結論ですが
「無排卵周期症」とは、月経のような出血はあるが「排卵」を伴わない病態のことをいいます。
この記事は「健康に関心のある」女性に向けて書いています。
女性特有の悩みが解決できればと思っています
この記事を読むことで「無排卵周期症」についてわかります。
- 生理が不規則です!
- 生理以外に出血します!!
- なかなか妊娠しないです!?
このような症状で悩んでいるときには「無排卵周期症」が隠されている場合があります。
排卵のときに排卵痛で痛む人もいます。
しかし、基本的には排卵のときは無症状のことが多いのです。
なので、実は検査をしたら「無排卵周期症」であるとわかることがあります。
今回は「無排卵周期症」について説明していきたいと思います。
この記事のまとめ
- 無排卵周期症とは、月経のような出血はあるが「排卵」を伴わない病態のことをいいます。
- 「月経不順」「不正出血」「不妊症」などの症状がおこります。
- 無排卵周期症は、「エコー検査」「血液検査」「基礎体温」などの検査がおこなわれます。
- 妊娠希望の有無によって治療方針が決まります。
無排卵周期症ってなんですか?
「無排卵周期症」とは、月経のような出血はあるが「排卵」を伴わない病態のことをいいます。「月経不順」や「不正出血」をみとめます。また、排卵がないため、妊娠することができず「不妊症」の原因にもなります。
また、長期にわたる「無排卵周期症」は、将来の「骨粗しょう症」や「子宮体がん」のリスクが上昇します。
なお、まだ月経自体安定していない「思春期」や、閉経期あたりの「更年期」、お産が終わったあとの「授乳期」では、生理的に無排卵であることが多く、基本的に治療対象にならないです。
無排卵周期症の症状は?
無排卵周期症では、「月経不順」「不正出血」「不妊症」などの症状がおこります。
「排卵」がないと、生理をつかさどるホルモンのバランスも乱れてしまいます。すると、月経周期が39日以上の「稀発月経」、月経周期が24日以内の「頻発月経」などの「月経不順」が起こります。また、「月経期間の長さの異常」や「月経量の異常」などもおこります。さらに、月経以外の出血である「不正性器出血」(不正出血)もおこります。
また、「排卵」がないため、妊娠することができず「不妊症」もおこります。
無排卵周期症の原因は?
無排卵周期症は、卵巣機能は維持されていますが、排卵が起きない状態です。
「脳の下垂体」という部分から「LH」というホルモンが分泌されるのですが、おもに「LH」の分泌が不十分だった場合に「無排卵周期症」がおこります。
「ストレス」(環境変化・職場・家庭など)、「過度のスポーツ」、「ダイエットによる体重減少」などが原因として挙げられます。
また、「多嚢胞性卵巣症候群」「高プロラクチン血症」「甲状腺機能異常」などの病態でも「無排卵周期症」となります。
無排卵周期症の検査は?
エコー検査
エコーによって、子宮・卵巣に腫れなどないか確認します。
とくに、「排卵が起こっているのか」「多嚢胞卵巣はないか」「子宮の内膜の厚さ」などに注目して検査を行います。
血液検査
生理に関係するホルモンの値などを検査します。
具体的にいうと、脳下垂体から分泌される「LH」「FSH」、卵巣から分泌される「エストロゲン」(E2)「プロゲステロン」(P)、「T3」「T4」「TSH」などの甲状腺ホルモン、「プロラクチン」というホルモンなどを調べます。
基礎体温
通常の基礎体温では、「低温相」→(排卵)→「高温相」の「二相性」となります。
無排卵周期症では、排卵がないため、「低温相」のみの「一相性」の基礎体温となります。
なぜかというと、「排卵」によって「卵胞」が「黄体」に変化し、そこから分泌される「黄体ホルモン」によって基礎体温は上昇して「高温相」がつくられるのです。しかし、「無排卵周期症」では、排卵しないため、「黄体ホルモン」が分泌されないため、「高温相」がつくられず、「一相性」となるのです。
無排卵周期症の治療は?
妊娠を希望する場合は、排卵を誘発する必要があります。
排卵誘発のために、「クロミフェン」「ゴナドトロピン」などによる治療がおこなわれます。妊娠を希望しない場合には、子宮内膜保護目的に生理を整える治療をおこないます。
「ホルムストローム療法」や「カウフマン療法」を病態に応じて使いわけます。また、偶発的な妊娠を防ぐために「ピル」を使用することも可能ですが、基本的に自費となります。
また、無排卵周期症の原因として「多嚢胞性卵巣症候群」「高プロラクチン血症」「甲状腺機能異常」などの病態がある場合は、それらの治療を優先しておこないます。
まとめ
- 無排卵周期症とは、月経のような出血はあるが「排卵」を伴わない病態のことをいいます。
- 「月経不順」「不正出血」「不妊症」などの症状がおこります。
- 無排卵周期症は、「エコー検査」「血液検査」「基礎体温」などの検査がおこなわれます。
- 妊娠希望の有無によって治療方針が決まります。
女性にとって「生理」は避けて通れないものです。
「無排卵周期症」は生理の異常を来たしますし、不妊症の原因にもなる病態です。
今回の記事を読んで、「もしかしたら…」ということがあれば婦人科を受診して相談するようにしましょう。
生理の悩みはデリケートであり、なかなか人に気軽に相談できないかと思います。一人で抱え込むケースが多く、自分の生理は大丈夫なのか心配になる人は実は多いです。
生理によって日常生活が困っている場合、何か心配なことがあれば、勇気をもって婦人科に相談するようにしましょう。婦人科は症状で困っている人の味方です。
この記事によって「無排卵周期症」の理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。
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