妊娠中の検査で「クラミジア」といわれました【母子感染】

結論ですが

妊娠中の検査で「クラミジア」といわれた場合には「しっかりと治療をすること」「感染を広げないようすること」が大切です。

この記事は妊婦さん向けに書いています。
妊娠中のさまざまな疑問、不安などが解決できればとおもっています。
この記事を読むことで「妊娠中のクラミジア感染」についてわかります。

母子感染予防のために、妊娠した人ほぼ全員にクラミジア検査がおこなわれます。とくに性器クラミジアの検査として、子宮入り口にクラミジアがいるか検査をします。

検査で陽性とわかった場合、とくに症状もないのに、なぜわたしが!?と思うことがあるかと思います。
じつは、クラミジアは無症状でも感染している場合があります。
妊娠中のクラミジア感染は、妊娠経過や赤ちゃんへの影響もあるため、検査で陽性だった場合にはしっかりと治療することが大切です。

今回は「妊娠中のクラミジア感染」について説明していきたいと思います。

この記事のまとめ

  • クラミジア感染の治療は「妊娠中に使用できる薬をつかう」「治療効果を判定する」「治療中は性行為をひかえる」ことが重要です。
  • 赤ちゃんが産道感染した場合、「結膜炎」「咽頭炎」「肺炎」などが引き起こされます。また、炎症によって「流産」や「早産」の原因になることもあります。
  • クラミジア感染をひろげないために、「パートナーの検査・治療」「口腔内クラミジアの確認」「コンドームの使用」が大切です。

妊娠中にクラミジア感染といわれたら

妊娠中の検査で「クラミジア」といわれた場合には、しっかりとクラミジの治療をおこなうこと、クラミジア感染を広げないようすることが重要です。
具体的にどのようにクラミジアの治療をおこなうか、なぜ治療をするべきか、クラミジア感染を広げないようにするためについて説明していきます。

クラミジア感染の治療

クラミジア感染は「性行為」で感染したり、「産道感染」などおこします。お腹の赤ちゃんのために、しっかりと確実に治療することが大切です。
治療をするうえで重要な3つのポイントを説明していきます。

  1. 妊娠中に使用できる薬をつかう
  2. 治療効果を判定する
  3. 治療中は性行為をひかえる

1.妊娠中に使用できる薬をつかう

クラミジア感染の治療としてクラミジアをやっつける抗生剤の薬をつかいます。
「アジスロマイシン」「クラリスロマイシン」「ミノサイクリン」「ドキシサイクリン」「レボフロキサシン」「トスフロキサシン」などのクラミジアの治療薬があります。
その中で、妊娠中の性器クラミジア感染の治療として妊娠中にも安全に使うことができる「アジスロマイシン」「クラリスロマイシン」という種類の抗生剤が使われます。

2.治療効果を判定する

「アジスロマイシン」「クラリスロマイシン」を使用すると、ほぼ確実に治療できます。
ただし、ごくまれにそれら抗生剤の効果が効きにくい状態があったり、「ピンポン感染」によるクラミジアの再感染をおこしてしまうことがあります。
このように治療が不十分となる可能性があるので、クラミジアの治療をして3-4週間後に検査をして確実に治療されているか治療効果を判定します。

3.治療中は性行為をひかえる

クラミジア感染は性行為によって感染がひろがります。たとえ妊娠中であっても、感染を広げないように性行為をひかえてください。性行為をひかえることも治療のひとつです。
かならず、治療効果を確認して担当医の許可が出てから性行為を再開するようにしましょう。

クラミジア感染の赤ちゃんへの影響

子宮の入り口にクラミジア感染していた場合、お産のとき赤ちゃんが産道を通過するときにクラミジア感染する可能性があります。赤ちゃんが産道を通るときに感染することを「産道感染」といいます。
赤ちゃんが産道感染した場合、「結膜炎」「咽頭炎」「肺炎」などが引き起こされます。
また、性器クラミジア感染によって、子宮入り口の部分の炎症がひきおこされ「流産」や「早産」につながることもあります。

それらを予防するために、妊娠した人は全員にクラミジアのスクリーニング検査がおこなわれます。検査でクラミジア感染が判明した場合には、しっかりと治療することが大切です。

クラミジア感染を広げないようにするために

クラミジアは「性行為」によって感染がひろがります。治療とともに感染が広がらないように対策するという視点が大切になります。
クラミジア感染を広げないようにするための3つのポイントを説明していきます。

  1. パートナーの検査
  2. 口腔内クラミジアの確認
  3. コンドームの使用

1.パートナーの検査

クラミジア感染している場合、性行為をしている相手にもクラミジア感染していることがあります。クラミジアは無症状でも感染していることがあります。
もし、パートナーがクラミジア感染していた場合、自分が治療をうけてなおっても、またパートナーからうつされてしまう「ピンポン感染」をすることがあります。
かならず、パートナーにも検査や治療をうけることをすすめましょう。

2.咽頭クラミジアの確認

近年「オーラルセックス」によるクラミジアの咽頭(のどの部分)感染がおおくなっています。性器と咽頭が同時にクラミジア感染していることもあります。
とくに咽頭クラミジア感染では治療に時間がかかることがあります。
咽頭クラミジアの可能性がある場合には、咽頭からクラミジア感染が広がっていかないように検査をしてしっかりと治療することが大切です。
また、性器クラミジアと同様に治療効果の判定をおこないます。

3.コンドームの使用

妊娠している場合、コンドームをつけるという発想はないかとおもいます。
しかし、クラミジアふくめ性感染症を予防するためにコンドームの着用は有効です。
また、精液にふくまれるプロスタグランジンという成分が子宮収縮の作用があり「流産」や「早産」につながる可能性があります。
妊娠中の性行為にはコンドームを使用することをオススメします。

まとめ

クラミジア感染の治療は「妊娠中に使用できる薬をつかう」「治療効果を判定する」「治療中は性行為をひかえる」ことが重要です。

赤ちゃんが産道感染した場合、「結膜炎」「咽頭炎」「肺炎」などが引き起こされます。また、炎症によって「流産」や「早産」の原因になることもあります。

クラミジア感染をひろげないために、「パートナーの検査・治療」「口腔内クラミジアの確認」「コンドームの使用」が大切です。

そして一番重要な点ですが、
妊娠中の検査で「クラミジア」といわれた場合には「しっかりと治療をすること」「感染を広げないようすること」が大切です。

妊娠中クラミジア感染した場合「どこからうつされたのだろう」「なぜ感染しているだろう」とか思いを巡らせる人が多いです。
しかし、検査でクラミジア感染が判明した以上、しっかりと向き合って、お腹の中の赤ちゃんのためにもしっかりと治療をしていきましょう。

この記事によって「妊娠中のクラミジア感染」の理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。