がんと言われましたが「下痢」がひどいです!【下痢】

結論ですが

がんに伴い「下痢」がひどい場合は原因をみつけ症状が和らぐように対応します。

この記事は「がんに伴う下痢で困っている」人に向けて書いています。
がんに伴う症状の悩みが解決できればと思っています
この記事を読むことで「がんに伴う下痢」についてわかります。

「下痢」はがん患者だけでなく、誰もが経験するものと思います。
とくにがんをわずらっている場合は、治療や病状の進行にともなって「下痢」を経験することがあります。

  • 下痢によって、ずっとトイレにこもりっぱなし
  • すぐにトイレに行かなければならない
  • オムツが必要

など生活に支障きたします。
下痢がひどくなると、「生活の質」(QOL)低下だけでなく、脱水によって「血栓」につながったり、電解質異常から「不整脈」などにつながります。
下痢をうまく治療し付き合っていくことが大切です。

今回「がんに伴う下痢」について説明していきます。

この記事のまとめ

  • 下痢は「排便回数の増加、または便の水分の増加、あるいは双方が同時に起こること」です。
  • 下痢の原因は、「くすり」「胃腸炎」「放射線性腸炎」「脂肪便」などがあります。
  • 下痢に対して「原因の除去」「くすり」「水分・電解質の補充」などの対応します。

そもそも「下痢」とは?

「最近、下痢気味です。」とか、
「下痢で困っています」
などの訴えが多いですが、そもそも下痢とは何でしょうか?

たまに「軟便」(なんべん)という、便がやわらかい状態も「下痢」と思っている人がいますが、これは誤解です。通常よりやわらかい便のことを「軟便」とよばれ、下痢ではないです。
下痢の定義は「排便回数の増加、または便の水分の増加、あるいは双方が同時に起こること」とされています。「24時間以内に3回以上の無形便」と定義されることもあります。
下痢によって、体内の「水分」や「電解質」が失ってしまいます。重症な場合、便を我慢できず漏らしてしまう「便失禁」となってしまうこともあります。

なぜ「下痢」がおこりますか?

くすり

便秘気味のときに便をやわかくする「下剤」など使われます。この「下剤」の量が多かったり、効きすぎてしまう場合、便がやわらかくなりすぎてしまい「下痢」になります。
また、感染の治療に使われる「抗生剤」によって、腸内細菌のバランスがくずれて「下痢」の原因となります。また、抗生剤治療によってクロストディジウムという最近が増殖して「偽膜性腸炎」が起こり慢性的な「下痢」となってしまいます。
また、がんの治療のため「抗がん剤」が使われると、腸の粘膜が障害されて「下痢」につながります。

胃腸炎

胃腸炎は、おもにウイルス感染によっておこります。
「吐き気」や「おう吐」に加えて、水のような「下痢」を起こします。
おもに食事を通して感染をおこします。

放射線性腸炎

がんの治療のため放射線治療が行われた場合、腸など消化管にも放射線がかかってしまうことがあり「放射線性腸炎」がおこります。
腸の粘膜に炎症がおこるため、水のような「下痢」を起こします。

脂肪便

脂肪便とは、過剰の脂肪を含む(1日あたり20g以上)便のことです。
便の色は白色となり、水よりも軽いため、水に浮きます。トイレで水に流すことが難しいです。
膵臓から出てくる消化液が不十分なため、脂肪が十分に消化されないことによって「脂肪便」となります。「膵がん」「慢性膵炎」「胃切除手術」などが原因で起こります。

「下痢」にはどんな対応をしますか?

原因の除去

下痢の原因があればそれを除去します。
たとえば、下剤の量が多いことがが原因であれば、下剤の量を少なくしたり、中止します。
また、抗生剤を使ってから下痢を起こした場合は、病状にもよりますが、整腸剤で下痢をおさえる、もしくは抗生剤の種類を変更したり、中止など判断します。
抗がん剤が原因の場合は、ほとんどが下痢を改善する薬を使って下痢をおさえながら治療をすすめることが多いです。あまりにも下痢がひどくて、生活に支障が出るようであれば、抗がん剤の種類を変更したり、治療自体どうするか相談します。

くすり

乱れた腸内細菌のバランスを整えるために「整腸剤」が使われます。これは、おもに乳酸菌という善玉の菌を摂取することで腸内細菌のバランスが整います。
また、腸の蠕動運動をおさえる「止痢剤」で下痢をおさえます。ただし、感染による下痢の場合は、病原体の増殖を助長してしまうため使えません。
ひどい下痢の場合は、痛みをコントロールするために使われる医療用麻薬である「オピオイド」や炎症をおさえる効果のある「ステロイド」など使われます。

水分・電解質の補充

下痢の場合、体内の水分や電解質が失われてしまいます。脱水や電解質異常となってしまい、重症化すると「血栓症」「不整脈」などがおこります。
水分をとると、下痢になるからと摂らない人がいますが、しっかりと水分補給をしましょう。
できれば、水・お茶でなく、電解質の入っているスポーツドリンクなどが適切です。ただし、市販のスポーツドリンクは糖分が多いため、水でうすめて塩をわずかに溶かして飲むと良いでしょう。下痢が重症で、脱水や電解質異常などある場合は、「点滴」などで水分や電解質を補充します。

まとめ

下痢は「排便回数の増加、または便の水分の増加、あるいは双方が同時に起こること」です。

下痢の原因は、「くすり」「胃腸炎」「放射線性腸炎」「脂肪便」などがあります。

下痢に対して「原因の除去」「くすり」「水分・電解質の補充」などの対応します。

「下痢」がひどくなると、お腹が痛かったり、肛門があれてしまいます。
ずっと下痢がつづくと、トイレにこもりっぱなしだったり、重度になると「脱水」「電解質異常」でかなりしんどい状態になります。

下痢の原因が判明すれば、原因を除去するとともに、くすりを使って「下痢」をコントロールすることが大切です。また、「脱水」「電解質異常」など重度になった場合、水分や電解質を補充します。

この記事によって「がんに伴う下痢」に対する理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。

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