なぜか母乳が出てきましたが大丈夫ですか?【乳汁漏出症】

結論ですが

妊娠も出産もしていないのに母乳が出てくる場合は「乳汁漏出症」とよばれます。

この記事は「症状で悩んでいる」女性に向けて書いています。
女性特有の症状の悩みが解決できればと思っています
この記事を読むことで「母乳が出てきたときの対応」についてわかります。

妊娠も出産もしていないのに、なぜか母乳が出てきました!?
このような症状で悩んでいるときには「高プロラクチン血症」が隠されている場合があります。
「高プロラクチン血症」では、「プロラクチン」というホルモンによって、母乳が出てくる場合があります。また、生理が来なくなり、生理が不規則になったり、不妊症などにもつながる可能性があります。

なぜか母乳が出てきましたがどうすればいいですか!?
この疑問に答えます。

今回は「乳汁漏出症」について説明していきたいと思います。

この記事のまとめ

  • 「乳汁漏出症」の原因として、「乳頭の刺激」「高プロラクチン血症」「乳腺の病気」などあります。
  • 「乳頭の刺激」は、体質によるものが多く、とくに問題になることはありません。
  • 「高プロラクチン血症」の原因として「くすり」「甲状腺機能低下症」「脳腫瘍」などがあります。
  • 「高プロラクチン血症」は、「薬物療法」「脳腫瘍の治療」「原因薬剤の変更・中止」などの治療がおこなわれます。
  • 「乳腺炎」や「乳腺症」「乳がん」などの「乳腺の病気」によって母乳が出てきます。

母乳が出てきた場合には

「母乳」は赤ちゃんに栄養をあたえ育てるものと思うでしょう。
しかし、妊娠も出産もしていないのに母乳が出てくることがありますが、「乳汁漏出症」とよばれます。
原因として、とくに病気ではないけれど「乳頭の刺激による」ものや、「高プロラクチン血症」という病気、「乳腺の病気」が隠れている可能性が考えられます。

乳頭刺激によるもの

乳頭を刺激し続けると、母乳が出てくる可能性があります。
とくに妊娠経験がある人は、とくに母乳がでやすい傾向にあるようです。
また、すこしでも乳頭がこすれただけだったり、他の人の赤ちゃんを見ただけで、母乳が出てくるような体質の人もいるようです。そのような場合は、検査をしても原因不明なことが多いです。

高プロラクチン血症によるもの

「高プロラクチン血症」とは、血液中の「プロラクチン」というホルモン値が高くなり、「乳汁分泌」や「無月経」などみられる疾患のことです。
ただし、「妊娠中」や「出産時」には、自然と「無月経」となるため除外されます。
また、産後の「授乳期間」は、自然と血液中の「プロラクチン」は高くなり、母乳が出てきて、無月経となるので、その時期も除外されます。

高プロラクチン血症の原因

高プロラクチン血症の原因は、「くすり」「甲状腺機能低下症」「脳腫瘍」などがあります。

くすり

くすりが原因の「高プロラクチン血症」のことを「薬剤性高プロラクチン血症」といいます。
とくに「ドパミン」の作用を抑制するくすりを使用すると「高プロラクチン血症」につながります。
たとえば、
「レセルピン」「メチルドパ」「ベラパミル」などの循環器薬、
「ハロペリドール」「クロルプロマジン」などの抗精神病薬、
「イミプラミン」「アミトリプチリン」などの抗うつ薬、
「メトクロプラミド」「H2遮断薬」などの消化器薬
などが挙げられます。

甲状腺機能異低下症

「甲状腺機能低下症」によって、「高プロラクチン血症」がおこります。
これは、「甲状腺機能低下症」がおこると、甲状腺ホルモンを産生するように「甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン」(TRH)というホルモンが脳の視床下部から分泌されます。すると、「甲状腺刺激ホルモン」(TSH)というホルモンが脳下垂体から分泌されます。「TSH」が甲状腺に作用して甲状腺ホルモンの分泌が促されます。
それとと同時に「TRH」の作用によってプロラクチンも分泌されるため「高プロラクチン血症」につながるのです。

脳腫瘍

脳の下垂体という部分で「プロラクチン」は産生されます。
プロラクチンをつくる腫瘍「下垂体腺腫」が出来て、「高プロラクチン血症」となります。「乳汁分泌」の症状に加えて、「下垂体腺腫」による圧迫によって「頭痛」や「視野障害」などの症状がおこります。

高プロラクチン血症の治療は?

薬物療法

「高プロラクチン血症」の治療には、「ドパミン作動薬」が使われます。
「ドパミン」の作用が増加すると「プロラクチン」の分泌は低下します。つまり、「ドパミン作動薬」によって「プロラクチン」は減少し、「高プロラクチン血症」は改善するのです。
具体的には、「カベルゴリン」「ブロモクリプチン」「テルグリド」などの「ドパミン作動薬」が使われます。

脳腫瘍の治療

プロラクチンをつくる腫瘍「下垂体腺腫」がある場合には、下垂体腺腫を摘出する「手術」(ハーディ手術)や「放射線治療」(ガンマナイフ)が行われます。
「プロラクチン」は脳の下垂体という部分で産生されます。プロラクチンをつくる腫瘍「下垂体腺腫」が出来ると「高プロラクチン血症」につながります。
その場合は「下垂体腺腫」に対する「摘出手術」や「放射線治療」がおこなわれます。

原因薬剤の変更・中止

「高プロラクチン血症」の原因となるくすりを使っている場合には、そのくすりを変更もしくは中止します。
とくに「循環器薬」「消化器薬」「抗精神病薬」「抗うつ薬」など使用していないかチェックします。「高プロラクチン血症」の原因となるくすりは、原則的に変更もしくは中止します。ただし、治療のために不可欠なものであれば、そのくすりを継続することもあります。担当医と相談するようにしましょう。

乳腺の病気によるもの

乳腺の病気によって、母乳がでてくる場合があります。
とくに「乳腺炎」や「乳腺症」「乳がん」などによって母乳が出てきます。

乳腺炎

乳頭の奥の方にある乳腺に炎症がおこると、緑色-黒色のねばねばした液体が出てくるようになります。抗生剤や痛み止めを使用して治療します。まれに、乳腺を切開して膿を出すこともあります。

乳腺症

乳腺に硬いかたまりができます。透明・黄色・うすい緑色の液体が出てくることがあります。困っている症状がなく、悪性腫瘍が否定されれば、基本的には治療の必要はありません。

乳がん

乳腺のがん(悪性腫瘍)が出来た場合、乳頭から乳汁や出血などが出てくることがあります。病変の広がりや組織のタイプなど精密検査をおこなって、それに応じた治療を受ける必要があります。

まとめ

  • 「乳汁漏出症」の原因として、「乳頭の刺激」「高プロラクチン血症」「乳腺の病気」などあります。
  • 「乳頭の刺激」は、体質によるものが多く、とくに問題になることはありません。
  • 「高プロラクチン血症」の原因として「くすり」「甲状腺機能低下症」「脳腫瘍」などがあります。
  • 「高プロラクチン血症」は、「薬物療法」「脳腫瘍の治療」「原因薬剤の変更・中止」などの治療がおこなわれます。
  • 「乳腺炎」や「乳腺症」「乳がん」などの「乳腺の病気」によって母乳が出てきます。

妊娠も出産もしていないのに、なぜか母乳が出てきた場合、
なにか重大な病気が隠れていないか心配になるかと思います。

まずは、母乳が出てくる原因を検査をおこなっていきます。
とくに「高プロラクチン血症」では、「生理が来なくなる」「生理が不規則」になる症状も起こるため、母乳が出てくる以外にも症状があれば必ず伝えるようにしましょう。

また、原因によっては妊娠がしにくい「不妊症」につながる場合もあります。
今後妊娠したい希望がある場合には、しっかりと検査をしてもらうようにしましょう。

「乳汁漏出症」で困っている場合には、担当医に自分の治療の希望をしっかりと伝え、治療方針などを相談するようにしましょう。
婦人科は症状で困っている人の味方です。

この記事によって「乳汁漏出症」の理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。

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