陰部潰瘍とは?

結論ですが

陰部潰瘍(かいよう)とは、陰部の皮膚の表面が「ただれた状態」のことをいいます。

この記事は「症状で困っている」女性に向けて書いています。
女性特有の症状の悩みが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「陰部の潰瘍」についてわかります。

陰部にできものができましたが、どうすればいいですか?

このような疑問にお答えします。

陰部にできものが出来た場合は、部位が部位だけに受診するのをためらってしまうかもしれません。
しかし、性行為でうつす可能性や、全身に病変が広がる疾患が隠れている場合があります。
恥ずかしがらずに受診して相談するようにしましょう。

では、「陰部潰瘍」が出来た場合はどうすればいいだろう?

ということで、今回は「陰部潰瘍」について説明していきます。

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この記事のまとめ

陰部潰瘍とは

陰部潰瘍とは、陰部の皮膚の表面が「ただれた状態」のことをいいます。

「陰部潰瘍」は、陰部に潰瘍ができた状態のことをいいます。
潰瘍は、皮膚の表面の表皮や粘膜が欠損して「ただれた状態」のことをいいます。
よく「胃潰瘍」を耳にすることがあるかと思いますが、これは胃の粘膜が欠損して「ただれた状態」のことをいいます。

陰部潰瘍の原因はさまざまあります。とくに、「感染症」であれば性行為などによって感染したり、他の人に感染させて病気を広げてしまう恐れがあります。
全身に症状を引き起こす病気も隠れていることもあり、放置すると病変が広がってしまうおそれがあります。

ということで、陰部潰瘍の原因・診断・治療についてみていきましょう。

陰部潰瘍の原因

性器ヘルペス

陰部潰瘍の原因として、「性器ヘルペス」があります。

性器ヘルペスは、「単純ヘルペスウイルス」(1型,2型)とよばれるウイルスが性器に感染することで起こります。
主に性行為によって性器や口唇などに感染をおこし「性器ヘルペス」や「口唇ヘルペス」となります。

女性の場合は性行為をした「2-10日後」あたりから発症し、外陰部に「みずぶくれ」や「浅い潰瘍」などの病変がみられます。

梅毒感染

陰部潰瘍の原因として、「梅毒感染」があります。

「梅毒トレポネーマ」という病原体が原因の感染症です。
おもに性行為(セックス・オーラルセックス・アナルセックスなど)の際に、血液・精液・腟分泌液などの体液を介して感染します。

梅毒の感染によって全身にさまざまな皮膚の病変が出来ます。
梅毒感染から3-6週間の第1期梅毒の時期に「痛みを伴わない潰瘍」ができます。
また、「初期硬結」「硬性下疳」、「バラ疹」「扁平コンジローマ」など多彩な皮膚症状を呈します。

ベーチェット病

陰部潰瘍の原因として、「ベーチェット病」があります。

ベーチェット病は、全身の臓器におこる粘膜の炎症をともなう「全身性炎症性疾患」です。症状は慢性的におこり、再発することが特徴です。おもに「陰部」「口の中」「皮膚」「眼」の4つの部位に症状をきたします。

軟性下疳

陰部潰瘍の原因として、「軟性下疳(なんせいげかん)」があります。

軟性下疳は、「軟性下疳菌」による感染症です。
おもに性行為によって感染します。
性器の皮膚または粘膜に「痛みをともなう潰瘍」や「鼠径リンパ節の腫れ」などの症状を呈します。

陰部潰瘍の診断

視診・触診

陰部の病変を見たり触ったりして診断します。

まずは、病変をみることによって、「できもの」の種類が何なのか判断します。
そして触って「できもの」の「硬さ」や「動きやすさ」「痛みがおもなうか」など確認します。

陰部の「できもの」は、視診だけで8割程度は診断することができます。

プライムチェック

プライムチェックは、陰部の潰瘍などの病変に単純ヘルペスウイルスの抗原が含まれているか迅速に検査することができます。

陰部潰瘍の病変をこすって検体を採取して、検査キットで検査します。その場で検査結果が判明しますが、ヘルペス感染であっても検査結果が「陰性」となる可能性もあるため結果の判断は慎重におこないます。

血液検査

血液検査で、おもに梅毒感染・炎症性疾患・細菌感染などの可能性を判断します。

梅毒抗体(RPR法やTPHA法など)の検査や、CRP・白血球などの炎症反応を検査して、「梅毒感染」や「ベーチェット病」、軟性下疳などの「細菌感染」の可能性を判断します。

陰部潰瘍の治療

性器ヘルペス

性器ヘルペスの治療は、抗ウイルス薬である「バラシクロビル」「アシクロビル」などの飲み薬や塗り薬を使います。

再発を何度も繰り返す場合は、再発予防のために「抗ウイルス薬」を毎日継続的に飲んでもらうことがあります。

梅毒感染

梅毒感染の治療は、ペニシリン系の「抗生剤」が使われます。

2-12週間程度、比較的長期間の抗生剤による治療が必要です。
なお、ペニシリンのアレルギーがある場合には、他の種類の抗生剤を使います。
また、RPR法の梅毒検査で数値が下がっているか確認して治療が完了したか確認します。

ベーチェット病

ベーチェット病の治療は、「ステロイド」の塗り薬、「プロスタグランジン」の塗り薬など使います。

また、病変が大きく、治療に苦慮する場合には「ステロイド」の全身投与も行います。

軟性下疳

軟性下疳の治療は、「抗生剤」が使われます。

まとめ

今回は「陰部潰瘍」について説明しました。

陰部に「病変」が出来た場合は、部位が部位だけに恥ずかしいかと思います。
しかし、恥ずかしがらず勇気をもって婦人科を受診して相談するようにしましょう。
婦人科は困っている人の味方です。

この記事によって「陰部潰瘍」の理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。

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