結論ですが
「IADL」とは、「手段的日常生活動作」のことをいい、高度な生活機能を評価する目安となります。
この記事は「健康に関心のある」ひとに向けて書いています。
「IADLってたまに聞くけどなんだろう?」という疑問が解決できればと思っています
この記事を読むことで「IADL」についてわかります。
医療関係者の会話の中で
- 入院して「ADL」が低下した。
- 「ADL」が低いな
- 「ADL」を回復しないと退院できない
などいうことがあります。
「ADL」という言葉を聞くことは多いです。
それに派生して「IADL」という言葉があります。
アルファベットの略語が多く出てきて、拒否反応をおこすかもしれません。
「IADL」ってなんだろう?
この疑問にお答えします。
今回は「IADL」について説明していきたいと思います。
この記事のまとめ
- 「ADL」とは、日常生活を営む上で必要となる基本的な動作のことをいいます。
- 「IADL」とは、「手段的日常生活動作」のことをいい、生活する上でより複雑な行動を評価する目安となります。
- 「IADL」には「買い物」「清掃」「お金の管理」「料理」「公共交通機関の利用」などの項目があります。
ADLとは
あなたは「ADL」(エーディーエル)という言葉はご存知でしょうか?
「ADL」とは、「Activity of Daily Living」の略語であり、直訳すると「日常生活動作」ということになります。
「ADL」とは、日常生活を営む上で必要となる基本的な動作のことをいいます。
病気や加齢などによって、介護が必要になる人が、どの程度生活のサポートが必要なのかの目安となります。
IADLとは
「IADL」とは、「Instrumental Activity of Daily Living」の略語であり、直訳すると「手段的日常生活動作」ということになります。
「電話の使い方」「買い物」「家事」「外出」「服薬の管理」「金銭の管理」など「ADL」(日常生活動作)ではとらえられない、生活する上でより複雑な行動を評価する目安となります。
とくに在宅で生活できるかどうか判断する上で「IADL」という指標が重要となります。
IADL
IADLの具体的な指標として、厚生労働省では以下の8項目を挙げています。
電話を使用する
電話をかけるときには、「相手の電話番号を調べる」「ダイアルを押す」「相手と会話する」ということが出来る必要があります。また、電話を受けとるときには「相手が誰か確認する」「相手と会話する」などが出来る必要があります。
ちなみに、相手が誰かしっかりと確認することは「振り込め詐欺」を防ぐためにも重要です。若い人でも要注意です。
買い物
買い物をするためには、「必要なものを把握する」「必要なものが売っているお店に行く」「必要な商品を選ぶ」「商品を購入する」ということが出来る必要があります。すべて自分でおこなうことが出来るか評価します。
食事の準備
食事の準備するために、「食材を買うこと」「料理・調理をすること」「盛り付けすること」などが必要になります。
また、毎日の献立を考えたり、栄養バランスを考えたりと、高度な能力が必要となります。
清掃
家の中をキレイに保つようにすることです。
ものを取り出しやすいように「整理整頓」をおこない、「定期的に掃除」をおこなって、家の中を清潔に保つ必要があります。
洗濯
洗濯するためには「汚れた衣類などをまとめる」「洗濯機に入れる」「洗濯機を回す」「洗濯物を干す」「たたむ」「しまう」などの動作があります。
今は、乾燥機付きの洗濯機があったり、ハンガー収納でたたまないで収納するパターンもあるので、それらの工程を省略することは可能です。昔は洗濯板をつかって洗濯していたことを考えると、便利な世の中ですね。
移動
目的地に移動するために、「自分で運転することができるか」「公共交通機関を利用できるか」判断します。とくに旅行などではその準備も含めて、すべて自分でおこなうことが出来るか評価します。
服薬の管理
くすりを用法用量を守って、正しく飲むことができるか判断します。
とくに、「適切な量」を「適切な時間」に飲めるように自分で管理できるかどうか評価します。
お金の管理
自分の財産を管理する能力です。
銀行などでお金を引き出したり、お金の収入と支出をしっかりと把握する必要があります。自分で金銭管理できるかどうか評価します。
IADLの覚え方
「IADL」には多くの項目があります。
医療関係者が大まかに「IADL」をつかむために、「IADL」の項目を頭にいれておく必要があります。「IADL」は「SHAFT」と覚える方法があります。
これは
「Shopping」(買い物)
「Housekeeping」(清掃)
「Account」(お金の管理)
「Food preparation」(料理)
「Transport」(公共交通機関の利用)
の頭文字です。
ADLとIADL
「IADL」の能力は、「ADL」とくらべて複雑な能力が必要です。
なので、「IADL」の低下は「ADL」の前段階で起こってきます。
繰り返しですが、とくに在宅で生活できるかどうか判断する上で「IADL」という指標が重要となります。住み慣れている家で安全安心に生活するために「IADL」という能力が大切なのです。
まとめ
- 「ADL」とは、日常生活を営む上で必要となる基本的な動作のことをいいます。
- 「IADL」とは、「手段的日常生活動作」のことをいい、生活する上でより複雑な行動を評価する目安となります。
- 「IADL」には「買い物」「清掃」「お金の管理」「料理」「公共交通機関の利用」などの項目があります。
高齢化社会の中、高齢者をサポートする仕組みが必要です。
人は誰でも年齢を重ねると、身体機能や認知機能が低下していきます。
そして、日常生活を送るのが難しくなって、介護が必要となります。
その介護がどの程度必要なのか判断するために「ADL」というものが重要になります。
そして、在宅で生活できるかどうか判断するために「IADL」という指標が大切です。
自分が住み慣れた家で生活したい!
そんな思いをかなえるために、「IADL」という指標を活用して、安心安全に生活できるか判断するのです。
「買い物」「清掃」「お金の管理」「料理」「公共交通機関の利用」などが出来なくなってきたら「IADL」が低下しているサインかも。
自分がお世話をする人がいれば、確認してみてはいかがでしょうか?
この記事によって「IADL」の理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。
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