お腹の中に「ねずみ」がいます!?【腹腔内遊離体】

ヘルスケア 手術

結論ですが

手術のときに、お腹の中に「ねずみ」がいることがあります

この記事は「健康に関心のある」ひとに向けて書いています。
この記事を読むことで「おなかの中のねずみ」についてわかります。

みなさん、「ねずみ」ときいて何をおもいますか?

  • ふつうに動物の「ねずみ」
  • 干支としての「ねずみ」(2020年の干支は「ねずみ」です)
  • 「ねずみ講」という言葉があるように詐欺のイメージ
  • こそこそ悪いことをする人
  • ひそかに害をおよぼすもの
  • 厄介なもの
  • ちょろちょろと動くもの

などさまざまなイメージをするかとおもいます。

おなかの手術をしていると、おなかの中に「ねずみ」がいることがあります。
「えっ!?」と思いますよね。

今回、「おなかの中のねずみ」について説明していきます。

この記事のまとめ

  • おなかの中の「ねずみ」とは「腹腔内遊離体」とよばれるものです。
  • 「ねずみ」は「腹膜」が垂れ込んだ「腹膜垂」というものがちぎれて遊離して、線維組織に覆われて出来上がるといわれています。
  • 「ねずみ」はおなかの中にあっても悪さをしないことが多いです。しかし、まれに炎症をおこして「痛みの原因となること」や「診断をまよわすこと」があります。

おなかの中の「ねずみ」とは

結論をいうと、おなかの中の「ねずみ」とは「腹腔内遊離体」のことです。

おなかの手術をするときに、おなかの中に「かたく」「小豆くらいの大きさ」「卵円形のかたち」をしたものをみつけることがあります。
その物質を「腹腔内遊離体」とよび、通称「ねずみ」といわます。
名前の由来は所説ありますが、おなかの中をちょろちょろと「ねずみ」のように動くので、「ねずみ」という名前がついたようです。

ちなみに、パソコンのマウスも操作をするとちょろちょろと「ねずみ」のように動きますね。
マウスの初期のものはコードがついて「ねずみのしっぽ」のようにみえて
クリックする場所は「ねずみの耳」のようにみえて
まさにパソコンのマウスはまさに「ねずみ」みたいでした。

ちなみに「腹腔内遊離体」は、ねずみの「しっぽ」や「耳」にあたる部分はなさそうです。
ねずみの形をした「腹腔内遊離体」があれば、症例報告したいですね。

なぜ「ねずみ」ができるのか?

「ねずみ」は、「腹膜」が垂れ込んだ「腹膜垂」というものがちぎれて遊離して、線維組織に覆われて出来上がるといわれています。

「腹腔内遊離体」は別名、「腹膜石」「腹腔鼠」ともいわれています。
おなかの中の構造に、腸やおなかの壁などをおおっている「腹膜」という膜構造があります。
「腹膜」が垂れ込んで「腹膜垂」というものができます。その垂れ込みがなにかしらの原因でちぎれて、腹腔内に遊離します。遊離したものに異物反応がおこって、線維組織というものに覆われていきます。
すると「腹腔内遊離体」が、おなかの中にできあがるといわれていますが、「ねずみ」がなぜ出来るかははっきりとはわかっていないです。

「ねずみ」のからだでの影響

「ねずみ」はおなかの中にあっても、とくに悪さをしないことが多いです。しかし、まれに炎症をおこし「痛みの原因となること」や、「診断をまよわすこと」があります。

「ねずみ」はおなかの中にあっても、とくに悪さをしないことが多いです。
ただし、「ねずみ」が臓器と接している部分で炎症反応をおこすことが稀にあるようです。そうなると、炎症部分の痛みなどの症状がおこります。

また、「ねずみ」はレントゲン検査やCT検査などの画像検査でうつることがあります。「ねずみ」の位置によっては診断を迷わされることがあります。
とくにお腹の中の構造の中に「石ができる病気」や「臓器自体が石灰化」した場合、区別がつきにくいことがあります。

ちなみにおなかの中の構造の中に石ができる病気として以下の通りあります。

  • おしっこの通り道に石ができる「尿管結石」
  • 腸の中に石ができる「糞石」
  • 胃の中に石ができる「胃石」

そして、臓器が「石灰化」といって硬くなってしまうものとして以下の通りあります。

  • 子宮筋腫や卵巣腫瘍などの腫瘍の石灰化
  • 腸の構造(腸管の憩室など)の石灰化
  • 血管(とくに静脈)の石灰化

画像検査でこれら「石」や「石灰化したもの」をみとめた場合、じつは「ねずみ」だったということがあります。「ねずみ」の位置によってはこれら診断をまよわすことがあります。

まとめ

おなかの中の「ねずみ」とは「腹腔内遊離体」とよばれるものです。

「ねずみ」は、「腹膜」が垂れ込んだ「腹膜垂」というものがちぎれて遊離して、線維組織に覆われて出来上がるといわれています。

「ねずみ」はおなかの中にあっても、とくに悪さをしないことが多いです。しかし、まれに炎症をおこし「痛みの原因となること」や、「診断をまよわすこと」があります。

手術のときに「ねずみ」をみつけると、つい微笑んでしまいます。
今後悪さをしないように、しっかりと「ねずみ」も取り除いてきます。

もし手術をうけた人で「お腹の中にねずみがあった」と説明をうけた場合は、この記事を思い出してくれれば幸いです。