試合の日に生理が来ないようにしたいです!【女性アスリートの悩み】

女性アスリートの悩み

結論ですが

ピルをつかうことで生理をずらすことができます。

この記事は「女性アスリート」に向けて書いています。
女性アスリートのさまざまな疑問・不安・悩みなどが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「月経移動」についてわかります。

ちょうど生理が来る日に大事な試合が重なってしまう場合があるかと思います。

女性アスリートにとって、自分の生理周期を把握することはとても大切です。
というのも、生理周期によってコンディションが変わってくるため、競技パフォーマンスにも大きく影響をあたえるからです。
さらに、生理の日に試合が重なってしまうと、白いユニフォームが月経血によって赤く染まってしまったり、水泳競技などでは大変なことになってしまい、競技に集中できなくなるかと思います。
女性アスリートは生理周期とうまく付き合っていくことが大切です。

そこで登場するのが「ピル」という薬です。
じつは、「ピル」によって生理周期を調整「月経移動」することができるのです。

今回は、女性アスリートが大事な試合の日などに生理が来ないようにする「月経移動」について説明していきます。

この記事のまとめ

  • ピルをつかうことで生理周期をずらすことができます。
  • 生理をずらすことで「試合の日にコンディションの良い生理周期のタイミングを合わせることができる」「生理にともなう症状をおさえることができる」「現在、ドーピングではない」などのメリットがあります。
  • ピルを使う注意点として「副作用」「血栓症」「手術時」「時差への対応」「体重への影響」「服用スケジュール」「今後のドーピングの可能性」などがあります。

どうやって生理周期をずらすのですか?

結論をいうと、「エストロゲン」(卵胞ホルモン)や「プロゲステロン」(黄体ホルモン)というホルモンが含まれている「ピル」をつかうことで月経を調整します。

そもそも生理は「厚くなった子宮内膜が剥がれること」でおこります。
子宮内膜が剥がれるためには「エストロゲンやプロゲステロンの低下」が必要です。
「エストロゲン」や「プロゲステロン」というホルモンが含まれているピルをつかうことで「エストロゲンやプロゲステロンの低下」をふせいだり、「エストロゲンやプロゲステロンの低下」を起こすことによって月経を調整します。

つまり、理論上は…
・ピルをのんでいるあいだは、「エストロゲン・プロゲステロンの低下」がふせがれるため生理がこないです。
・ピルを休薬すると「エストロゲン・プロゲステロンの低下」が起こり生理がおこります。なお、ピルを休薬して約2日から5日後くらいで生理が起こります。

具体的な方法は下の記事を参照してください

大事な日に生理が来ないようにしたいです!【月経移動】

ピルを使うことのメリット

生理周期のタイミングを合わせることができる

個人差はありますが、生理周期によってコンディションは変わります。

日本人のトップアスリートによるアンケート調査では、「卵胞期」や「排卵期」にコンディションが良いとする回答が多かったです。
「月経期」は生理にともなう痛みなどの症状による「月経困難症」、「黄体期」は生理前の不調(頭痛・むくみ・イライラしやすいなど)をきたす「月経前症候群」のためコンディションが悪くなる傾向にあります。
自分の生理周期によるコンディションの変化を把握するとともに、大事な試合にコンディションをピークになるように、ピルによって生理周期をあわせていくことが可能です。

生理にともなう症状をおさえることができる

定期的にピルを使っている場合は、生理にともなう症状をおさえることができます。

とくに、生理にともなう痛みなどの症状をきたす「月経困難症」、生理前の不調(頭痛・むくみ・イライラしやすいなど)をきたす「月経前症候群」の症状を改善する効果があります。
さらに生理の量を少なくしたり、生理が規則的になったり、さまざまな効果があります。
試合に関係なく、ピルによって普段悩まされている生理の症状を改善する効果もあるのです。

ドーピングではない

現在、ピルは「ドーピング禁止物質」ではないです。

「ホルモン剤」イコール「ドーピング禁止物質」と考えているアスリートや指導者が多いですが、現在ピル(OC・LEP)は「ドーピング禁止物質」ではないのです。
ドーピング検査があったとしても大丈夫ですが、服用中の薬は女性アスリート自身もしっかりと把握して、ドーピング検査の際にはしっかりと申告できるようにしましょう。

ピルの使用の注意点

副作用

ピルによって吐き気などの副作用が出ることがあります。
副作用によって、コンディションが低下してしまう可能性があります。
「月経移動」する場合には、大事な試合の日のピルを飲む必要がないように、できるだけ「生理を早める方法」をとることが大切です。
ピルの副作用には個人差があるため、事前にピルを飲んでおいて副作用が大丈夫かどうか試しておくようにしましょう。

血栓症

ピルを飲んでいると「血栓」のリスクが上がります。
「血栓」とは血液がかたまる病気のことです。
アスリートの場合、試合や練習・合宿などで遠征することがあるかと思います。長時間の移動では、血液がかたまる「血栓」リスクが上がるため、意識的にふくらはぎを動かしたり、脱水予防に努めることが大切です。

手術時

競技によっては外傷のリスクが高いものがあります。とくに、サッカー・ラグビーなどのコンタクトスポーツでは、突然のケガによって、治療のために手術が必要になることもあります。
ピルを飲んでいると血栓リスクが高まるため、基本的には手術の前後で休薬することになります。手術のときには、担当医にピルを飲んでいることを必ず伝えて、休薬と再開の時期を相談するようにしましょう。

時差への対応

ピルは定期的に飲むことで効果が発揮します。
アスリートが海外遠征などで「時差」の影響をうける場合、ピルの飲む時間をあらかじめ確認しておく必要があります。
基本的には1日1回飲むことになるので、24時間ごと規則的に飲むように、「時差」を調整して服用するようにしましょう。

体重への影響

ピルは「一時的な体重増加」をきたす可能性があります。
とくにピルを内服しはじめの時期に多いです。ピル内服開始の3ヶ月以内に約14%に一時的な体重増加を認めたという報告があります。
体重の影響が「コンディション」や「競技パフォーマンス」に影響をあたえるような競技では、ピルによる「一時的な体重増加」に注意する必要があります。

服用スケジュール

余裕をもって、「ピルの服用スケジュール」を相談するようにしましょう。
とくに「生理を早める方法」の場合には、ピルを飲み始める時期など決まっています。
あまりにギリギリに受診した場合はピルをのむべき時期を過ぎてしまうことがあります。
そのことによって、生理を移動できなかったり、失敗する可能性が出てきます。
「月経移動」を希望する場合には余裕をもって受診するようにしましょう。

今後のドーピングの可能性

現在(2020年11月現在)、ピル(OC・LEP)は「ドーピング禁止物質」ではないですが、今後どうなるかわからないです。
「ドーピングの禁止物質」は1年毎に改定されています。
かならず、アスリート自身で最新の情報を確認するようにしましょう。競技生命を守るのは、最終的には自分自身しかないです。

まとめ

  • ピルをつかうことで生理周期をずらすことができます。
  • 生理をずらすことで「試合の日にコンディションの良い生理周期のタイミングを合わせることができる」「生理にともなう症状をおさえることができる」「現在、ドーピングではない」などのメリットがあります。
  • ピルを使う注意点として「副作用」「血栓症」「手術時」「時差への対応」「体重への影響」「服用スケジュール」「今後のドーピングの可能性」などがあります。

生理周期をコントロールして、試合にピークをもっていくという方法は海外の女性アスリートは普通に行われています。
生理を上手に味方につけることで「競技パフォーマンス」向上につながります。

日本においては、ピルに対する理解が不十分であり、普及はまだまだな現状です。
また、生理に対して、あまり他の人には相談したくないような保守的な雰囲気でもあります。
自分の体のことをよく知っておくことは、「競技パフォーマンス」だけでなく「健康的に過ごすため」にもとても大切です。

この記事によって「月経移動」の理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。