子宮頸がんとは

結論ですが

子宮頸がんは、「子宮頸部」(子宮の入り口の部分)に「がん」(悪性腫瘍)ができる病気です。

この記事は「健康に関心のある」女性に向けて書いています。
女性特有の病気に関して理解を深めるお手伝いができればと思っています。
この記事を読むことで「子宮頸がん」についてわかります。

子宮頸がんってなんですか?

このような疑問にお答えします。

近しい関係の人が子宮頸がんにかかった。
子宮頸がんの治療で子宮を摘出した。
子宮頸がんによって若くして亡くなった

など耳にすることはありませんか?

「子宮頸がん」は若い女性に多いがんです。
そして、未来ある若者が命を落としている現状があります。

では、子宮頸がんとは何なのか?

今回は、「子宮頸がん」について説明したいと思います。

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この記事のまとめ

子宮頸がんとは

子宮頸がんとは

子宮頸がんは、「子宮頸部」(子宮の入り口の部分)に「がん」(悪性腫瘍)ができる病気です。

子宮には「子宮頸部」(子宮の入り口に近い部分)と「子宮体部」(子宮の奥の方の部分)の2つの部分に分かれます。そのうち「子宮頸部」に「がん」(悪性腫瘍)ができる状態が「子宮頸がん」です。

子宮頸がんの原因

子宮頸がんの原因のほとんどは「HPV」(ヒトパピローマウイルス)というウイルス感染が原因です。

「子宮頸部」に「HPV」が持続感染すると、「子宮頸部異形成」という前がん病変を経て、「子宮頸がん」に進行します。

子宮頸がんの影響

子宮頸がんは若い女性に多く、子宮頸がんの治療によって子宮を摘出する手術が必要だったり、最悪若くして死亡してしまう場合もあります。

子宮頸がんは若い女性に多いです。
子宮頸がんの治療によって子宮を摘出する手術が必要であり、子宮がなく子どもを産めない体になってしまうことがあります。
また、子宮頸がんが進行して、最悪若くして亡くなってしまう場合もあります。
子育て世代の母親が家族を残して亡くなるケースが多いので、「子宮頸がん」は別名「マザーキラー」とも言われています。

子宮頸がんの症状

自覚症状なし

子宮頸がんの早期には自覚症状がほとんどないことが多いです。
そのため、進行してから子宮頸がんが見つかることも少なくないです。

不正出血

子宮頸がんの症状として多いのが「不正出血」です。

「不正出血」(不正性器出血とも)は、月経以外の性器出血のことをいいます。
子宮頸がんでは、子宮の入り口の部分が出血しやすい状態になります。
とくに性交渉などで子宮の入り口がこすれると、「不正出血」としてみられることがあります。

帯下異常

子宮頸がんの症状として「帯下異常」があります。

「帯下異常」はおりものの異常のことです。
子宮頸がんでは、子宮の入り口の病変の炎症などによって、浸出液などが出てきて、おりものが増えたり、色が変わったり、感染するとにおいがきつくなったりします。

その他

子宮頸がんの病変が進行すると「下腹部痛」「腰痛」「背部痛」などの症状が起こります。
また、不正出血が悪化して「貧血」となったり、子宮頸がんの病変に感染して「感染症」が起こる場合もあります。

子宮頸がんの検査

細胞診

子宮頸がんの検査として「子宮頸部細胞診」があります。
これは、「子宮頸部」(子宮の入り口の部分)の細胞を採取して、その細胞を顕微鏡で拡大して見て「がん細胞」が存在するか検査します。

コルポスコピー・組織診

子宮頸がんの検査として「コルポスコピー・組織診」(コルポパンチ)があります。

これは、「子宮頸部」(子宮の入り口の部分)を「コルポスコピー」という拡大鏡を使って病変が疑わしい部分がないか確認し、疑わしい部分の組織の一部を採取します。
その組織を顕微鏡で拡大して「がんの組織」が存在するか検査します。

内診・直腸診

子宮頸がんの進行具体を評価するため「内診」「直腸診」が行われます。

腟口から指を挿入して「内診」を行います。「膀胱」や「直腸」「腟壁」など子宮のまわりに病変が進行していないか確認します。
また、肛門から指を挿入して「直腸診」を行います。子宮の後ろ側の直腸などに病変が進行していないかも確認します。

画像検査

子宮頸がんの進行具体を評価するため「エコー」「MRI」「CT」などの画像検査が行われます。

「エコー」はその場ですぐにでき、子宮頸がんの病変の「大きさ」などを確認します。
「MRI」では、子宮頸がんの病変の大きさに加えて、「膀胱」や「直腸」などの子宮のまわりの臓器に病変が進行していないか、骨盤内の「リンパ節」に病変が進行していないか等を確認します。
「CT」では、「肺」や「肝臓」などの臓器に遠隔転移がないか、骨盤内や大動脈まわりの「リンパ節」に病変が進行していないか等も確認します。

子宮頸がんの治療

子宮頸がんは、病変の広がり(進行期)によって治療法は決まります。また、「妊娠の希望」「健康状態」「病変の大きさ」「組織のタイプ」などによって、具体的な治療方針を決めていくことになります。

手術

子宮頸がんの治療として「手術」があります。

子宮頸がんの場合、基本的には「子宮全摘出術」以上の手術が必要になります。
摘出する範囲によって「単純子宮全摘出術」「準広汎子宮全摘出術」「広汎子宮全摘出術」などがあります。
あわせて「卵巣」も切除することが多いですが、条件によっては残すことも出来る場合があります。
また、場合によって子宮摘出と一緒に「リンパ節郭清術」(傍大動脈・骨盤)も行われます。

妊娠を希望する場合には、「広汎子宮頸部摘出術」(トラケレクトミー)や「円錐切除術」だけ行っておいて妊娠・出産が終了したら「子宮全摘出術」に移行するという方法が行われる場合もあります。

放射線治療

子宮頸がんの治療として「放射線治療」があります。

放射線治療は、病変に放射線を照射することで治療する方法です。
子宮頸がんでは、体外から放射線照射をする「外照射」と、子宮の中から放射線を照射する「腔内照射」があります。
放射線を照射する方法は、がんの種類や進行期によって異なります。

化学療法

子宮頸がんの治療として「化学療法」があります。

化学療法は、抗がん剤を使って「がん」を治療する方法です。
「抗がん剤」に加えて「分子標的薬」という種類の薬も併用することがあります。
また、放射線治療の効果を高めるために化学療法を併用する「CCRT」(同時化学放射線治療)なども行われます。

子宮頸がんの予防

子宮頸がんを予防するための方法として、「HPVワクチン」と「定期的な子宮頸がん検診」があります。

がん診療において、がんを早期発見・早期治療することに加えて、がんを予防して未然に防ぐことが大切です。
子宮頸がんでは、「HPVワクチン」と「定期的な子宮頸がん検診」によって予防することができます。

HPVワクチン

子宮頸がんのほとんどは「HPV」というウイルス感染が原因であり、「HPVワクチン」によって根本の原因を絶つことができます。
ただし、HPVにはいくつか型があるのですが、すべてをカバーできていないため「HPVワクチン」だけでなく「定期的な子宮頸がん検診」を組み合わせる必要があります。

定期的な子宮頸がん検診

「定期的な子宮頸がん検診」を受けることによって、子宮頸がんの予防につながります。

定期的な子宮頸がん検診によって、子宮頸がんの前がん病変である「子宮頸部異形成」を見つけることができます。「子宮頸部異形成」を早期発見・早期治療することによって、「子宮頸がん」を予防することにつながるのです。

まとめ

今回は「子宮頸がん」について説明しました。

子宮頸がんは、若い世代にとても大きな影響を与えます。

子宮頸がんは若い女性に多く、子宮頸がんの治療によって子宮を摘出する手術が必要だったり、最悪若くして死亡してしまう場合もあります。

子宮頸がんは、予防することができる「がん」です。
是非とも、「HPVワクチン」と「定期的な子宮頸がん検診」を受けるようにしましょう。

婦人科の受診は、ためらわれる人が多いかと思います。
しかし、病状が進行して手遅れになってしまうこともあります。

気になる症状があるときには、勇気をもって婦人科を受診しましょう。
婦人科は困った人の味方です。

この記事によって「子宮頸がん」の理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。

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