月経と排卵の違いについて

結論ですが

月経とは、厚くなった子宮内膜が剥がれ落ちて出血とともに排出されること
排卵とは、卵巣の中の卵胞から「卵子」が排出されることをいいます。

この記事は「自分の体に関心のある」女性に向けて書いています。
女性特有の疑問・悩み・不安などが解決できればと思っています
この記事を読むことで「月経と排卵の違い」についてわかります。

「月経」とか、「排卵」とか耳にするけど、実はよくわからない!?
という人もいます。

おそらく、「保健」や「生物」の授業で習ったことはあるかと思います。
しかし、ヒトの記憶は悲しいもので、忘れてしまっているでしょう。

多くの女性は、おおよそ月に1回「月経」を経験していると思いますが…

なぜ「月経」が起こっているのか?
「排卵」って何なのか?
「月経」と「排卵」との関係は?

実は、よくわかっていない場合もあるかと思います。
今回は、自分自身の体を見つめ直すという意味もこめて、「月経」と「排卵」について説明していきます。

この記事のまとめ

  • 「月経」とは、厚くなった子宮内膜が剥がれ落ちて出血とともに排出されることをいいます。
  • 「排卵」とは、卵巣の中の卵胞から「卵子」が排出されることをいいます。
  • 「月経」と「排卵」は違う現象ですが、妊娠成立に重要であり、ホルモンで調整されるという共通点があります。

月経と排卵の違いは?

「月経」(げっけい)と「排卵」(はいらん)は、異なる現象です。
「月経」は、厚くなった子宮内膜が剥がれ落ちて出血とともに排出されることをいいます。
それに対して、「排卵」は、卵巣の中の卵胞から「卵子」が排出されることをいいます。
「月経」と「排卵」は、女性が妊娠するためにとても大切な機能です。
では、「月経」と「排卵」について順にみていきましょう。

月経ってなんですか?

月経とは?

月経とは、厚くなった子宮内膜が剥がれて落ちて出血とともに出てくる現象のことをいいます。「月経」は、一般的に「生理」(せいり)ともよばれます。
「月経」は周期的に起こり、個人差がありますが、おおよそ1ヶ月に1回のタイミングで「月経」が来ます。ただし、妊娠が成立すると、「月経」はなくなります。

体で自然におこる現象のことを「生理現象」と言いますが、「生理」という言葉は幅広い概念となります。そのため、「生理」でなく「月経」が好まれて使われる場合が多いです。

月経の仕組み

月経は、卵巣から分泌される「エストロゲン」と「プロゲステロン」というホルモンによって子宮内膜の厚さが調整されて起こります。
まずは、「月経」から「排卵」までの間の「卵胞期」に、「エストロゲン」の作用によって子宮内膜が厚くなっていきます。
そして、「排卵」された後の「黄体期」に「プロゲステロン」の作用によって、厚くなった子宮内膜が安定化しフカフカのベッドのようになります。
妊娠が成立しないと「エストロゲン」と「プロゲステロン」が低下して、厚くなった子宮内膜が剥がれ落ちて、出血とともに出てきて「月経」(生理)が起こるのです。

月経の周期は?

「月経周期」とは、月経のはじまりから、次の月経が来るまでの期間のことを言います。
月経はおおよそ1ヶ月に1回のタイミングで来ることが多く、「月経周期」の正常範囲は「25日から38日」となります。
なお、月経周期が24日以下の場合は「頻発月経」、月経周期が39日以上の場合は「希発月経」
と言われます。

月経の期間は?

「月経期間」とは、月経のはじまりから、月経の終わるまでの期間のことを言います。
月経期間は、「3日間から7日間」が正常範囲となります。
なお、月経期間が2日間以下の場合は「過短月経」、月経期間が8日間以上の場合は「過長月経」と言われます。

排卵ってなんですか?

排卵とは?

「排卵」は、卵巣の中の卵胞から「卵子」が排出されることをいいます。
卵巣の中で「卵胞」が育っていきます。「卵胞」が十分に成熟すると、卵胞の壁がやぶれて、「卵子」が排出されますが、これを「排卵」といいます。
排卵された「卵子」は、卵管の先の部分にキャッチされて卵管の中に入ります。そして、卵管の中で、精子が来るのを待つのです。

排卵の仕組み

排卵は脳から分泌されるホルモンによって調整されています。
脳の下垂体という部分から分泌される「FSH」(卵胞刺激ホルモン)というホルモンの作用によって卵巣の中で「卵胞」が育っていきます。
そして、「卵胞」が十分に成熟すると、脳の下垂体という部分から分泌される「LH」(黄体化ホルモン)というホルモンの作用によって、卵胞の壁がやぶれて「排卵」が起こります。

排卵の時期

個人差がありますが、28日型の月経周期の場合は、排卵の時期は、おおよそ「月経14日目前後」にあたります。
妊娠を成立するためには、「自分の排卵の時期」をつかむことがとても大切です。
排卵の時期をつかむために、「基礎体温」「排卵チェッカー(LHサージ)」「子宮内膜の厚さ」「子宮頸管粘液」「卵胞の大きさ」などを確認します。
とくに「基礎体温」はご自身で出来る簡単な検査です。基礎体温をつけていき、「低温期」から「高温相」になる体温が上がる直前あたりが「排卵のタイミング」であると分かります。

月経と排卵の関係

「月経」と「排卵」は、異なる現象ですが、いくつか共通点もあります。

月経と排卵は妊娠成立に重要

妊娠が成立するためには「排卵」する必要があります。
排卵された「卵子」と「精子」が受精し、「受精卵」となって、子宮の中に着床するのです。
子宮内膜が周期的に厚くなることによって、「受精卵」が着床しやすい状態になっているのです。
ただし、妊娠が成立しないと、厚くなった子宮内膜は剥がれ落ちてしまい、「月経」が起こります。

月経と排卵はホルモンで調整される

月経と排卵ともに、ホルモンで調整されています。
月経は、卵巣から分泌される「エストロゲン」と「プロゲステロン」というホルモンによって。排卵は、脳から分泌される「FSH」「LH」というホルモンによって調整されています。
そして、「FSH」「LH」と「エストロゲン」「プロゲステロン」は、お互いに関係し合いながら、分泌が調整されており、周期的に「月経」や「排卵」が起こるようになっているのです。

月経周期と排卵

基本的には、「1回」の月経周期に対して、「1回」の排卵が起こります。
28日型の月経周期の場合は、排卵の時期は、おおよそ「月経14日目前後」にあたります。
しかし、排卵の時期は個人差があります。
妊娠を希望していて、「自分の排卵の時期」をつかみたい場合は、ご自身で「基礎体温」をつけるか、産婦人科を受診して相談してみてはいかがでしょうか。

まとめ

  • 「月経」とは、厚くなった子宮内膜が剥がれ落ちて出血とともに排出されることをいいます。
  • 「排卵」とは、卵巣の中の卵胞から「卵子」が排出されることをいいます。
  • 「月経」と「排卵」は違う現象ですが、妊娠成立に重要であり、ホルモンで調整されるという共通点があります。

妊娠を考えている場合は、自分自身の体と向き合うことが大切です。
とくに、「月経周期」を把握すること、「排卵の時期」をつかむことはとても重要です。

「月経」と「排卵」は妊娠するにあたって、とても重要です。
妊娠を希望して、自分の「排卵のタイミング」をつかみたい場合には産婦人科を受診して相談するようにしましょう。

また、「月経周期」によって毎回体調を崩す場合には、月経周期を把握することで、症状を予測し対策することが出来ます。月経の時や月経前の症状で悩まされている場合には、産婦人科を受診して相談するようにしましょう。

勇気をもって産婦人科を受診しましょう。産婦人科は困った人の味方です。

この記事によって「月経と排卵の違い」について理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です