子宮腺筋症といわれましたがどうすればいいですか?【子宮腺筋症】

結論ですが

子宮腺筋症の治療は、病変の大きさ、症状の程度、今後の子供の希望、悪性疾患の可能性など総合的に判断して行われます。

この記事は「病気を指摘された」女性に向けて書いています。
女性特有の病気に関して理解を深めるお手伝いができればと思っています。
この記事を読むことで「子宮腺筋症」についてわかります。

婦人科の検診などでエコー検査を受ける機会があるかと思います。
そこで「子宮腺筋症」を指摘されることがあります。

症状や心当たりはとくにないのに「子宮腺筋症」が見つかる場合もあります。
自分は健康で日常生活でとくに問題ないのに「子宮腺筋症」が見つかって驚く人もいます。

子宮腺筋症は良性疾患であり、必要以上に不安になることはありません。正しい知識をつけて、対策をして備えることが大切です。

今回「子宮腺筋症」について説明していきます。

この記事のまとめ

  • 子宮腺筋症は、子宮内膜の成分が子宮の筋肉の中で増殖して、子宮が腫れる病気です。
  • 子宮腺筋症は「月経異常」「鉄欠乏性貧血」「腹部圧迫感」「腹部腫瘤感」「妊娠への影響」「頻尿」などの症状を来します。
  • 子宮腺筋症の治療は、子宮筋腫の大きさや位置、症状の程度、今後の子供の希望など総合的に判断して行われます。

子宮腺筋症ってどんな病気ですか?

子宮腺筋症は、子宮に腫れてしまう病気です。子宮内膜の成分が、子宮の筋肉の中で増殖して子宮が腫れます。
30代後半から40歳代にかけての女性に多くみとめられます。また、お産をしたことのある人に多くみとめられます。

子宮腺筋症はどんな症状がおこりますか?

月経異常

月経量が多くなる「過多月経」、月経の期間が長くなる「過長月経」、月経の痛みがひどくなる「月経困難症」、「月経不順」「不正性器出血」などの症状がおこります。

鉄欠乏性貧血

とくに月経量が多くなる「過多月経」や月経の期間が長くなる「過長月経」になると、月経による出血量が増えるため鉄欠乏性貧血を来たすこともあります。

腹部圧迫感・腫瘤感

子宮腺筋症が大きくなると、お腹の中から圧迫された感じがする「腹部圧迫感」やお腹の中に何かかたまりがある感じがする「腹部腫瘤感」を来します。

妊娠への影響

子宮腺筋症は子宮内膜症と合併していることが多く、卵管の通り道が妨げられて「不妊」の原因となってしまうことがあります。また、妊娠しても子宮がうまく伸展せずに、「流産」や「早産」につながってしまうこともあります。

その他

子宮腺筋症が大きくなると、膀胱が圧迫されて刺激されて、おしっこがしたい感じとなり、尿の回数が多くなる「頻尿」を来します。
また、子宮腺筋症の部位に感染すると「発熱」「下腹部痛」などの症状が出たり、「腰痛」などの症状を来します。

子宮腺筋症はどんな検査をおこないますか?

内診

両手を使って、「お腹」からの腹診と「腟口」からの内診指の両方から挟み込むようにして「子宮」や「卵巣」などを診察します。「子宮」が大きく腫れていないか、「子宮」や「卵巣・卵管」の可動性を確認して癒着を評価したりします。

エコー

エコー検査で「子宮の大きさ」を評価します。子宮が腫れていれば、子宮の大きさ・腫れている部位など確認します。
子宮腺筋症をさらに詳しく評価するために「MRI」などさらなる画像検査をおこないます。「子宮腺筋症」に合併しやすい「子宮筋腫」がないか、悪性疾患の可能性がないかなど併せて評価します。

血液検査

子宮腺筋症に伴う「過多月経」や「過長月経」などによって鉄欠乏性貧血を来すことがあります。血液検査で、「Hb」(ヘモグロビン)という値を測って「貧血」の評価をします。
内膜症の合併では「CA125」という腫瘍マーカーが上がることがあるため併せて血液検査で評価します。

子宮腺筋症はどんな治療をおこないますか?

子宮腺筋症の治療は、病変の大きさや位置、症状(痛み・貧血・圧迫症状など)の程度、今後の子供の希望、悪性疾患の可能性など総合的に判断して行われます。

経過観察

症状が落ち着いており、明らかに良性の子宮腺筋症と判断した場合は、とくに治療を行なわずに経過観察することが多いです。定期的に受診していただき、子宮腺筋症を大きさをフォローしたり、症状が悪化したり新たに困った症状が出現しないかみていきます。

対症療法

子宮腺筋症にともなう症状があれば、それを落ち着かせる「対症療法」をおこないます。たとえば、月経痛や下腹部痛など「痛み」があれば痛み止めで対応します。また、「貧血」があれば鉄剤による治療や月経量を抑えるための治療を行ったりします。月経量を抑えるために「ホルモン剤」「漢方」「止血剤」などのくすりを使います。

手術

子宮腺筋症の病変のみを摘出する「子宮腺筋症核出術」や、根本的治療となる「子宮全摘出術」などがおこなわれます。
「子宮腺筋症核出術」は子供を希望し子宮を残したい場合に行われますが、子宮自体は残るので子宮腺筋症が再発してくる可能性があります。また、子宮腺筋症の病変分布のタイプによっては、病変を大きく切除して、子宮形成術を要する場合があります。なお、悪性疾患の可能性が高いようであれば、「子宮全摘出術」以上の治療が行われます。

まとめ

子宮腺筋症は、子宮内膜の成分が子宮の筋肉の中で増殖して、子宮が腫れる病気です。

子宮腺筋症は「月経異常」「鉄欠乏性貧血」「腹部圧迫感」「腹部腫瘤感」「妊娠への影響」「頻尿」などの症状を来します。

子宮腺筋症の治療は、子宮筋腫の大きさや位置、症状の程度、今後の子供の希望など総合的に判断して行われます。

「子宮腺筋症」に対して正しい知識をつけて、対策をして備えることが大切です。
この記事によって、「子宮腺筋症」の理解が深まり一人でも多くの人に役立つことを願っています。

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