タンパク質制限食とは【肝臓】食と健康

結論ですが

タンパク質制限食とは、タンパク質の処理能力が低下している肝機能不全の方などが行うタンパク質の摂取量を制限する食事法のことです。

この記事は「タンパク質制限食について知りたいヒト」に向けて書いています。
食と健康に対する疑問・悩み・不安などが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「タンパク質制限食」についてわかります。

タンパク質制限食とは何ですか?

このような疑問にお答えします。

健康的に過ごすためには、栄養バランスの良い食事というものが大切です。
毎日の食事の内容によって、病気になる可能性がありますし、健康的に過ごすことができます。
とくに、肝機能障害や腎機能障害などの病気を患っている方にとって、食事の内容が治療にもなりますし、反対に食事の内容によっては命を脅かしてしまうおそれもあります。

とくに、肝臓の機能が悪い人では、タンパク質制限食というものが重要になります。

では、タンパク質制限食とはなんですか?

ということで、今回は「タンパク質制限食」について説明していきます。

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まとめ

1.タンパク質制限食とは

タンパク質制限食とは、タンパク質の処理能力が低下している肝機能不全の方などが行うタンパク質の摂取量を制限する食事法のことです。

肝硬変など肝臓の機能が低下している患者さんでは、タンパク質を処理する能力も低下しています。
タンパク質はアミノ酸に分解されて、体内に消化吸収されます。
小腸などから吸収されたアミノ酸は、門脈を通って肝臓に運ばれます。

肝臓において、アミノ酸を材料にして体に必要な酵素や組織の構造に必要なタンパク質が合成されたりします。

摂取しすぎたアミノ酸は、分解されてエネルギー源として利用されますが、そのときにアンモニアが発生します。
アンモニアは無害である尿素に変換されて尿中に排泄されます。
しかし、肝臓の機能が低下していると、アンモニアを無毒化することができず、血液中のアンモニア濃度が上昇し、意識障害などを来す「肝性脳症」につながります。

肝臓の機能が低下している方の場合は、タンパク質やアミノ酸の摂り過ぎに注意が必要になるとともに、エネルギー不足とならないように、糖質や脂質などのエネルギー源を十分に確保することが重要になります。

そこで、タンパク質の摂取量を制限する「タンパク質制限食」を行うことになるのです。

タンパク質制限食とは、タンパク質の処理能力が低下している肝機能不全の方などが行うタンパク質の摂取量を制限する食事法のことです。

2.タンパク質制限食の効果

タンパク質制限食の効果として、肝性脳症を防ぐ、肝臓の負担を軽減できる、腎臓の負担も軽減できるなどがあります。

繰り返しですが、タンパク質制限食によって、タンパク質の摂り過ぎにともなうアンモニア濃度の上昇にともなう肝性脳症を防ぐことができます。

また、タンパク質の摂取量が多くなりすぎると、肝臓に負担がかかります。
体の材料を作る分には、まだ大丈夫なのですが、タンパク質を摂り過ぎてしまうと、余分なタンパク質やアミノ酸はエネルギー源として使用されます。
このときに、アミノ酸が分解されてアンモニアが発生するのですが、オルニチン回路(尿素回路)によって無害な尿素に変換されます。
そして尿素は、腎臓によって尿に変換されて、おしっことして体外に排出されるのです。
タンパク質は、ただでさえエネルギー効率が悪い上、有害なアンモニアが発生するため、肝臓への負担がかかり過ぎてしまいます。

さらに、尿素を体外に排出するために、腎臓にも負担がかかります。

タンパク質制限食では、タンパク質の摂取量を制限するために、肝臓や腎臓への負荷を軽減することにつながります。

タンパク質制限食の効果として、肝性脳症を防ぐ、肝臓の負担を軽減できる、腎臓の負担も軽減できるなどがあります。

3.タンパク質制限食のやり方

タンパク質制限食のやり方として、タンパク質の摂取量を制限する、エネルギーを十分摂取する、糖質や脂質を多めにする、タンパク質の含有量の少ない食品を選ぶことなどがあります。

タンパク質制限食では、タンパク質の摂取量を制限します。
体重1kgあたり「0.5g-1.0g」を目安にします。
尿中タンパク質量やクレアチニン値などによってタンパク質の摂取量の目安が決まります。

タンパク質の摂取量を制限すると、必然的に食事から摂取するエネルギー量が少なくなってしまいます。エネルギー量が少なくなると、筋肉などの体の構造のタンパク質が分解されて、エネルギー源として利用されてしまうおそれがあります。
タンパク質が分解されると、アンモニアが発生するため、肝性脳症などにつながる可能性があります。

エネルギー源を確保するため、タンパク質が少ない分、糖質や脂質などを十分摂取するようにします。
タンパク質の含有量が少ない、穀物・糖質・油脂などがオススメです。また、タンパク質が少なめな治療用特殊食品などを利用してもいいでしょう。

タンパク質制限食のやり方として、タンパク質の摂取量を制限する、エネルギーを十分摂取する、糖質や脂質を多めにする、タンパク質の含有量の少ない食品を選ぶことなどがあります。

まとめ

今回は「タンパク質制限食」について説明しました。

この記事によって「タンパク質制限食」についての理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。

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