授乳中ですがくすりを使っても良いですか?【授乳中の薬】

産後の悩み

結論ですが

授乳中に安全に使える薬とそうではない薬があります。

この記事は「産後の女性」に向けて書いています。
産後のさまざまな疑問・不安・悩みなどが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「授乳中のくすり」についてわかります。

赤ちゃんにおっぱいを与えている時期に薬を出されたときに…

  • この薬は本当に使っていいものなのか?
  • 薬を使っているときには授乳を止めた方がいいのか?

疑問に思うでしょう。
妊娠中もお腹の中の赤ちゃんのことを思うと、薬の使用についてかなり気をつかっているかと思います。
赤ちゃんを産んだ後も、授乳中の場合はとくに薬の使用について気を使うことになるかと思います。子供が出来ると、心配事はつきないものです。

今回は「授乳中の薬」について説明していきたいと思います。

この記事のまとめ

  • 母乳栄養には、様々な利点があります。
  • 母乳栄養ふくめ子育ては大変なので、周囲のサポートが大事です。
  • 授乳中に注意が必要な薬があるので、授乳中の薬の使用に関しては担当医と相談するようにしましょう。

母乳栄養の大切さ

授乳している時期に薬を使う場合、母乳を休まなければいけないと思っている人が多いかと思います。じつは、母乳栄養にはさまざまな利点があるため、薬を使っているからとむやみに授乳を止める必要はありません。
母乳栄養には、赤ちゃんへの栄養以外にも様々な利点があります。赤ちゃんの免疫機能の獲得、母親の子宮復古の促進、母子の愛着形成などが挙げられます。

授乳中に薬が使われる場合、「薬を使っている期間は断乳しましょう」ということが慣例化されていました。薬剤の母乳への移行、赤ちゃんの摂取率など勘案しますが、実際の影響がないような薬剤に関しては「母乳栄養の利点」を考えると、薬を使っている期間も母乳栄養は継続した方がメリットは高いと考えられます。

国際的にも母乳栄養を推奨

WHOやユニセフで「母乳育児を成功させるための10カ条」というものがあります。これは、母親が赤ちゃんを母乳で育てられるように、産科施設とそこで働くフタッフが実行すべきこと具体的に示したものです。
母乳栄養のメリットは様々あるので、国際的にも母乳栄養を推奨されています。ただし、母乳がなかなか出にくい人、約3時間毎に授乳するために深夜にも起きなければいけない等、母親はとても大変です。母乳栄養に限らず、子育てをするのは、非常に大変です。医療スタッフ含め周囲の人のサポートがないと大変です。

くすりの母乳移行について

母乳は、母親の血液から作られます。
母親がのんだ薬は母乳中に分泌されますが、多くの薬は母乳に含まれるのとても少ない量になります。 さらに母乳を飲んでも、そこから吸収され赤ちゃんの血液に届くまでに薬の量は少なくなるため、赤ちゃん自身に薬の影響が出る可能性はとても低くなります。

授乳中の注意すべき薬について

基本的には多くの薬は、授乳中に使用しても、問題がないものが多いです。
しかし、中には授乳中に注意が必要なくすりもあるので紹介します。
「薬剤の母乳移行が高い薬」「母乳分泌を妨げる薬」「放射性アイソトープ」「その他(薬物乱用、アルコールなど)」は母乳栄養中に注意すべき薬となります。

薬剤の母乳移行が高い薬

薬剤の母乳移行が高い薬では、赤ちゃんが母乳を血液に高い濃度の薬が血液まで届いてしまう可能性があります。完全に禁止とすべきかは判断は難しいですが、注意が必要です。
抗てんかん薬の「フェノバルビタール」、喘息で使用される「テオフィリン」、気分安定薬の「リチウム」、「ヨード製剤」などがあります。

母乳分泌を妨げる薬

これは薬によって、母乳が出なくなってしまいます。それによって、さまざまな利点のある母乳栄養が妨げてしまいます。
母乳を止めるために使う目的以外では、代わりになる薬(母乳を止める作用のない)を使用することが望ましいです。

放射性アイソトープ

放射性アイソトープは、診断目的や治療で用いられることがあります。赤ちゃんへの放射線被曝の可能性があります。放射線量の半減期や乳汁移行などを考慮して判断します。
使用される核種によって様々あるので、母乳栄養の中断期間も様々です。まったく中断する必要がないものや、1ヶ月以上中断が必要なものもあります。

その他(薬物乱用、アルコールなど)

とくに母親が薬物乱用した場合、その薬の濃度が非常に高くなるため、母乳移行する濃度も高くなってしまいます。
たとえば、母親が「コデインリン酸塩」を含む鎮痛薬を使用し、その授乳中の児が呼吸抑制で死亡した例が報告されています。また、「アルコール」によって母乳分泌量が低下したり、赤ちゃんの発達を阻害する影響があります。

では、実際にくすりを飲むときはどうすればいいのか?

必要のない薬は使わないこと

原則としては、授乳中でなくてもそうですが「必要のない薬は使わないこと」が基本です。くすりには「良い面」もあれば「悪い面」もあります。必要のないくすりであれば、使わないようにしましょう。

必要な薬はしっかりと使いましょう

「母体に必要だと判断される薬は必要十分量を使うこと」も同じように大事です。母体の健康が児の健康にもつながります。症状がひどく生活に支障があるようであれば、我慢しないで必要な薬を使うようにしましょう。

母乳を休むかどうか

 基本的には多くの薬は、授乳中に使用しても、問題がないものが多いです。
おそらく添付文書や薬の説明書を読むと「妊娠中・授乳中には使用に注意が必要」と赤文字で書かれており不安になるかと思います。「授乳を中止」と書かれていても科学的根拠に乏しい場合が多いです。
これを読んで薬を使用中は授乳を止めてしまう人が多いですが、母乳栄養にはさまざまな利点のあるので、必要がなければ授乳を続けるようにしましょう。

使用している薬が安全かどうかは、以下のサイトを参考にするようにしましょう。科学的根拠に基づいており、多くの産婦人科も参考にしています。
また、授乳中の薬の内服については、自己判断せずに担当医と相談するようにしましょう。

関連リンク
国立成育医療研究センター 授乳中の薬(一覧表)

まとめ

母乳栄養には、様々な利点があります。

母乳栄養ふくめ子育ては大変なので、周囲のサポートが大事です。

授乳中に注意が必要な薬があるので、授乳中の薬の使用に関しては担当医と相談するようにしましょう。

母乳栄養中に注意が必要な薬はそんなに多くはないです。母乳栄養の利点を考慮すると、よほどの理由がない限り母乳は中断すべきでないと考えられます。
ただし、一部授乳の際に注意すべき薬があります。薬を使っているときに母乳栄養を続けていいかどうか、そもそもその薬は必要なのかどうかも含め担当医と相談することが重要です。

また、くすりには良い面も悪い面もあります。授乳中でなくても、それを意識したうえで薬を使うかどうか判断しましょう。

この記事によって「授乳中のくすり」の理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。