結論ですが
奇形精子症とは、正常な形をした精子が非常に少ない状態のことをいいます。
この記事は「こどもが欲しい」と考えている人に向けて書いています。
妊活に関するさまざまな疑問・不安・悩みなどが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「奇形精子症」についてわかります。
妊娠するために何か出来ることはないかしら
男性も出来ることはないかしら…
自分の精子って大丈夫ですか…
このような悩みにお答えします。
女性側だけでなく男性側が不妊の原因になることも十分あります。
そして、男性側の不妊の検査として「精液検査」があります。
精液検査では、「精子の数」「精子の運動率」「精子の形」などが調べられます。
そこで、「自分の精子が実は奇形精子が多い!」とわかる場合もあります。
正常な形をした精子が非常に少ない状態のこと「奇形精子症」といいます。
今回、「奇形精子症」について解説していきたい思います。
この記事のまとめ
- 奇形精子症とは、正常な形をした精子が非常に少ない状態のことをいいます。
- 奇形精子症は、原因は不明ですが「酸化ストレス」「熱」「精神的ストレス」は精子にとって良くないです。
- 奇形精子症は、「目視法」「クルーガーテスト」「コンピューター分析」などの検査で診断されます。
- 奇形精子症は、「精索静脈瘤」「逆行性射精」など疾患の治療や、妊娠を目標として「顕微授精」などの治療が行われます。
奇形精子症とは
奇形精子症とは
奇形精子症とは、正常な形をした精子が非常に少ない状態のことをいいます。
2010年WHO基準において、正常な形をした精子は「4%」以上が正常とされています。
そして、正常な形をした精液が非常に少なく「4%」未満になると「奇形精子症」とよばれます。
精子の形の異常
精液中の精子は、さまざまな形をしています。
たとえば、「頭部が変形している」「首の部分が折れている」「尾部が2つある」などの形の異常があります。
形の異常がある精子は、遺伝情報が正常でなかったり、前進する力が弱かったりするので、卵子と受精にまで至る可能性は低くなり、不妊につながります。
奇形精子は意外と多い
みなさんが思っているよりも、奇形精子は多いです。
「正常な形をした精子が4%しかいない!?」
と驚かれるかもしれません。
しかし、健康な男性でも、正常の精子は実は少なく、「80%以上」は奇形が占めていると言われています。
実は、「4%」もいれば良い方で、男性不妊を受診する人は、正常な形をした精子がごくわずかしかいないということも多々あります。
奇形精子は近年増加
年々成人男性の奇形精子の割合が増えています。
WHOの調査において、成人男性の奇形精子の割合は、1999年に「85%」だったものが、2010年には「96%」と増加傾向にあります。
正常な精子が「4%」以上あれば、正常とされるレベルなのです。
奇形精子症の原因
奇形精子症の原因は不明であり、まだはっきりとしたことがわかっていないのが現状です。
ただし、いくつか精子にとって良くないと考えられているものはあります。
では、順にみていきましょう。
酸化ストレス
精子が酸化ストレスに弱いことはわかっています。
CoQ10などの抗酸化作用のあるサプリメントによって、奇形精子が減少するなどという報告があります。
「紫外線」「喫煙」「激しい運動」「加齢」などが酸化ストレスが増える原因となります。とくに、喫煙をしている人は必ず禁煙するようにしましょう。
熱
精子が熱に弱いことはわかっています。
精子が熱にさらされる「精索静脈瘤」の治療をすることで改善するケースがあります。
精子が熱に弱いため、股間の高温を避けるようにしましょう。
日常生活では、「ぴっちりした下着を避ける」「長風呂やサウナで股間を温めすぎない」「膝上でのPC作業を避ける」などに注意をしましょう。
精神的ストレス
ストレスは万病の元であり、精子にも悪影響をおよぼします。
成人男性において、ストレス指数が高くなると、精液量の減少、精子の運動率の減少、奇形精子の増加する割合が増えるなどの報告があります。
「適度な運動」「十分な睡眠」「規則正しいバランスの良い食事」などの健康習慣によって、ストレスをため込まないようにしましょう。
奇形精子症の検査
目視法
顕微鏡で拡大して観察して、目視によって精子の形の異常を判断します。
クルーガーテスト
精子を染色し、見やすい状態にして、精子の形の異常を判断します。
コンピューター分析
コンピューターによる解析によって、精子の形の異常を判断します。
奇形精子症の治療
原因疾患の治療
「精索静脈瘤」「逆行性射精」などの明らかな原因疾患があれば、その治療を優先します
奇形精子が増加する原因やメカニズムが正確にはわかっていないだけに、奇形精子症だけを治す治療というのは存在しません。
しかし、「精索静脈瘤」「逆行性射精」などの明らかな原因疾患に対する治療が行われる過程で、奇形精子症が改善してくる場合があるのです。
顕微授精
奇形精子症では、妊娠を目標とした治療をするために「顕微授精」が行われる場合があります。
顕微授精においては、1つの精子を選んで、卵子と受精させます。
このときに、より良い精子を選ぶことにおいて、より一層の注意が必要です。
奇形率にとどまらず、精子のDNA状態・先体反応を起こす力・ミトコンドリアなども問題ない精子を選ぶことが重要になるのです。
奇形精子症では、より良い精子を選び、「顕微授精」が行われることが重要なのです。
まとめ
- 奇形精子症とは、正常な形をした精子が非常に少ない状態のことをいいます。
- 奇形精子症は、原因は不明ですが「酸化ストレス」「熱」「精神的ストレス」は精子にとって良くないです。
- 奇形精子症は、「目視法」「クルーガーテスト」「コンピューター分析」などの検査で診断されます。
- 奇形精子症は、「精索静脈瘤」「逆行性射精」など疾患の治療や、妊娠を目標として「顕微授精」などの治療が行われます。
今回は「奇形精子症」について説明しました。
妊娠するには女性だけでなく男性の協力も必要です。
とくに不妊の原因は「男女平等」であり、男性側もしっかりと「精液検査」など受けるようにしましょう。
こどもは2人が協力して授かるものです。
しっかりと男女2人が協力していくことが大切です。
そして、子どもが欲しいという気持ちをしっかりとサポートできる存在でいたいと思います。
妊活がうまくいって子どもを授かり、喜ぶひとが少しでも増えることを願っています。
この記事によって、「奇形精子症」について理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。
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