結論ですが、
AIHとAIDの違いは、人工授精において「使用される精液」による違いとなります。
この記事は「こどもが欲しい」と思っているヒトに向けて書いています。
婦人科受診に関する疑問・悩み・不安などが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「AIHとAIDの違い」についてわかります。
AIHとAIDの違いって何ですか?
このような疑問にお答えします。
ここ最近、晩婚化の影響を受け、妊娠・出産する年齢が高くなってきております。
加齢に伴って妊娠率は低下するという事実があるため、
「自分は妊娠する体なのだろうか…」と心配して「不妊症」に関して相談する人は多いです。
不妊治療を行うとなると、「ART」「AIH」「AID」などの略語を多く見かけるかと思います。
略語が多すぎて、全然わからない…なんていう人も多いかと思います。
今回は、人工授精において登場する「AIHとAIDの違い」について説明したいと思います。
「宮の沢スマイルレディースクリニックホームページ」
https://www.miyanosawa-smile-lc.com/
この記事のまとめ
1.人工授精とは
人工授精とは、排卵のタイミングに合わせて、夫の精液を調整したものを子宮の中に注入する方法です。
女性側の「排卵のタイミング」に合わせて、「人工授精」が行われます。
採取された精液は、妊娠しやすいように洗浄・濃縮処理を行い調整してから、子宮の中に注入して「人工授精」がおこなわれます。
「人工」という言葉から、自然ではないという印象を持つかと思います。
しかし、医療介入としては子宮の中に精子を注入する操作が行われるのみであり、それ以外の「受精」「着床」などの妊娠に至るまでのプロセスは自然妊娠と同じとなります。
2.AIHとは
「AIH」とは、「Artifical Insemination with Husband’s semen」の略です。
「Husband’s semen」とあるように、「AIH」では「夫の精液」を使用して、「人工授精」が行われます。
3.AIDとは
「AID」とは、「Artifical Insemination with Donor’s semen」の略です。
「Donor’s semen」とあるように、「AID」では夫以外の「男性ドナーの精液」を使用して、「人工授精」が行われます。
とくに「無精子症」など男性不妊で自然妊娠が望めない場合に「AID」が行われることがあります。
4.AIHとAIDの違い
AIHとAIDの違いは、人工授精において「使用される精液」による違いとなります。
「AIH」では「夫の精液」を使用して、「人工授精」が行われます。
一方、「AID」では夫以外の「男性ドナーの精液」を使用して、「人工授精」が行われます。
つまり、AIHとAIDの違いは、「使用される精液」による違いとなります。
5.AIDの問題点
AIDでは、さまざまな倫理的・社会的な問題点もあります。
AIDによって出生した子どもは、「生みの親」(遺伝的な父親)と「育ての親」(養育する父親)が別になります。
海外で、AIDで出生した人に対する「出自を知る権利」が認められる判決が出ており、そうした背景から、出生児が大きくなったら「生みの親」を知ることになり、「精液を提供したドナー」に対して養育する義務が発生する可能性があります。
そうしたリスクから、日本国内では「精液を提供するドナーの数」が大きく減っています。
たしかに、積極的にドナーが精液を提供して、たくさんの子どもが生まれた時に、そのすべての子どもを養育しなければならないとなったら、時間も手間も半端なく負担がかかることになりますね。
しかも、日本国内ではAIDによる出生児の扱いが法的に十分な整備されていないため、「精液を提供したドナー」にかかるリスクは、はかりしれないものになります。
また、AIDによって一人のドナーによる子どもが増えると、そのドナーから生まれた者どうしが結婚してしまう「近親婚」が増加することになります。
すると、潜在化されていた遺伝病の発現が促されてしまい、遺伝病の罹患が増えてしまうというリスクもあります。
まとめ
今回は「AIHとAID」について説明しました。
今の時代、こどもはとても貴重です。
こどもがいないと、将来の日本が衰退してしまいます。
こどもが欲しいと思っている人をクリニックをあげて全力でサポートしたいと思います。
この記事によって、「AIHとAID」についての理解が深まり、一人でも多くの人が子どもを授かり喜ぶことを願っています。
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