早発卵巣不全ってなんですか?

結論ですが

早発卵巣不全は、40歳未満で卵巣機能が低下して「無月経」となった状態です。

この記事は「病気を指摘された」女性に向けて書いています。
女性特有の病気の悩みが解決できればと思っています
この記事を読むことで「早発卵巣不全」についてわかります。

  • 若いのに生理が来ないです!
  • 妊娠ではないです!!
  • なかなか妊娠しないです!?


このような症状で悩んでいるときには「早発卵巣不全」が隠されている場合があります。

日本人は平均50歳前後に「閉経」します。
「早発卵巣不全」では40歳未満という若年に卵巣機能が低下して「閉経」することになります。「早発閉経」ともよばれます。

「早発卵巣不全」と診断された場合は、どうすればいいの?
この疑問にお答えします。

今回は「早発卵巣不全」について説明していきたいと思います。

この記事のまとめ

  • 早発卵巣不全は、40歳未満で卵巣機能が低下して「無月経」となった状態です。
  • 早発卵巣不全では「月経異常」「不妊症」「更年期症状」などの症状がおこります。
  • 早発卵巣不全は「40歳未満であること」「4-6ヶ月以上の無月経」「LH・FSHが高値」「女性ホルモンが低値」を満たすと診断されます。
  • 早発卵巣不全では「カウフマン療法」「GnRHアゴニスト」「排卵誘発」などの治療をおこないます。

早発卵巣不全ってなんですか?

早発卵巣不全は、40歳未満で卵巣機能が低下して「無月経」(生理が3ヶ月以上ない状態)となった状態です。早発卵巣不全は、「POF」(Premature Ovarian Failure)、「POI」(Premature Ovarian Insaficiency)などと呼ばれます。
生まれたときには卵巣の中に卵子は約200万個あるといわれています。その後徐々に少なくなっていき、約50歳で卵子が1000個以下になって「閉経」すると言われています。
早発卵巣不全では、なにかしらの原因で卵子の数が急激に少なくなったり、卵子の発育が障害されてしまうためにおこります。

早発卵巣不全の原因は?

医療行為によるもの

婦人科の病気などの治療で、医療行為が卵巣機能を低下させることがあります。
たとえば、「卵巣の手術」「抗がん剤治療」「放射線治療」などによって、卵巣へのダメージから「早発卵巣不全」につながります。

その他

「喫煙」によって卵巣機能が低下します。
また、「染色体・遺伝子の異常」、「免疫のバランスの乱れ」などが原因と考えられています。しかし、早発卵巣不全の多くは原因不明です。

早発卵巣不全の症状は?

月経異常

早発卵巣不全では、40歳未満という若年のうちに卵巣機能が低下します。
卵巣機能が低下すると、はじめは生理が不順になり、最終的に「無月経」(生理が3ヶ月以上ない状態)となります。

不妊症

早発卵巣不全では、卵巣機能の低下から、「不妊症」となります。
卵巣機能の改善は困難であり、妊娠は極めて難しくなります。また、早発卵巣不全による不妊症は、治療が困難となります。

更年期症状

「女性ホルモン」(エストロゲン)が低下することから、更年期症状が出現します。たとえば、「Hot flush」(顔の赤らみ)、「発汗」「動悸」「いらいら感」などの症状が出現します。

その他

「女性ホルモン」(エストロゲン)が低い状態になると、「骨粗しょう症」や「脂質代謝異常症」などになりやすいです。
「骨粗しょう症」から骨折しやすい状態となったり、「脂質代謝異常症」などから心臓や血管の動脈硬化などの異常が起こりやすくなります。

早発卵巣不全の診断は?

上記の基準を満たす場合、早発卵巣不全と診断されます

早発卵巣不全の治療は?

妊娠希望がない場合

「カウフマン療法」が基本となります。
具体的にいうと、「エストロゲン」と「プロゲステロン」を周期的に投与する「カウフマン療法」をおこなうことで「生理」を起こすことができます。
また、「女性ホルモン」(エストロゲン)が不足するため、「更年期症状」「骨粗しょう症」「脂質代謝異常症」などにつながるため、女性ホルモンを補充する治療も行われます。

妊娠希望がある場合

早発卵巣不全にともなう不妊治療は非常に難しい場合が多いです。
長期に女性ホルモンを内服したり、「GnRHアゴニスト」を使用して「FSH」を正常化させて排卵誘発するなどの方法が行われます。「ゴナドトロピン」などを用いた排卵誘発が行われたりします。
自己免疫疾患が関係している場合には、「ステロイド」による治療がおこなわれます。
卵巣を摘出して卵子を活性化してから卵巣を移植して、体外受精をおこなう方法を試みている施設もあります。

まとめ

  • 早発卵巣不全は、40歳未満で卵巣機能が低下して「無月経」となった状態です。
  • 早発卵巣不全では「月経異常」「不妊症」「更年期症状」などの症状がおこります。
  • 早発卵巣不全は「40歳未満であること」「4-6ヶ月以上の無月経」「LH・FSHが高値」「女性ホルモンが低値」を満たすと診断されます。
  • 早発卵巣不全では「カウフマン療法」「GnRHアゴニスト」「排卵誘発」などの治療をおこないます。

早発卵巣不全と診断された場合は、どうすればいいのかわからないかと思います。

「無月経」がきっかけで受診して、早発卵巣不全だと診断されることが多いです。
早発卵巣不全では、生理を整えるだけでなく、女性ホルモンの低下による体の変化をケアする視点が重要になります。
通常でも50歳前後に閉経をむかえることになりますが、それが若年に起こることになりますので、ヘルスケアというものが重要になります。

また、早発卵巣不全において妊娠を希望する場合には、治療が非常に難しくなることが多いです。不妊治療が専門の医療機関で相談するようにしましょう。

この記事によって「早発卵巣不全」の理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。

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