妊活中に葉酸を摂るべきですか?【妊活とサプリメント】

結論ですが

妊活中に葉酸を摂取するときには、適切な時期に適切な量を摂取するようにしましょう。

この記事は「妊活中の女性」に向けて書いています。
妊活に関する疑問・悩み・不安などが解決できればと思っています
この記事を読むことで「妊活中の葉酸摂取」についてわかります。

妊娠を考えているなら「葉酸」を摂らなければ!
とよく言われます

葉酸ってどのように摂るの?
葉酸はなぜ必要なの?
そもそも葉酸って何?

このような疑問にお答えします。

基本的には、1日に必要な栄養素は食事から摂取することが基本になります。
妊娠していない場合であっても、健康のために必要な栄養素を適切な量をとることが重要です。
どうしても食事のみでは不足してしまう栄養素、摂取しにくい栄養素もあります。
そういった場合に、サプリメントをうまく活用することが有用です。

また、葉酸に関して言うと、通常の食事摂取することに加えて、サプリメントなどで摂取することで「ある病気」のリスクを下げる効果が期待できます。

では、今回は「妊活中の葉酸の摂取」について説明したいと思います。

この記事のまとめ

  • 葉酸が不足すると「神経管閉鎖障害」のリスクが上がります。
  • 葉酸は「妊娠する1ヶ月以上前」から摂取するようにしましょう。
  • 妊活中の場合は、「1日0.24mg」に加えて、サプリメントなどの栄養補助食品から「1日0.4mg」摂取するようにしましょう。
  • 葉酸に加えて、「亜鉛」「ビタミンC」「ビタミンB6」「ビタミンB2」「ビタミンB12」などの栄養素もバランスよく摂取しましょう。

葉酸はなぜ必要ですか?

葉酸の必要性

「葉酸」は、妊娠する赤ちゃんのために必要な栄養素です。

「葉酸」はビタミンB群の一種であり、DNA・RNAやタンパク質の合成などを促す栄養素です。とくに、妊娠初期の赤ちゃんは、細胞分裂が盛んに行われるため、DNAなどの合成が必要であり、「葉酸」が欠かせない栄養素となります。

葉酸が不足すると

葉酸が不足すると「神経管閉鎖障害」のリスクが上がります。

妊娠初期は、「脳」「神経管」「心臓」など、非常に重要な臓器が形成される時期です。この時期は盛んに細胞分裂など行われるため、たくさんの葉酸が必要になります。
この時期に葉酸が不足すると、赤ちゃんの「神経管閉鎖障害」のリスクが上がるのです。

神経管閉鎖障害とは

神経管閉鎖障害とは、脳や脊髄のもとになる神経管に障害がおこる先天異常のことをいいます。

「神経管」とは、脳や脊髄のもとになる構造です。神経管は、板のような形状のものが、その両端がくっ付いて、管状の形状になります。神経管の頭の方が「脳」に、おしりの方が「脊髄」になります。
神経管がうまくくっ付かないと、その一部が閉鎖されないために「神経管閉鎖障害」が起こります。具体的には「無脳症」「脳瘤」「二部脊椎」などの異常が認められます。

葉酸はいつから摂ればいいですか?

葉酸は「妊娠する1ヶ月以上前」から摂取するようにしましょう。

神経管の閉鎖は「妊娠6週末」に完成します。妊娠6週というと、妊娠のごく初期でありやっと妊娠がわかる時期です。つまり、妊娠に気づいてから葉酸を摂取するようでは時期が遅くなってしまいます。
「妊活中」の人は、妊娠する前の今の時期から葉酸を摂取するようにしましょう。

葉酸はどのくらいの量をとればいいですか?

葉酸の推奨量

妊活中の場合には、葉酸を通常の「1日0.24mg」に加えて、サプリメントなどから「1日0.4mg」摂取するようにしましょう。

日本人女性の葉酸の推奨量は、「1日0.24mg」です。
「妊娠を計画している女性」や「妊娠の可能性がある女性」「妊娠初期の女性」の場合には、「1日0.24mg」に加えて、サプリメントなどの栄養補助食品から「1日0.4mg」摂取することが推奨されています。また、妊娠中期・後期の葉酸の推奨量は「1日0.48mg」と通常の2倍となっています。

葉酸の上限量

葉酸の摂取量は、医師の管理下にある場合を除き、「1日1mg」 を超えるべきではないとされています。

「葉酸」は水に溶けやすく、熱に弱い性質があります。通常の食事から葉酸を摂りすぎてしまった場合は、余分な分は尿に溶けて排出されるため、実際の影響はほとんどないようです。
しかし、葉酸を多くとりすぎてしまうと、ビタミン12欠乏にともなう悪性貧血の診断が難しくなってしまったり、赤ちゃんの「喘息」「呼吸器感染症」「自閉症」リスクがわずかに上がる可能性が指摘されています。体に良いからと何でも摂りすぎてしまう人がいますが、葉酸の上限量である「1日1mg」を超えないようにした方が良いでしょう。

医師の監視下における葉酸摂取

過去に神経管閉鎖障害のある児を妊娠したことのある女性については、「医師の管理下に妊娠前から1日4-5mgの葉酸を摂取すること」で神経管閉鎖障害の発症リスクを低くすることが期待できます。

ただし、1日の葉酸の上限量をはるかに超える摂取量となります。葉酸過剰摂取に伴う影響もあるので、必ず医師の管理下におこなうことが重要となります。

葉酸が含まれている食事は?

葉酸が多く含まれている食事は主に「野菜」です。

具体的な食材として、「ほうれん草」「モロヘイヤ」「アスパラガス」「ブロッコリー」「枝豆」などが挙げられます。また、肉では「鶏レバー」、海藻では「焼きのり」、果物では「いちご」、豆類などに葉酸は多く含まれています。

葉酸の働きを助ける栄養素は?

亜鉛

亜鉛は、「タンパク質の合成」や「免疫機能」「糖代謝」などに関係している栄養素です。
食物に含まれる葉酸を体内に取り込むために酵素が必要なのですが、亜鉛が酵素の働きを助けてくれます。
「カキ」「とり肉」、「カニ」などの魚介類、豆類、ナッツ類などの食材に多く含まれています。

ビタミンC

ビタミンCは、コラーゲンというタンパク質を作るために必要な栄養素です。皮膚や粘膜の健康を維持する働きもします。また、体内で活性化された葉酸を維持する働きもあります。
柑橘類などの果物や野菜、いもなどの食材に多く含まれています。

ビタミンB6

ビタミンB6は、タンパク質を合成し、筋肉や血液を作るために必要な栄養素です。また、体内で活性化された葉酸の代謝にも関わっています。
「カツオ」「マグロ」「サケ」などの食材に多く含まれています。

ビタミンB2

ビタミンB2は、糖質・脂質・タンパク質を代謝してエネルギーにする働きをしています。また、体内での葉酸の代謝にも関わっています。
「うなぎ」「ぶり」「モロヘイヤ」などの食材に多く含まれています。

ビタミンB12

ビタミンB12は、葉酸と協力して赤血球中のヘモグロビンの生成に関わっています。ビタミンB12が不足すると貧血となってしまいます。また、ビタミンB12は体内での葉酸の再生成に関わる酵素の働きを助ける役割もしています。
「カキ」「あさり」「さば」などの食材に多く含まれています。

まとめ

  • 葉酸が不足すると「神経管閉鎖障害」のリスクが上がります。
  • 葉酸は「妊娠する1ヶ月以上前」から摂取するようにしましょう。
  • 妊活中の場合は、「1日0.24mg」に加えて、サプリメントなどの栄養補助食品から「1日0.4mg」摂取するようにしましょう。
  • 葉酸に加えて、「亜鉛」「ビタミンC」「ビタミンB6」「ビタミンB2」「ビタミンB12」などの栄養素もバランスよく摂取しましょう。

必要な栄養は食事から摂取することが原則です。

しかし、食事からはどうしても摂りにくい栄養素や不足しがちな栄養素などもあり「サプリメント」をうまく活用することが大切です。

ただし、注意点もあります。
「サプリメントを摂れば摂るほど健康になれる!」と思い込んで、過剰に摂取してしまう人も中にはいます。過剰摂取によって、悪影響となる栄養素(とくにビタミンAなど)もあるので注意が必要です。

サプリメントを摂るときには、栄養素の適正量を意識して、用法・用量をかならず守るようにしましょう。

妊娠を考えた場合には、食事・睡眠・運動など日常生活を改めて振り返ることになります。
今まで行ってきたことを変えるには大変ストレスがかかることかと思います。
しかし、妊娠してくる赤ちゃんのためにも少しでも良い環境になるように、一つずつで良いので頑張っていきましょう。

この記事によって「妊活中の葉酸の摂取」についての理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。

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