妊活の前に!プレコンセプションケア 【解説③ 女性 後編 15-20】

結論ですが

プレコンセプションケアとは、将来の妊娠のためのヘルスケアをおこなうことです。

この記事は「妊活中の女性」に向けて書いています。
妊活に関する疑問・悩み・不安などが解決できればと思っています
この記事を読むことで「プレコンセプションケア」についてわかります。

みなさんは「プレコンセプションケア」という言葉をご存知でしょうか?

これは、妊活をする前から、将来の妊娠を考えながら、ご自身の体と心の状態を知り、日々の生活や健康と向き合うことです。
妊娠を意識している人はもちろんのこと、まだ具体的に妊娠を考えていないような「10代」から「20代」の女性も今すぐにでも始めて欲しい内容です。

「国立成育医療センター」には「プレコンセプションケアセンター」があり、とても力を入れています。その中で、女性用の「プレコンセプションケア・チェック項目」があり「20項目」掲げられています。

今回は「プレコンセプションケアの20のチェック項目(女性用)後編」について説明していきます。

この記事のまとめ

国立成育医療センターHPより抜粋

プレコンセプションケアとは

プレコンセプションケアとは、適切な時期に、適切な知識・情報を女性やカップルに提供し、将来の妊娠のためのヘルスケアをおこなうことです。

プレコンセプションケアは、妊娠を意識している人はもちろんのこと、まだ具体的に妊娠を考えていないような「10代」から「20代」の女性も今すぐにでも始めて欲しいケアです。

プレコンセプションケアの重要性は、2006年にアメリカ疾病管理予防センター「CDC」、2012年に世界保健機構「WHO」、2015年には世界産婦人科連合「FIGO」で本格的に推奨されており、日本では2015年に「国立成育医療研究センター」でプレコンセプションケアセンターが開設されました。
そこでは、女性用の「プレコンセプションケアにおける20のチェック項目」が掲げられており、前編・中編に続いて解説していきたいと思います。

15.子宮頸がんワクチンを若いうちに打とう

「子宮頸がんワクチン」を性交渉を経験する前の「10歳から14歳まで」の若いうちに打つようにしましょう。

日本において「子宮頸がん」は若い女性で増えてきています。
「子宮頸がん」のほとんどは「HPV」(ヒトパピローマウイルス)というウイルスが原因であり、「HPVワクチン」(子宮頸がんワクチン)で子宮頸がんを予防することができます。
子宮頸がんによって若い女性が亡くなってしまったり、治療のため子宮を摘出しなければならなかったりします。「子宮頸がん」で苦しむ人が一人でも少なくなるために、「HPVワクチン」を若いうちに打つようにしましょう。

16.かかりつけの婦人科医をつくろう

かかりつけの婦人科医をつくるようにしましょう。

みなさんは、かかりつけ医をご存知でしょうか?
「健康に関することを何でも相談でき、必要な時は専門の医療機関を紹介してくれる身近にいて頼りになる医師のこと」をかかりつけ医と呼ばれています。

「体がだるい」「月経の症状がひどい」「お腹が痛い」などの症状で困っている時にはもちろんのこと。自分の体のこと、健康に関することなど相談したい時にも「かかりつけ医」が役に立ちます。
ご自身の健康を支えてくれる「かかりつけの婦人科医」をつくるようにしましょう。

17.持病と妊娠について知ろう(薬の内服についてなど)

定期的に通院している持病があれば、妊娠に影響がある病気なのか知るようにしましょう。

病気の種類やコントロール状況によっては、妊娠をすると持病が悪化するものがあり、妊娠が許可されない場合があります。
たとえば、重度な心臓の病気など患っているときには、妊娠による体の変化のため病状が悪化することがあります。妊娠によって病状が悪化すると母子ともに命に関わることがあり、そのような場合には妊娠が許可されないです。

また、定期的に処方されている薬を確認するようにしましょう。
くすりの種類によっては、妊娠するとお腹の中の赤ちゃんに影響を与えてしまうものがあります。

定期的に通院している持病があれば、かかりつけ医に相談して、妊娠する前に診察を受けましょう。また、定期的に処方されている薬がある場合は、そのくすりが妊娠中に安全に使えるものか確認しておくようにしましょう。

18.家族の病気を知っておこう(生活習慣病・遺伝疾患など)

「生活をともにしている家族」や「血縁関係にある家族」の病気を知っておくようにしましょう。

生活をともにしている家族とは、「生活習慣」が似ています。たとえば、食事であれば、味付け・食べる量・食べるスピード・お菓子などの間食など。運動する習慣、起床から就寝までの生活リズム、睡眠時間、喫煙・アルコールなどの嗜好品など。生活習慣が似ていると、なりやすい病気も似てくるのです。とくに自分の親が、「高血圧」「糖尿病」「脂質異常症」などの「生活習慣病」にかかっている場合は、ご自身もかかりやすいので注意するようにしましょう。

また、遺伝疾患や遺伝によってなりやすい病気などもあります。「血縁関係にある家族」の病気を知っておくようにしましょう。

19.歯のケアをしよう

普段から歯の健康状態を定期的に確認するようにしましょう。

歯の健康が、全身の健康につながります。とくに症状がなくても歯医者を受診して定期的に歯のケアするようにしましょう。

また、妊娠を考えている場合には、妊娠する前に歯医者を受診して、口の中の健康状態を確認してもらいましょう。
なぜなら、妊娠をすると、虫歯や歯周病が悪化しやすいからです。
妊娠すると、唾液の分泌量が少なくなったり、食べ物の好みが変わったりします。とくに妊娠初期では「つわり」の症状などが起こり、口の中の環境が大きく変化して、虫歯や歯周病になりやすくます。さらに、虫歯や歯周病がある場合には悪化しやすいです。
また、虫歯や歯周病があると、「早産」や「低出生体重児」のリスクが上がることが知られています。
妊娠する前に歯医者を受診して、口の中の健康状態を確認してもらいしましょう。そして、虫歯や歯周病がある場合には、妊娠する前にしっかりと治療するようにしましょう。

20.計画:将来の妊娠・出産をライフプランとして考えてみよう

いつまでに、何人こどもを産むのか、将来の妊娠・出産をライフプランとして考えてみましょう。

いつまでに、何人こどもを産むのか「家族計画」を立てることが大切です。
こどもを産みたいという場合には「妊娠や妊活に関する知識」が必要です。
反対に今は仕事に集中したいから、こどもを産みたくないという場合には、「避妊に関する知識」が必要です。
また、妊娠した時の環境や生活の変化を考えておきましょう。
妊娠すると…「妊娠」→「出産」→「産後」「子育て」と目まぐるしく環境が変わります。とくに妊娠期間中は体調を崩すことがあったり、予期せぬ出産の経過となったり、慣れない子育てなどで、必ずまわりのサポートが必要となります。
妊娠したときの生活を想定して、自分の生活についてしっかりと考えておくようにしましょう。

いつまでに、何人こどもを産むのか、将来の妊娠・出産をライフプランとしてパートナーや家族と一緒に考えるようにしましょう。

まとめ

国立成育医療センターHPより抜粋

プレコンセプションケアはとても重要な概念です。
ご自身の健康だけでなく、将来の妊娠・出産、これから育まれていく新たな命へのトータルな視点でのヘルスケアを考えていくことにつながります。

是非とも、プレコンセプションケアのチェック項目を活用するようにしましょう。
1つでもいいので、出来ることを少しずつおこなっていくようにしましょう。
次世代にわたって健康で笑顔があふれるような社会になることを願っています。

この記事によって「プレコンセプションケア」についての理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。

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