実際に診療をおこなっている中で、医療費に関する問題を実感しています。
医師が現場レベルで働いていて、様々な医療制度の矛盾や、医療費のムダなどを感じます。

では、医療費問題について、どのようなものがありますか?

ということで、今回は「医療費問題」について、自分が現場レベルで実感することを説明していきます。

「宮の沢スマイルレディースクリニックホームページ」
https://www.miyanosawa-smile-lc.com/ 

この記事のまとめ

1.年齢とともに医療費はかかる

医療費問題として「年齢とともに医療費はかかること」があります。

近年の日本では、年齢を重ねるとともに、病気をしやすくなります。

これは、当たり前だと思う人が多いかもしれませんが、過去にさかのぼると、乳幼児における死亡数は多く、とくに感染症のため、幼いうちに亡くなるケースが多い時代がありました。

近年の医療水準の向上や、公衆衛生の発達、とくに予防接種の開発・普及などによって、ヒトの脅威になるような感染症を抑えることができているため、乳幼児のうちに亡くなることはほとんどなくなりました。

以前では、多産多死が当たり前だった時代もありましたが、今ではヒト一人が亡くなるというのは大変重たいものとなっております。
表現するのは難しいですが、過去に比べると、命の価値はだいぶ重たいものになっています。
とくに乳幼児の小さいうちに死亡するなんてことは、あってはならないものだという時代になっています。

近年の日本では、寿命が延びたため、病気になる種類が変化しています。
生活習慣病や悪性疾患(がん)などの病気の割合が増えています。
これらの病気は、年齢とともにかかりやすくなり、医療費もかかるようになります。
つまり、年齢を重ねるとともに、医療費はかかるようになるのです。

また、病気や加齢にともなって介護が必要になるケースも増えるため、医療だけでなく介護にもコストがかかります。

最近の高齢化の影響のため、医療費がかかるような年齢層が増えてきており、医療費は莫大に増え続けているのです。

医療費問題として「年齢とともに医療費はかかること」があります。

2.病気が見つかれば儲かる構造

医療費問題として「病気が見つかれば儲かる構造」があります。

医療機関側の問題として、病気が見つかれば儲かる構造になっています。
病気をみつけるために、さまざまな検査が行われます。
検査が増えるほど、診療報酬という医療機関側に支払われる報酬は増えます。
さらに、検査で病気がみつかったら、その治療をすればするほど、報酬は増えます。

病気を見つけるために、検査をすればするほど儲かる構造になっています。
ときには、必要のない検査もおこなっているケースも多いです。
また、医療的な必要性は残念ながらないが、患者側からの要望だけで検査を行う場合もあります。
医療者・患者が双方に心配だから、念のため検査をやっておこうという流れがあるのです。

医療者側としても、万が一、病気を見逃してしまった場合、訴訟などにさらされるケースもあるため、検査をしておいた方が安心となるのです。
本来は健康診断などで自費診療でおこなうべき検査も、保険適応でおこなうなんてことも多々発生しています。
保険適応にしないと、患者側からクレームが入ることもありますし、そもそも保険診療と一緒に自費診療を行うことができない「混合診療」は禁止なっているためです。

保険診療を使うと、医療費は3割負担(1~2割の世帯もあり)で受けることができるため、残りの7割は国民全体の医療費からの負担になります。
声が大きい患者が医療費で得をするような構造になっているのです。
さらに、保険診療のルールを無視して、検査をたくさんした医療機関の報酬が増えるような構造にもなっています。
毎月、レセプトチェックという審査が行われますが、さすがに余計な検査などやり過ぎている場合には査定されることもあります。
しかし、そのルールは地域によって異なっており、保険適応でできる検査に差が生じています。

医療費問題として「病気が見つかれば儲かる構造」があります。

3.生活保護に手厚い医療

医療費問題として「生活保護に手厚い医療」があります。

生活保護の場合、窓口での医療費の自己負担はかかりません。
医療機関には、後から保険機関(社保・国保)から医療費全額が入金されることになります。
つまり、国民全体が納めた医療費から支払われることになるのです。

生活保護の患者は、自己負担が一切ないため、検査などを沢山やりたがります。
そして、治療薬を沢山もらいたがります。
保険診療の範囲内であれば、医療費の自己負担がないためです。
その検査は医療的に必要ないと説明しても、検査をやりたがります。
検査をやらないと強くいうのも手間がかかりますし、クレームにもなるため、生活保護の患者の言いなりになって検査を行うケースが多々あります。
さらに、医療機関にも保険機構から報酬が入るので、Win-Winになるような構造になっています。

医療者側が、正義をふりかざして、検査を絶対にしないとなると、損をする構造なのです。
検査の必要性のなさを説明するのに時間や労力がかかります。他の患者さんの待ち時間が長くなり、受診できる患者数を減らさねばなりません。
さらに、検査を行わずに、万が一病気が判明した場合には、見逃しによる訴訟リスクがふりかかります。

一切自己負担がない生活保護の患者に、過剰な検査や治療が行われて、手厚い医療がほどこされるようになる構造になっています。

医療費問題として「生活保護に手厚い医療」があります。

まとめ

今回は「医療費問題」について説明しました。

この記事によって「医療費問題」の理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。

「宮の沢スマイルレディースクリニックホームページ」
https://www.miyanosawa-smile-lc.com/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です