羊水の量が少ないと言われました【羊水過少】

結論ですが

羊水が少ない場合は、原因を調べるとともに、赤ちゃんの具合が大丈夫か評価します。

この記事は「妊娠中の女性」に向けて書いています。
妊娠中のさまざまな疑問、不安などが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「羊水の異常」についてわかります。

お腹の赤ちゃんのまわりは羊水という液体で満たされています。
妊娠さんのお腹にある程度のダメージが加わっても、赤ちゃんのまわりにある羊水によって守られています。

また、赤ちゃんはその羊水を飲んだり、おしっことして出したりして、羊水は赤ちゃんを中心に循環しています。
羊水がある程度ないと赤ちゃんの具合が悪くなってしまうこともあります。

今回、「羊水」と「羊水が少ない場合」について説明していきたいと思います。

この記事のまとめ

羊水は赤ちゃんのおしっこであり、羊水は赤ちゃんを中心に循環しています。
赤ちゃんのおしっこを作る機能が低下した場合、おしっこの通り道に異常がある場合、赤ちゃんの具合が悪い場合などで羊水は少なくなります。
羊水が少ない場合は、原因を調べるとともに、赤ちゃんの具合が大丈夫か評価します。

羊水は赤ちゃんを中心に循環している

子宮内には、赤ちゃん以外にも赤ちゃんに栄養をあたえるため「胎盤」「臍帯(へその緒)」などが入っています。また、赤ちゃんのまわりには「羊水」という液体で満たされています。
羊水は何で出来ているかというと、じつは「赤ちゃんのおしっこ」です。
お腹の中の赤ちゃんがおしっこをして「羊水」となっています。
詳しくみると、赤ちゃんは腎臓でおしっこを作り、尿管というおしっこの通り道を経て膀胱におしっこを貯めます。そして、尿道を通じて、おしっこをして「羊水」となります。
そして、赤ちゃんは自分のまわりにある「羊水」を飲んで、体内に吸収されて、腎臓からおしっこが作られて…という流れが繰り返されます。
つまり、羊水は赤ちゃんの中に出たり入ったりしており、赤ちゃんを中心に循環しています。

羊水量はエコーで評価します

羊水は胎児にとって大事なものなので、実際に羊水を抜いて測定するということは出来ないです。そのかわりに、エコー検査で羊水量が多いか少ないか評価します。
エコーを当てると、胎児のまわりの羊水は黒くうつります。その羊水の深さを測定して、羊水量を推定します。
毎回の妊婦健診では、子宮内を全体的にエコーを当てて大まかに羊水が多いか少ないか判断することが多いです。
羊水量をより正確に評価したい場合は、羊水の深さの最大値を測定する方法や、お腹を4ヶ所に分けてそれぞれの羊水の深さを測定して合計を求める方法「羊水インデックス」(AFI)が主におこなわれます。

羊水が少なくなる原因

お腹の中の赤ちゃんのおしっこが少なくなると羊水は少なくなります。
腎臓のおしっこを作る機能が低下した場合や、「腎臓→尿管→膀胱→尿道」というおしっこの通り道(尿路とよばれる)に異常があると羊水は少なくなってしまいます。
「腎臓」や「尿路」の異常として、「腎無形成」「腎形成不全」「多嚢胞腎」「尿路閉鎖」など挙げられます。
また、ふたごの赤ちゃんの「供血児」(血液をうばわれる側の赤ちゃん)は血液量が少なくなるため、おしっこの量も少なくなり、羊水量は少なくなります。
さらに、赤ちゃんの具合が悪くなる「胎児機能不全」や、「破水」などで羊水が出ていってしまった場合などで羊水量が少なくなります。

羊水が少ないとどんな症状がおこりますか?

赤ちゃんは、羊水によって守られています。
その羊水が少ないと、赤ちゃんの具合が悪くなってしまうことがあります。また、赤ちゃんの具合が悪くなると、おしっこを作る機能が低下してしまうため、羊水量は少なくなります。
羊水量が少ないと赤ちゃんのまわりの空間が狭くなるため、重度の場合だと「四肢の変形」や「関節の拘縮」「肺が十分に成熟しないこと」など起こります。

羊水が少ないときはどんな治療をおこないますか?

羊水が少ない場合には、その原因を探して、治療可能なものであれば治療をおこないます。
また、羊水量が少ないと赤ちゃんの具合が悪いことがあるため、赤ちゃんの具合が大丈夫か評価します。赤ちゃんの具合が悪いようであれば、誘発分娩や帝王切開で早めに娩出します。
最近はおこなうことは少ないですが、人工羊水を子宮内に入れて羊水を補充する場合もあります。