結論ですが
「がん」による「組織障害」「炎症」「神経障害」などによって痛みが生じます。
この記事は「健康に関心のある人」に向けて書いています。
病気に関して理解を深めるお手伝いができればと思っています。
この記事を読むことで「がんによる痛み」についてわかります。
以前であれば「がん」といえば不治の病とされていました。
今は「がん」に関しての研究がさまざま行われ、たくさんの治療法が開発されており、治せる病気になってきています。
しかし、がんの種類や進行期によっては完治が難しい場合もあります。
がんの進行によって「痛み」をともなう場合も少なくありません。
なぜがんによって痛みがおこるのか?
こうした疑問にお答えします。
今回は「がんによる痛み」について説明していきたいと思います。
この記事のまとめ
- 「痛み刺激」が感覚神経を通じて「脳」へと伝わり痛みを感じます。
- 「がん」による「組織障害」「炎症」「神経障害」などによって痛みが生じます。
- 「身体的痛み」だけでなく、「精神的痛み」「社会的痛み」「スピリチュアルな痛み」などがあります。
なぜ「痛み」がおこりますか?
組織への圧迫や炎症などおこると「痛み刺激」が起こります。それが痛みを感じるセンサー(侵害受容器)が刺激されて「痛みの信号」が生じます。そして、「痛みの信号」は感覚神経を通じて「脳」へと伝わり、「痛い」と感じるのです。
なぜ「がん」で痛みますか?
がん細胞は「自己増殖」「浸潤」「転移」という3つの特徴をもっているものをいいます。
がん細胞が「転移」により、あらゆる場所で「自己増殖」し、その組織に「浸潤」することによって痛みが起こります。
組織障害
「がん」による「圧迫」や「浸潤」によって「組織障害」がおこり「痛み刺激」が引き起こされます。そして、「痛みを感じるセンサー」(侵害受容器)が刺激されて「痛みの信号」が生じ、感覚神経を通じて「脳」へと伝わり、「痛い」と感じます。
炎症
「がん」が「自己増殖」と「浸潤」を繰り返すと炎症がおこります。
「炎症」によって「痛みを感じるセンサー」(侵害受容器)が刺激されて「痛みの信号」が生じ、感覚神経を通じて「脳」へと伝わり、「痛い」と感じます。
神経障害
「がん」による「浸潤」によって感覚神経が障害されると、「痛みの信号」が「脳」へと伝わり、「痛い」と感じます。
他にもこんな痛みがあります
実は「痛み」にはただ単にからだの痛みを感じる「身体的痛み」だけでなく、さまざまな痛みがあります。「精神的痛み」、「社会的痛み」「スピリチュアルな痛み」などがあります。
「痛み」を全人的なトータルな痛みとしてとらえることが大切です。
精神的痛み
「精神的痛み」は「こころの痛み」のことです。
たとえば、がんの進行に対して「不安」や「悲しみ」などの悲観的な感情、がんへの治療効果がないことに対する「怒り」、痛みと死に対する「恐怖」「絶望感」などがあります。
また、「精神的痛み」は「身体的痛み」と深く関わっており、「不安」や「悲しみ」「抑うつ」などによって「身体的痛み」が強くなって感じることになります。
「身体的痛み」だけでなく「精神的痛み」へのケアが大切です。
社会的痛み
「社会的痛み」は、がんの進行にともなって今まで営んでいた「社会生活」ができなくなる痛みです。
たとえば、仕事ができなくなって家計などの「経済的な心配」、職場を失うことへの「社会的地位の喪失」や「喪失感」、家庭での役割の喪失、「疎外感」や「孤独感」などがあります。
スピリチュアルな痛み
日本人にはピンとこないかもしれませんが、宗教的や信条に対する痛みです。
たとえば、「なぜ神はこんなにも苦しめるのか」「なぜ私におこったのか」「人生にどんな意味と目的があるのか」「どうすれば過去の過ちが許されるのか」などの苦しみがあります。
まとめ
- 「痛み刺激」が感覚神経を通じて「脳」へと伝わり痛みを感じます。
- 「がん」による「組織障害」「炎症」「神経障害」などによって痛みが生じます。
- 「身体的痛み」だけでなく、「精神的痛み」「社会的痛み」「スピリチュアルな痛み」などがあります。
「痛み」はとってもイヤな苦痛です。
がんにともなう「痛み」をしっかりとコントロールすることで、よりよく、その人らしい生活が送ることにつながります。
がんの進行にともなって「身体的痛み」だけでなく、「精神的痛み」「社会的痛み」「スピリチュアルな痛み」なども引き起こります。
全人的なトータルな痛みとして対応することがとても大切です。
この記事によって「がんによる痛み」に対する理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。
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