高プロラクチン血症ってなんですか?

妊活 婦人科の病気

結論ですが

「高プロラクチン血症」とは、「プロラクチン」の分泌が過剰となり「乳汁分泌」や「無月経」などみられる疾患のことです。

この記事は「病気を指摘された」女性に向けて書いています。
女性特有の病気の悩みが解決できればと思っています
この記事を読むことで「高プロラクチン血症」についてわかります。

  • なかなか妊娠しないです!
  • 生理が不規則です!!
  • なぜか母乳が出てきました!?


このような症状で悩んでいるときには「高プロラクチン血症」が隠されている場合があります。
とくに、妊娠・出産をしていないのに、なぜか母乳が出てくる場合には、「高プロラクチン血症」の可能性があります。
また、生理が来なくなって、各診察や検査をおこなって「高プロラクチン血症」だとわかる場合もあります。
くすりが原因で「高プロラクチン血症」となる場合もあります。

  • 「高プロラクチン血症」と診断されたけど、よくわかりません!
  • 結局、どうすればいいの?

この疑問に答えます。

今回は「高プロラクチン血症」について説明していきたいと思います。

この記事のまとめ

  • 高プロラクチン血症とは、血液中の「プロラクチン」というホルモン値が高くなる疾患のことです。
  • 高プロラクチン血症では「乳汁分泌」や「無月経」などの症状が、「下垂体腺腫」が原因の場合には「頭痛」や「視野障害」などの症状がおこります。
  • 高プロラクチン血症の原因は、「くすり」「甲状腺機能低下症」「下垂体腺腫」などがあります。
  • 高プロラクチン血症は、「血液検査」「脳MRI検査」「くすりの確認」などの検査をおこないます。
  • 高プロラクチン血症は、「薬物療法」「下垂体腺腫の治療」「原因薬剤の変更・中止」などの治療をおこないます。

高プロラクチン血症ってなんですか?

「高プロラクチン血症」とは、血液中の「プロラクチン」というホルモン値が高くなり、「乳汁分泌」や「無月経」などみられる疾患のことです。
ただし、「妊娠」「分娩」は、自然と「無月経」となるため除外されます。
また、「授乳期間」は、自然と血液中の「プロラクチン」は高くなり、母乳が出てきて、無月経となるので、その時期も除外されます。

高プロラクチン血症の症状は?

「高プロラクチン血症」によって、「乳汁分泌」や「無月経」などの症状がおこります。
「プロラクチン」というホルモンは、母乳をつくる作用があります。お産が終わって、赤ちゃんが乳頭を刺激すると、「プロラクチン」の分泌量が増加して、母乳が作られるのです。産後、授乳している期間はプロラクチンが増加しているため、基本的には生理は来ない「無月経」となります。

また、「下垂体腺腫」が原因の場合には、「頭痛」や「視野障害」などの症状がおこります。
「プロラクチン」は脳の下垂体という部分で産生されます。プロラクチンをつくる腫瘍「下垂体腺腫」が出来て、「高プロラクチン血症」となる場合があります。そのときは、「下垂体腺腫」による圧迫によって「頭痛」や「視野障害」などの症状がおこります。

高プロラクチン血症の原因は?

高プロラクチン血症の原因は、「くすり」「甲状腺機能低下症」「下垂体腺腫」などがあります。

くすり

くすりが原因の「高プロラクチン血症」のことを「薬剤性高プロラクチン血症」といいます。
とくに「ドパミン」の作用を抑制するくすりを使用すると「高プロラクチン血症」につながります。

たとえば、
「レセルピン」「メチルドパ」「ベラパミル」などの循環器薬、
「ハロペリドール」「クロルプロマジン」などの抗精神病薬、
「イミプラミン」「アミトリプチリン」などの抗うつ薬、
「メトクロプラミド」「H2遮断薬」などの消化器薬
などが挙げられます。

甲状腺機能異低下症

「甲状腺機能低下症」によって、「高プロラクチン血症」がおこります。
これは、「甲状腺機能低下症」がおこると、甲状腺ホルモンを産生するように「甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン」(TRH)というホルモンが脳の視床下部から分泌されます。すると、「甲状腺刺激ホルモン」(TSH)というホルモンが脳下垂体から分泌されます。「TSH」が甲状腺に作用して甲状腺ホルモンの分泌が促されます。
それとと同時に「TRH」の作用によってプロラクチンも分泌されるため「高プロラクチン血症」につながるのです。

高プロラクチン血症の検査は?

血液検査

血液検査をして各ホルモンの検査をおこないます。
なによりも、血液中の「プロラクチン」が測定されます。
「無月経」を来たす病気が他にもないか、脳下垂体から分泌される「LH」「FSH」、卵巣から分泌される「エストロゲン」(E2)・「プロゲステロン」(P)などのホルモン検査をします。
また、「T3」「T4」「TSH」などの甲状腺ホルモンの検査もおこないます。

脳MRI検査

「脳MRI検査」をおこなうことで、「下垂体腺腫」がないか検査します。
「プロラクチン」は脳の下垂体という部分で産生されます。プロラクチンをつくる腫瘍「下垂体腺腫」が出来て、「高プロラクチン血症」となる場合があります。
とくに「プロラクチン」が100ng/ml以上の高値の場合、この「下垂体腺腫」の可能性を考えます。

くすりの確認

くすりが原因の「薬剤性高プロラクチン血症」の可能性を考えます。
使用している「くすり」を確認して、プロラクチンを上昇させるくすりがないか確認します。
とくに「循環器薬」「消化器薬」「抗精神病薬」「抗うつ薬」など使用していないかチェックします。

高プロラクチン血症の治療は?

薬物療法

「高プロラクチン血症」の治療には、「ドパミン作動薬」が使われます。
「ドパミン」の作用が増加すると「プロラクチン」の分泌は低下します。つまり、「ドパミン作動薬」によって「プロラクチン」は減少し、「高プロラクチン血症」は改善するのです。
具体的には、「カベルゴリン」「ブロモクリプチン」「テルグリド」などの「ドパミン作動薬」が使われます。

下垂体腺腫の治療

プロラクチンをつくる腫瘍「下垂体腺腫」がある場合には、下垂体腺腫を摘出する「手術」(ハーディ手術)や「放射線治療」(ガンマナイフ)が行われます。
「プロラクチン」は脳の下垂体という部分で産生されます。プロラクチンをつくる腫瘍「下垂体腺腫」が出来ると「高プロラクチン血症」につながります。
その場合は「下垂体腺腫」に対する「摘出手術」や「放射線治療」がおこなわれます。

原因薬剤の変更・中止

「高プロラクチン血症」の原因となるくすりを使っている場合には、そのくすりを変更もしくは中止します。
とくに「循環器薬」「消化器薬」「抗精神病薬」「抗うつ薬」など使用していないかチェックします。「高プロラクチン血症」の原因となるくすりは、原則的に変更もしくは中止します。ただし、治療のために不可欠なものであれば、そのくすりを継続することもあります。
担当医と相談するようにしましょう。

まとめ

  • 高プロラクチン血症とは、血液中の「プロラクチン」というホルモン値が高くなる疾患のことです。
  • 高プロラクチン血症では「乳汁分泌」や「無月経」などの症状が、「下垂体腺腫」が原因の場合には「頭痛」や「視野障害」などの症状がおこります。
  • 高プロラクチン血症の原因は、「くすり」「甲状腺機能低下症」「下垂体腺腫」などがあります。
  • 高プロラクチン血症は、「血液検査」「脳MRI検査」「くすりの確認」などの検査をおこないます。
  • 高プロラクチン血症は、「薬物療法」「下垂体腺腫の治療」「原因薬剤の変更・中止」などの治療をおこないます。

高プロラクチン血症と診断された場合は、どうすればいいのかわからないかと思います。
まずは、検査をおこなって原因を探します。
そして病態や症状などにおうじて、治療方針を決めることになります。
じつは「月経がない」「母乳が出てきた」症状があっても、実生活で困らない場合には、状況にもよりますが、とくに治療をおこなわない場合もあります。
明らかな下垂体腺腫がある場合や、今後妊娠したい希望がある場合などでは、「高プロラクチン血症」の治療を積極的におこなうことになります。

「高プロラクチン血症」と診断された場合は、担当医に自分の治療の希望をしっかりと伝え、治療方針などを相談するようにしましょう。婦人科は症状で困っている人の味方です。

この記事によって「高プロラクチン血症」の理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。