ピルと気分変調について【ピルの効果】

結論ですが、

ピルの服用と気分変調との間に因果関係はないです。

この記事は「ピル」について知りたい人に向けて書いています。
ピルに関するさまざまな疑問・不安・悩みなどが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「ピルと気分変調」についてわかります。

ピルを使うと、気分が落ち込んだ感じがするって本当ですか?

このような疑問にお答えします。

ピルは、もともと経口避妊薬避妊として、避妊を目的に使われていました。
しかし、月経痛や月経の量などを改善効果も判明してきて、月経症状の改善目的などでもピルは使われるようになりました。

では、ピルを服用したら、気分の変調に影響を与えますか?

ということで、今回は「ピルと気分変調」について説明します。

「宮の沢スマイルレディースクリニックホームページ」
https://www.miyanosawa-smile-lc.com/

この記事のまとめ

1.月経と気分変調

月経周期に応じて気分の変調をきたす場合が多く、とくに月経前にメンタルが不安定になる方が多いです。

まず、卵巣の中にある「卵胞」というものが大きく育って排卵するのですが、排卵した後は黄体という構造に変化します。
その黄体から分泌される「黄体ホルモン」の影響によって、イライラしやすい、気分が落ち込みやすい、急に泣き出してしまうなどの気分変調が起こるとされています。
これらは月経の前に起こり、月経がくると症状は改善してくる場合が多いです。

つまり、月経周期に応じた気分の変調として「黄体ホルモン」の分泌がが関与しているのです。

2.ピルの効果

ピルを定期的に内服すると、避妊効果や月経症状の改善効果、月経前症状の改善効果などが得られます。

ピルは定期的に内服することによって、排卵が抑制されて、受精されるのを防ぎます。
また、子宮内膜が薄くなるため、万が一受精しても子宮内への着床を防ぐことになります。

また、月経の痛みがやわらいだり、月経の量が少なくする効果もあるため、月経困難症の治療にも使用されます。

さらに、排卵がおさえられるため、排卵後に黄体から分泌される黄体ホルモンをおさえることができるため、月経前の気分変調を改善する効果も期待できます。

つまり、ピルを定期的に内服すると、避妊効果や月経症状の改善効果、月経前症状の改善効果などが得られるのです。

3.ピルと気分変調

ピルの服用と気分変調との間に因果関係はないです。

ピルの服用と、うつ症状などの副作用について調べた研究において、ピルの服用によって使用者の気分に影響を与えるとはいえなかったとされています。(OCLEPガイドライン2020、CQ401)
つまり、ピルを服用しても、基本的には気分変調に影響を与えることはないです。

しかし、実際にはピルを服用して気分変調を訴える方も中にはいらっしゃいます。
そのような場合では、違う種類のピルに変更してみたり、ピルの投与法を連続投与法などに変えてみるなど試みます。
よりよく生活するために、ご自身にあったピルの種類を見つけること、ピルの投与法を工夫することは大切です。

まとめ

今回は「ピルと気分変調」について説明しました。

ピルをうまく活用すると、女性の生活の質が上がります。

月経にともなう症状を改善することができ、仕事やプライベートでも快適に過ごすことをサポートしてくれます。

ただし、ピルにはいくつか副作用もあります。

心配のないものもありますが、気を付けなければならない副作用もあります。

ピルだけでなく、くすりを使う場合には、その特性を理解した上で、用法用量や注意点を守って、安全に使うことが大切です。

ピルを使用していて何か疑問をお持ちの方は、気軽にかかりつけの婦人科医に相談するようにしましょう。

この記事によって「ピルと気分変調」について理解が深まり、一人でも多くの人に役に立って頂ければ幸いです。

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