陰部がかゆい!冬も意外とかかってしまう「カンジダ腟症」

結論ですが

陰部がかゆい場合には、婦人科を受診するようにしましょう。

この記事は「症状で困っている」女性に向けて書いています。
女性特有のさまざまな疑問・不安・悩みなどが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「カンジダ腟症」についてわかります。

「カンジダ」というと、夏場に多いです。カビの一種である「カンジダ」は、夏場の暑くてジメジメした環境を好むので、カンジダには絶好の季節となります。

ただし、意外と冬にも「カンジダ腟症」は多い印象があります。
寒くて着込むと下着あたりが蒸れやすくなるのが原因かなと思っています。また、普段慣れていない毛糸のパンツや防寒用の下着のために、肌にダメージが与えられて、カンジダにかかりやすくなっている可能性も考えられます。

今回は「カンジダ腟症」について説明していきたいと思います。

この記事のまとめ

  • 陰部がかゆく、帯下異常もある場合は「カンジダ腟症」の可能性があります。
  • カンジダ腟症は「視診」「顕微鏡検査」「培養検査」などの検査が行われます。
  • 「カンジダ腟症」には「抗真菌薬」「腟洗浄」などの治療がおこなわれます。無症状の場合には基本的には治療はおこなわれません。

陰部がかゆい場合は「カンジダ腟症」かも…

陰部がかゆい場合は「カンジダ腟症」が原因の可能性があります。
かゆみの他に、おりものの量が多くなる、おりものがヨーグルトみたいな性状になるなどの「帯下異常」もあれば、カンジダ腟症の可能性が高いです。
「カンジダ腟症」以外にも、外陰部や腟に炎症を来し、かゆみを呈する病気があります。
例えば「湿疹」「接触性皮膚炎」「トリコモナス腟症」「萎縮性腟炎」「外陰部癌」などが挙げられます。また、糖尿病・膠原病・ベーチェット病などの全身疾患でも陰部のかゆみを来します。
かゆみの原因となる病気は何なのか念頭に入れながら診察していきます。

「カンジダ腟症」はどんな病気ですか?

腟や外陰部などに「カンジダ」(カビの一種)が感染して症状を呈することを「カンジダ腟症」や「外陰腟カンジダ症」といいます。
外陰部の「かゆみ」「発赤」「腫脹」などの症状を呈します。
また、おりものの量が増加し、白色でドロっとした塊を作るような性状を呈します。「酒粕」「お粥」「ヨーグルト」などの性状に似ています。

「カンジダ腟症」はどんな検査をおこないますか?

視診

診察の基本は病変部をみることであり「視診」は大切です。
まずは、かゆい場所である「外陰部」や「腟内」を観察します。腟内は「腟鏡」(クスコ)という器具を用いて観察します。おりものの量や性状を確認します。
カンジダ腟症は特徴的なおりものになるので、ほとんど視診のみでわかってしまいます。

顕微鏡検査

診断を確定するために、その場ですぐにできる「顕微鏡検査」をおこないます。
顕微鏡で拡大することで、おりものの中に「カンジダ」や「白血球」(病原菌をやっつけるときに現れる)などが存在しているか確認します。また、他の病原体がいないかも併せて確認します。

培養検査

顕微鏡検査でははっきりと病原体がわからない場合には、培養検査が行われます。
これは、おりものの中に病原体が存在していれば、培養することによって病原体が増殖することになります。すると病原体が何なのかわかりますし、その病原体に効果のある「抗真菌薬」や「抗生剤」が何なのかわかります。

「カンジダ腟症」はどんな治療をおこないますか?

抗真菌薬

 治療は、カンジダをやっつける薬である「抗真菌薬」が使われます。
これは腟内に挿入する「腟錠」、軟膏やクリームなどの「塗り薬」、「飲み薬」や「注射」などがあります。

腟洗浄

おりものが多すぎる場合には「腟洗浄」や「腟消毒」をおこなうことがあります。ただし、腟内を消毒する場合は「腟内の常在菌」(腟内を他の悪い菌から守っている存在)もやっつけてしまうため最近ではあまり行われないです。
消毒液は用いず、水で洗浄して「おりもの」をキレイに流す感じで行われます。

無症状の場合

陰部がかゆくなく、とくに無症状がなくても「カンジダ」を保菌している人がいます。
とくに症状がなければ基本的には治療は必要ないです。ただし、妊娠中の場合には、経腟分娩のときに赤ちゃんに産道感染することがあるので、無症状でも治療することが多いです。

その他

カンジダはジメジメした環境を好むため、通気性の良い下着を着用しましょう。
また、陰部は清潔に保つようにしましょう。ただし、腟内を頻繁に洗浄したり、ゴシゴシ洗ったり、刺激性のつよい石鹸を使ったりすると「腟内の自浄作用」が低下するため、それらの行為は控えましょう。
まれに性行為によってカンジダがうつることがあるので、治療が完了するまでは性行為は控えるようにしましょう。

まとめ

陰部がかゆく、帯下異常もある場合は「カンジダ腟症」の可能性があります。


カンジダ腟症は「視診」「顕微鏡検査」「培養検査」などの検査が行われます。

「カンジダ腟症」には「抗真菌薬」「腟洗浄」などの治療がおこなわれます。無症状の場合には基本的には治療はおこなわれません。

かゆみによって…

  • 夜眠れない、、
  • 作業に集中できない、、
  • かいてしまって肌にダメージが、、

などが起こります。
かゆみという症状は意外と深刻です。

少しでも早く「かゆみ」から解放されるために婦人科の受診をすすめます。

婦人科の受診は、ためらわれる人が多いかと思います。
女性のデリケートな部位の診察になるので、受診のハードルは高いかと思います。しかし、「かゆみ」という症状から解放されるためにも勇気をもって婦人科を受診するようにしましょう。婦人科は困った人の味方です。

この記事によって「カンジダ腟症」の理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です